観劇の感想

花組「CASANOVA」新人公演キャストごとの感想

おはようございます。ヴィスタリアです。

花組「CASANOVA」新人公演のキャストごとの感想です。
ヴィスタリアの独断と偏見、偏愛に満ちたものになります。

ジャコモ・カサノヴァ/帆純まひろ(明日海りお)

99期、研7で新人公演初主演となったホッティー(帆純まひろ)。
ホッティー、主演おめでとうございます。

ホッティーはややアッシュがかったブロンド、目元のメイクが美しく、多くの女性に愛されるカサノヴァが似合っていました。

ホッティー、とってもかっこよかったですしまぶしかったです。

そしてみりおちゃん(明日海りお)とは違うカサノヴァを作っていると思いました。

カサノヴァは多くの女に愛されるだけでなくカジノ・ディ・ヴェネツィアの仲間たちからの人望も厚いですが、
ホッティーのカサノヴァはまぶしいくらいのイノセントさで人を惹きつけているのが伝わってきました。

なんてキラキラと明るくまぶしいんでしょう。

「ドン・ジョバンニ」でコンデュルメルをやりこめようと仲間たちが結束するのもわかります。

歌うま、歌が得意というタイプではないのかもしれませんが大健闘だと思いますし、
先日ラジオ「ビバ!タカラジェンヌ」で大劇場新人公演の歌を聞きましたが、進歩していると感じました。

終演後の挨拶は涙がこぼれないようにしているのか、一つひとつの言葉をゆっくりと、噛みしめるように大切にお話されていました。

夢中で観劇して感動でいっぱいでごく一部のニュアンスしか覚えていないのですが、このような挨拶をされていました。

「最後までご観劇くださりありがとうございました。
大好きなお芝居ができて、役のことをたくさん考えてすてきな歌を歌えて幸せでした。
上級生の背中を見て芸に精進していきたいです。
カサノヴァのように多くの人に愛される男役になれるよう明日からもがんばります」

すばらしい主演、熱演でした。
ホッティーのこれからを楽しみにしています。

ベアトリーチェ/華優希(仙名彩世)

はなちゃんが登場すると舞台がパッと明るくなる華やかさがあり、立ち姿や雰囲気、演技にもはなちゃんにしかない魅力、かわいらしさがあると感じました。

演技では本役のゆきちゃん(仙名彩世)とは別の、自分なりのベアトリーチェを作っていると思いました。

プログラムの主な配役にはベアトリーチェは修道院で学び、ヴェネツィアにやって来たばかりの理知的な女性とあります。

ゆきちゃんはこの「理知的」に寄せているとするのなら、はなちゃんのベアトリーチェは修道院で本を読むのも「礼拝ばかりで退屈だから外の世界を知りたい」という好奇心のあふれた結果のように感じました。

はなちゃんのベアトリーチェは若くて、自分の気持ちにまっすぐで好奇心も冒険心もある魅力的な女の子でした。

ゴンドリエーレに扮装したカサノヴァのゴンドラに乗り込むとき、水色のドレス(ポスターでゆきちゃんが着ているドレス)のたっぷりと長い裾を踏まないようモモロが丁寧にお手伝いをしていました。

モモロの「気をつけて」に答えるはなちゃんの素っ気ない「ありがとう」に笑いが起こっていました。
考え事で頭がいっぱいで目の前のことに意識がいっていない、そんなベアトリーチェの心が伝わってきました。

歌は音は取れていて声もきれいでしが、もうちょっと声が伸びるといいなあと思う箇所がありました。

コンデュルメル/聖乃あすか(柚香光)

あすかちゃん、スターのオーラがすごかったです。

しかも演技もよく、発声も滑舌もよく歌も上手でした。

すでに新人公演主演2回、本公演でも推されていますが、推されるわけは見ればわかる、納得でした。

本公演のコンデュルメルはただの黒い役ではなく笑いどころもある”おいしい役”でしたが、新人公演は笑いの要素がカットされており黒い役になっていたかと思います。

これからいろいろな役を経験されていくのでしょうけれど今回(基本の、という言い方でいいのかわかりませんが)黒い役のあすかちゃんが見られてよかったです。

あすかちゃんの演技がうまいので笑いを取るシーンがあったらどんなふうにやったのかも見てみたかったという気持ちもあります。

一方で笑いをカットされた分、コンデュルメル夫妻のヒリヒリした関係が際立ったのはよかったような気がします。
銀橋に夫妻が立ち遠く隔たった関係を嘆くシーン、すばらしかったです。

あとどこのシーンはちょっと曖昧なのですが、マント捌きが非常に美しくてはっとした瞬間がありました。

コンデュルメル夫人/舞空瞳(鳳月杏)

ひっとんの雰囲気や魅力とはまったく遠いところにある妖艶な大人の女性、難しい役を自分のものにしていました。
演技のひきだしが増えたのではないでしょうか。

紫がかった黒髪などちなつさんとは違うヘアスタイルで工夫されていました。

そして歌がすごかったです。上手で美しい声がよく伸びていました。

ベネラに「ごはんは?」と言われて「抜きに決まってる!」とキレるところ、迫力あって笑えました。

夫コンデュルメルの言葉に傷ついて毒をあおってセリ下がるところは大きな拍手が起こっていました。
それだけひっとんの好演、歌が光っていたのだと思います。

ダニエラ/音くり寿(桜咲彩花)

キンキンと高く割れない声の娘役さんが好きだなあと思うのですが、おとくりちゃんもその一人であることに気づきました。

本公演ではエトワールですばらしい歌唱を聞かせてくれていますが新人公演でも歌はもちろん、演技の完成度が高く安心して観ていられました。

ほんの少しいたずら心がありそうといいますか、バルビ神父とどんなことがあったのか想像できるような軽やかさがやりすぎにならないよう、ちょっぴり見せていたのがうまいと思いました。

その他のキャストたち

一言ずつですが触れさせてください。

◆ミケーレ伯爵/一之瀬航季
すごくよかったです。セリフが明瞭で、教皇の存在感の重みも出ていました。
そしてきれいなお顔立ちで目立っていました。

◆バルビ神父/愛乃一真(水美舞斗)
本役さんをよく研究していると思いました。
演技、歌、声が安定していてじょうずでした。

◆ゾルチ夫人/糸月雪羽(花野じゅりあ)
2階席最後列の立ち見からオペラグラスを使わなくても「あ、きれいな娘役さん」とわかりました。

もっと多くの生徒さんに触れたいのですがヴィスタリアの記憶力ではこれが限界です。

一人ひとりの熱意とエネルギーに満ちたすばらしい新人公演でした。
花組サイコー!!

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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