こんばんは、ヴィスタリアです。
東京宝塚劇場初日から間もない花組「元禄バロックロック/The Fascination!」を観劇してきました。
ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想で、作品の内容に触れています。
谷貴矢先生の本公演デビュー作「元禄バロックロック」を歓迎する
VISA協賛ということで芝居もショーも衣装が豪華でセット、映像も凝っていて目から楽しい公演でした。
しかも2022年の観劇初めは小林一三先生の誕生日でした。
小林一三先生の誕生日がmy初日になりました。
ロビーのお花が豪華で華やかでとても素敵です。 pic.twitter.com/VRKG2rFHc0— ヴィスタリア@聞いてちょうだいこんなヅカバナ (@zukabana_vis) January 3, 2022
今年もよい観劇ライフが楽しめそうです。
特に「元禄バロックロック」は開演前の装置、映像からうんと凝っていて、劇中でも鮮やかな花火の映像や賭場ラッキーこいこいの装置など印象的でした。
花組🌸元禄バロックロック、すごくよかった。ありえない忠臣蔵という意味ではトンキチ(←褒めてます)なんだけれど、切なさとロマンスとハッピーがちゃんとあるストーリーにときめきました。
セットも衣装も映像も美の洪水で目も心も幸せ。 pic.twitter.com/LZvW0gpEiz— ヴィスタリア@聞いてちょうだいこんなヅカバナ (@zukabana_vis) January 3, 2022
加藤真美先生のセンスが光るお衣装がこの谷貴矢先生の世界観とれいまど(柚香光・星風まどか)はじめ花組生の華やかな美麗さにぴったりで目から幸せでした。
花の名前の役名の娘役さんたちが赤い衣装を翻しながらゆったりと踊る様が金魚が泳ぐ様か花が咲き乱れる様のようで美しかったのも印象的でした。
特にカリン/凛乃しづかがヘアスタイルを含めて雰囲気に合っていて好きでした。
「元禄バロックロック」は谷貴矢先生の本公演デビュー作で、
「出島小宇宙戦争」のような独特のエドワールドと言葉遊びについていけるのかという不安と
「出島小宇宙戦争」フィナーレや「ダル・レークの恋」の見事なミュージカル化と演出の手腕に期待する気持ちの半々でした。
大劇場で観劇した方の感想を読んでいるとあまり予備知識を入れずに見た方が楽しめそうだったので
プログラムを眺めるくらいで観劇したのですが不安は杞憂でした。
「元禄バロックロック」を一言で表すとしたらファンタジーでハッピーな忠臣蔵スピンオフでしょうか。
そういう意味ではトンチキなのかもしれませんがいいトンチキといいますか(褒めてます)、自分はとても楽しかったですし好きだと思うポイントもありました。
ショー「The Fascination!」が10分延長されている分こちらは10分短縮されているなかで話は決着をしますし、
クロノスケ/柚香光とキラ/星風まどかのストーリーも美しく進んでいきます。
この2人のストーリーを動かしているのはキラ/星風まどかの方だという意味で「元禄バロックロック」はキラの物語と言えるのかもしれませんが、
キラの抱えているものがこの世界のふしぎな設定があってこその切なさであったのがたまりませんでした。
この設定ゆえに繰り返されるクロノスケとキラのやりとりに言葉遊びらしいもの(「(キラという名前が)キラめく笑顔にぴったりだ」)が融けこんでいるのもツボでした。
谷貴矢先生は「出島小宇宙戦争」もそうでしたが、謎めいた美しい女性に翻弄される主人公、同じことが繰り返されるストーリーがお好きなんだなあと思いました。
役ごとの感想
◆クロノスケ/柚香光
黒髪をルーズに結ったれいちゃん(柚香光)のクロノスケ、とってもかっこよかったです。
ストーリーはキラが動かしているのである意味振り回されているように見えて、キラのためにしようと決めたことはするまっすぐさはちゃんとヒーローでした。
このヒーロー感と賭場で溺れるように遊ぶギャップもよかったです。
東京は初日から間もない観劇だったのですが、客席から笑いが起きていたのでアドリブであったりその日ごとにれいちゃんが変えているのかな?と感じシーンがいくつかありました。
次の観劇で確かめてみたいです。
もしアドリブだとしたらなんと自然で、柚香光はそこにいるだけで役に成り切れる表現者なんだろう…と感嘆せずにいられません。
役ごとに雰囲気はもとより立ち方、体の動かし方も変わるのがその魅力の一つだと思っています。
◆キラ/星風まどか
賭場ラッキーこいこいの主の出で立ちと、コウズケノスケの娘としての出で立ちがまったく異なるのですがどちらもかわいく着こなしているのがさすがです。
まどかちゃん、花組にいらしてから一層華奢な美しさが際立つようになったと思います。
どこか謎めいた言動でクロノスケを惑わす一方で、していることがいじらしくてかわいくて…。
ルックスも役柄も少女漫画のヒロインのようなお役をまどかちゃんで見られてうれしかったです。
◆コウズケノスケ/水美舞斗
プラチナブロンドでお髭でちょっと(大分?)悪い役で、二番手らしい役どころをマイティー(水美舞斗)が演じています。
悪い色気が滴っていて、登場シーンからしてツバキ/星空美咲の膝枕なのですからまいりました。
オペラグラスでずっと見ちゃいました。
ツバキに思いつめた様子がある分、関係性がすけて見えるというかコウズケノスケがどのように接しているのか…妄想も止まりません。
ケイショウイン/美風舞良との関係も匂わせて、モテモテなコウズケノスケでした。
ケイショウインが艶っぽくて真っ赤な口紅が眩しくて、年の差カップルの色気、駆け引きにどきどきしました。
印象的だったのはケタケタとした不気味な笑い声で、マイティーはこんな声の表現もできるのか…と知った思いです。
マイティーはここのところ人のいい役が続いていたので色悪が新鮮でした。
◆クラノスケ/永久輝せあ
初の東上主演作「冬霞の巴里」が復讐劇と発表になっていますが、ひとこちゃん(永久輝せあ)には復讐がよく似合いますね。
クラノスケは落ちぶれた長屋暮らしをしているように見せかけて実は仇討を虎視眈々と狙っています。
妻リク/華雅りりかをもあざむく零落ぶりと目をぎらつかせて仇討を語るギャップといったら。
この狂気とほの暗さを見せるひとこちゃん、最高です。
美貌と黒髪に加藤真美先生のお衣装もお似合いで美しかったです。
◆タクミノカミ/聖乃あすか
人ならざるものの美しさとふしぎな魅力があって「A Fairy Tale」の白い薔薇の精の美しさを思い出しました。
一人称が「僕」だったのが強く印象に残り、人物像が立ち上がってくるようでした。
クロノスケ、コウズケノスケ、クラノスケと並ぶとゴージャスかつ華やかな美しさに圧倒されました。
タクミノカミのために仇討に向かう赤穂浪士たちが銀橋にずらりと並んだとき、ヤスベエ/飛龍つかさ、ゲンゴエモン/帆純まひろ、ソウエモン/一之瀬航季らが常軌を逸した目つきになっていたのもよかったです。
タクミノカミの慕われ具合が浪士たちの場面から伝わってきてあたたかい気持ちになりました。
◆ツナヨシ/音くり寿
少年の出で立ちの将軍で、ものすごいインパクトでした。
歌声も演技も。
そしてくりすちゃんはこういうときやりすぎないバランス感覚があるなあと思います。
犬のぺスのぬいぐるみがかわいくて、「NICE WORK IF YOU CAN GET IT」のクマのぬいぐるみもそうでしたがキャトルレーヴで売ってほしい…。
以上、初見の感想でした。
ストーリーをわかった上で観るとまた違う感想を抱く作品だと思います。
何度か観る予定なので楽しみです。
ショー「The Fascination!」の感想は別記事で書きます。
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