観劇の感想

予備知識ほぼ0で観た「花より男子」は楽しかったが(やや辛めの感想)

こんばんは、ヴィスタリアです。

赤坂ACTシアターで花組「花より男子」を観劇しました。
いつもの通り、ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想を記事にしています

なおヴィスタリアは「花より男子」の世代ではありますが原作漫画を読んだことがなく(ほかの漫画に夢中だった)、テレビドラマも見たことがなく(テレビを見る習慣がない)、正直に言うなら当時は食わず嫌い気味でした(完全に個人の主観です)。

なので今回の観劇にあたっても「なんで「花より男子」なんだろう」という視線があり、この記事の感想は非常に偏っていると思いますが、「こういう捉え方をする人もいるんだ」くらいに受け止めていただけたらと思います。

宝塚歌劇「花より男子」が原作世界の魅力を教えてくれた

前述の通りヴィスタリアは「花より男子」の予備知識はほぼ0で、
牧野つくし、道明寺司、花沢類、F4という固有名詞だけは聞きかじっていましたしキャラクターのイメージもなんとなくですが抱いているくらいでした。

そんな予備知識ほぼ0の状態で観劇した「花より男子」はとても楽しくおもしろかったです。

たくさん笑い、各キャラクターに魅力を感じ、花組生を一層好きになり、原作の楽しさに触れることができたと感じています。

映像を駆使した演出、漫画のページをめくるようなスピード感のあるストーリー、そして実際に漫画を読んでいるかのように感じる展開、個性の際立つキャラクターたちそれを演じる花組生の力に魅力を感じたのだと思っています。

なかでも道明寺司/柚香光牧野つくし/城妃美伶花沢類/聖乃あすかのキャラクターの再現度と魅力には圧倒されました。

道明寺司/柚香光の立ち方と姿勢の崩し方、ワイルドな椅子の座り方。暴君のような嫉妬と独占欲の表し方。

牧野つくし/城妃美伶のくるくると変わる表情の豊かさ、私服のダサさ(褒めてます)、飛び蹴りの勢い、溌剌さ。

花沢類/聖乃あすかの一人だけ温度の違うふしぎな空気と独特のテンポ。

自然と「この後どうなるんだろう?」「原作も読んでみたい」「これをあの俳優さんが演じたのか。見てみたい」と思いました。

宝塚歌劇で上演されることがなければ「花より男子」の世界に足を踏み入れるーー興味を持つのはもっとずっと先だったかもしれません。

なぜ「花より男子」だったのかも考えずにはいられない

楽しく観劇し「花より男子」ワールドの魅力に触れた一方でなぜ「花より男子」を上演したのかということも考えずにはいられませんでした。

宝塚歌劇では多くの漫画作品を舞台化しています。
主な作品をざっと挙げてみます(順不同)。

「ベルサイユのばら」池田理代子
「オルフェウスの窓」池田理代子
「大江山花伝」木原敏江
「紫子」木原敏江
「アンジェリク」木原敏江
「はばたけ黄金の翼よ」粕谷紀子
「ブラックジャック」手塚治虫
「虹のナターシャ」大和紀和
「あさきゆめみし」大和紀和
「猛き黄金の国」本宮ひろ志
「エル・アルコン-鷹-」青池保子
「メイちゃんの執事」高城理子
「仁-JIN-」村上もとか
「伯爵令嬢」細川智栄子あんど芙~みん
「るろうに剣心」和月伸宏
「ルパン3世」モンキーパンチ
「天は紅い河のほとり」篠原千絵
「アメリカン・パイ」萩尾望都
「ポーの一族」萩尾望都

現代の日本を題材にしたものは「メイちゃんの執事」「花より男子」くらいでしょうか。

演劇界に2.5次元というジャンルが生まれ多くの漫画やアニメ作品が舞台化されているなかで、時代も場所も現代となると宝塚歌劇ではなくとも舞台化しやすいのではないと感じることがあります。

逆に登場人物たちの設定や美しさが現実離れしている「ポーの一族」、描かれている時代が壮大な「天は紅い河のほとり」
宝塚歌劇ならではの美しさや豪華で凝った装置、演出といった舞台化で得られる効果が一致しているように思います。

これはヴィスタリアの個人的な思いですが宝塚歌劇で2次元作品を舞台化するのであれば後者ーー宝塚歌劇ならではの世界観と原作作品のよさが合致し、相乗効果でさらなる魅力が生まれるような作品の舞台化を望みたいと思っており、
現代の学園ものという世界観は該当しないのではないかと思うのです。

しかしこれはヴィスタリアが宝塚歌劇で初めて「花より男子」の世界に触れて興味をもったように、
「花より男子」で初めて宝塚歌劇に触れて興味を持たれる方も相当数おられるでしょうしそれを狙っているのかもしれません。

なぜ現代の日本物がひっかかるのか

時代と舞台が現実に近いものになることで生徒さんとの年齢を意識するあるかもしれないと構えていたのですが、
これはいざ幕が上がったら気になりませんでした。

それよりも宝塚歌劇の舞台で現代のいじめ、暴力、未成年の飲酒といったことが描かれることに心がざわつきました。

不倫や略奪愛を美化し(たとえば「アンナ・カレーニナ」)、トップスターが殺人をおかし(たとえば「ファントム」)、大量殺人をおこなう(たとえば「夢現無双」)のを平気で観てきました。

しかしこれが現代社会、学園ものとなると、生まれながらの平等がたとえ幻想だと承知していしても、具体的に描かれるいじめや暴力を観るのがしんどい気持ちがありました。

またコンテストの最終審査が子どもたちの人気投票という、ある意味遠慮のないものであったのにも非常にザワザワしたので子どもたちの選んだ答えに胸を撫でおろしました。

(また未成年の飲酒シーンがやたらと多いことも気になりましたが「これはフィクション」と自分に言い聞かせました。)

たびたび野口先生のセンス、趣味と合わないと感じることがあるのですが(お好きな方ごめんなさい)、主題歌の歌詞なども気になりました。

辛めの感想になりましたが出演されている生徒さんの熱演はすばらしいもので、キャストごとの感想は次の記事で書きたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
ランキングに参加しています。
ポチッとしていただたらうれしいです。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ