観劇の感想

漫画のページをめくるように楽しんだ「花より男子」

こんばんは、ヴィスタリアです。

「花より男子」感想、完結編です。

漫画「花より男子」を読むように観た舞台

ACTシアターの限られた舞台機構のなかで映像を駆使し、また花組生の見事な演技力「花より男子」の漫画の世界が再現され、ページをめくっているような感覚がありました。

これは野口先生がプログラムでお話されている狙い通りということになります。

原作の最大の魅力である次から次へと畳みかけるようなストーリー展開を演劇的に、かつ現代的に表現するために、舞台にLEDパネルを登場させ漫画のページをめくるように、スピーディーに進行できればと(後略)

いくつか印象的だったものを挙げてみます。

◆1幕最後の花沢類の帰国のシーン
花沢類の靴音のカツン、カツン、という思わせぶりな効果音、それに合わせようとゆっくりと階段をおりてくるほのかちゃん(聖乃あすか)はまさに漫画的でした。

その後のつくしの混乱、道明寺の動揺のなかで「このあとどうなる?!」で1幕が終わるのもまさに漫画の「次回へ続く」のようでした。

◆牧野家の人々のキャラクター
どの人物も漫画的なのですが、見ていてもっとも「ああ、漫画の絵やコマが目に浮かぶようだ」と思ったのが牧野家のシーンでした。
つくしの母 牧野千恵子/美花梨乃の押しの強さ、喜び方、プログラムのポーズや表情からしてうまいと思いました。

つくしの父 牧野晴夫/高翔みず希のお人好しっぷりもそうです。
また彼がサラ金で300万円を借りて競馬ですってしまうシーンはおそらく絶対にありえないからこそ、漫画の展開だと思いました。
そのさおたさん、クラブのシーンではとてもかっこよく踊りまくっていました。

◆つくしのメタモルフォーゼ
牧野つくし/城妃美伶はこの舞台で3度変身ーーメタモルフォーゼがあります。

1度目は道明寺司/柚香光の謎のはからいでした。
2度目は藤堂静/華雅りりかのバースデーパーティーに騙されてデニムの私服で行ってしまい、静にドレスと靴を選んでもらうシーン、
そして3度目はティーン・オブ・ジャパンに出るためにF4に特訓をされるシーンです。

もとが牧野つくしが主人公の少女漫画ならではの夢や願望を込められた場面だと思いますし、1度目は道明寺に反発し、3度目は道明寺に応援されるという二人の関係の変化が見られるのもポイントでしょう。

宝塚歌劇的だと思ったこと

逆に「ああ、宝塚歌劇だなあ」と思ったこともあります。

・学生食堂のお盆の使い方
・ティーン・オブ・ジャパンで子どもたちと遊ぶときラインダンスになる

また原作とドラマの知識がないので該当しないかもしれませんが、美作あきら/優波慧三条桜子/音くり寿が、西門総二郎/希波らいと松岡優紀/朝葉ことのが最後にカップルのようになるところもそう思いました。

特に三条桜子はなかなか強烈なことをするので、美作あきらに「かわいい」と言われたりカップルらしく寄り添うところは、そのイメージを払拭する効果があったかもしれません。

花組生の実力があってこそ

題材やいじめ、暴力のシーンについては疑問を感じながらも楽しい3時間であったことは確かです。
たった30名でこの舞台を成り立たせるのは大変だったでしょう。
花組生の力があってこそだと思います。

牧野晴夫/高翔みず希が舞台にいるとほっとしましたし、自然と笑いを誘われました。
造形からなにから安定のうまさです。

びっくさん(羽立光来)の学生食堂のウェイター立木の見事なジャンプにキャラクター、デザイナー アーサー・スミスの派手な衣裳の違和感のない着こなし、大好きでした。

藤堂静/華雅りりかはさすが美しさと凛々しさで、こんなに完璧でかっこいい女性が近くにいたら花沢類が夢中になるのも納得です。

この公演中に横浜アリーナ「恋スルARENA」の特別出演もあり非常にハードですが、千秋楽まで全員が元気に舞台に立たれますように。

花組サイコー!!

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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