観劇の感想

宙組「El Japonイスパニアのサムライ」作品の感想(やや辛め)

こんばんは、ヴィスタリアです。

初日と冬休みの間にもう1回宙組「El Japon-イスパニアのサムライ-/アクアヴィーテ!!」を観劇しましたので、
今年もヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想を書いています。
やや辛めの感想になります。

また作品の内容に触れております。

2020年幕開きから作品のクオリティ向上を願う 宙組「El Japon」

小川理事長が年頭インタビューに掲げた2020年の目標が作品のクオリティと品格の向上でしたが、宙組「El Japon-イスパニアのサムライ」で東京宝塚劇場の2020年が始まっていきなり苦しいスタートになった、というのがヴィスタリアの正直な感想です。

小川理事長が求める作品のクオリティがどのくらいのレベルなのかはわかりませんが、ヴィスタリアが公演を観ていて求めたいクオリティは、せめて幕がおりるときに疑問を感じないよう、伏線は回収し話に矛盾がないよう校正をしてほしいということです。

宝塚の芝居作品に一定水準を求めるのは望みすぎなのかおはようございます。ヴィスタリアです。 生徒でありスターでもある アドバイス、ダメ出しは難しい スカステ難民で定期購読し...

そしてこの作品はヴィスタリアの求めるクオリティには達していませんでした。

終幕に向かうにつれて「藤九郎はかなりの傷を負っているはずだが、なぜ動き回って平気な顔をしているのか」「藤九郎はこの先イスパニアの地でどのようにして生きていくのか」が気になって仕方ありませんでした。

後者の問題は蒲田治道/真風涼帆にだけ解決策が提示されめでたしめでたし…の運びになるだけに非常に大きな問題だと思うのですが、藤久郎が今後どのように解決するのか気になって仕方ありません。

機転の利くアレハンドロ/芹香斗亜がなにかいい方法を見つけて切り抜けるでしょうか。

あるいは日本に帰ることも考えられるでしょうか。
治道への思いをこじらせ過ぎているのでなかなか無いような気もしますが。

そもそもいくら町の有力者ドン・フェルディナンド/英真なおきがおそろしいからと言って、人が亡くなっているのに届けを出さないなんてことがあるのでしょうか。

自殺や事故にする方が現実的な気がしますし、宿屋をあれほどしっかり切り回そうとしているカタリナ/星風まどかが看過するとも思えません。

というわけで作品のクオリティに疑問の残るエンディングではあるのですが、コメディの要素があるからか、
笑って楽しい気持ちになりほだされるといいますかなんとなく「まあ、いいか」という気持ちになってしまいました。

この笑いを成立させているのは宙組生の力であり、ゆりかちゃん(真風涼帆)キキちゃん(芹香斗亜)絶妙のコンビネーションに他ありません。

笑いの力は偉大です。
2019年に観劇した作品のクオリティに疑問を感じた作品たちでは「まあ、いいか」と思うことはできませんでしたから。

しかし脚本としては力業、禁じ手ではないでしょうか。

ドラマ、人間関係の広がりが見たかった

一緒に観劇したヅカ友さんが「正塚先生の要素を感じる」と言っていて膝を打ったのですが、
物語を畳みかける笑い、治道/真風涼帆アレハンドロ/芹香斗亜のやりとりにかつての正塚先生のコメディを感じました。

正塚先生の作品にはもっとドラマがあり、様々な人物が交錯する小芝居がありました。

それと比べるわけではないのですが、「El Japon」は多くの登場人物が舞台のいる時間が長い分、もっとサイドストーリーやいろいろな人間関係が描かれるエピソードがあれば一層おもしろくなったのではないか、と思いました。

たとえば使節団のメンバーと奴隷たちの間にどのようなことがあったのか。
カタリアがかつて働いていた酒場の踊り子たちのなかでどういう存在だったのか。友人はいたのか。
用心棒3人の関係はどのようなものなのか。どこで顔に傷を負ったのか。

ほんの一言二言でもいいから、人物の個性が伝わるようなエピソードを組み込んでほしかったです。

それが難しいのであればせめて名前を呼び合うことをしてほしかったと思うのです。
(ヴィスタリアが宙組をあまり見られていないこともあり、どなただったのか見分けられないことが多々ありました。)

宙組生はきっとそれぞれ深く役を考えて役づくりをしているでしょう。
何度も何度も公演に通えばそれがわかるのかもしれませんが、1度や2度見たわけではなかなかわからなかったのが残念です。

また演出で言うと場面転換のいいところと悪いところの落差が非常に大きかったようにも思います。

次々と展開するプロローグで仙台藩月の浦からイスパニアへと一気に物語を進めたのはとてもよかったと思います。

一方でカタリナの宿屋が襲撃された後、場面がガラリと変わってドン・フェルディナンドとエリアス、用心棒たちの場面になりますが、転換があまりにも工夫がなく無理がありすぎたように思います。

初日にはポストカードがいただけたり寿組長ゆりかちゃんのご挨拶があったり、
「あけましておめでとうございます」という開演アナウンスを聞けてうれしくなったり、そういったことに救われた部分が大きい気がします。

キャストごとの感想、ショー「アクアヴィーテ」の感想は別記事で書きます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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