こんばんは、ヴィスタリアです。
雪組全国ツアー「ヴェネチアの紋章/ル・ポァゾン」初日を観劇しました。
新トップコンビについてヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想です。
作品の内容に触れています。
雪組新トップスター彩風咲奈「ヴェネチアの紋章/ル・ポァゾン」の感想
さきちゃん、かっこよくて、芝居もよく歌もダンスも魅了してくれて、そして堂々たるトップスターでした。
主演公演「ハリウッド・ゴシップ」「炎のボレロ/Music Revolution!」も見ていますが
真ん中にいるのとトップスターとして真ん中にいて責任も果たすことは違うのだと感じました。
プレお披露目の初日ということで自分が盛り上がっていたから思ったのではなくて、
お衣装の数が多いとかスポットライトが明るいとかそういうことでもなくて、放つオーラが違うんです。
これを言葉にするのは難しいのですが、次期トップスターの発表がある前にあるスターさんの雰囲気が変わるというか
自然と「あ、この人でもう決まりだ」と思うことがあります。
(そして舞台を観ていて「この方、もしかして退団を決意されているのかな」と感じることもあります)
そういうどんな形容詞からもはみだしてしまうような特別なオーラ、きらめきをさきちゃんに感じました。
「ヴェネチアの紋章」ではアルヴィーゼ・グリッティという恋と野心に静かに燃える男を演じています。
黒髪長髪に豪奢な衣装、ロングブーツがさきちゃんの超絶スタイルに映えます。
加藤真美先生のお衣装はどれも素敵でしたが、特に最後に来ていた軍人の黒いお衣装が好きでした。
さきちゃんは台詞や歌などの表現はもとより相手の台詞を聞いているときの役としての居方、表現が繊細に、自然になったのを感じました。
アルヴィーゼはヴェネチア元首アンドレア・グリッティ/真那春人の息子でありながら庶子であるために貴族として認められず政治の道を断たれ、
名門貴族の令嬢リヴィア/朝月希和との恋も叶わなかったことを
才覚のある男だからこそ受け容れられなかったのでしょう。
彼の内に秘められていた”紋章”――貴族の血筋、身分を証明する象徴への強い執着は、リヴィアとの諦めえぬ恋と絡まって一気に火がつきます。
コンスタンティノープルで商人として成功をおさめたアルヴィーゼが先を見通せなかったはずはないと思うのですが
”紋章”とリヴィアを迎えるために彼の決めた道を突き進んでいくのが頑迷に見えるくらい
ヴェネチアが彼にしたことの重さを感じました。
アルヴィーゼとしてはその選択しかなかったのだとさきちゃんが説得力を持って演じていると感じました。
歌も安定していますし心が伝わってきますし、長い手足で存分に踊る名場面モレッカは優美でうっとり…ずっと見ていたい!
またことあるごとにリヴィア/朝月希和とのキスシーンがあって
完璧な絵のような、耽美な世界でした。
レビュー「ル・ポァゾン」はクセにあるあの名曲をさきちゃんがバーン!と歌っているのに
マスクの下で大興奮、酸欠になるかと思いました。
ポスターにも使われているお衣装は新調とスカイステージでお話されていましたが
こだわりぬいたであろう赤の色味と生地の質感がさきちゃんの濃い色気にお似合いでした。
さきちゃんって百合あるいは蘭のような花が闇夜で咲いているような艶と色気のある男役さんだと思うんです。
甘やかでどこか影もあるような…それがロマンチック・レビューの世界観と合うんだなあと感じました。
甘やかさは「アマポーラ」に乗せてのデュエットダンスでもたっぷりあって、
さきちゃんの歌から始まってきわちゃん(朝月希和)と息の合った愛と夢の世界に酔いしれました。
さきちゃんのダンスは長身で手足が長い分余韻が長くて、なんとも言えない魅力があります。
名場面「BAD POWER」のスーツもキレッキレなだけでなく
古き良き宝塚のレビューのスーツなのが印象的でした。
雪組は2020年に「パッション・ダムール」で主演のカチャさん(凪七瑠海)を中心にこの場面をやっていますがまた違う雰囲気で味わい深かったです。
(どちらがいい悪いという話ではありません、念のため)
あの名振付を踊るさきちゃん、最高にかっこよかったです。
何度でも見たい場面です。
雪組新トップ娘役朝月希和「ヴェネチアの紋章/ル・ポァゾン」の感想
きわちゃんが雪組トップ娘役就任の発表があったときはまったく予想していなかったので驚きました。
その後「シルクロード」でさきちゃんと寄り添うデュエットダンスが幸せそうで
「さきちゃんの相手役はきわちゃんでよかったんだなあ」と思いました。
きわちゃんは「Music Revolution!」のLove Revolution、「マスカレード・ホテル」フィナーレなどで
組んでいる男役さんを素敵に見せてくれる娘役さんであること感じていましたが
これからさきちゃんをうんと素敵に見せてくれることでしょう。
今回さきちゃんと並び寄り添っているのを見て、
ほっそりとしていて首~肩にかけてがとても華奢なのと身長差がバランスがいいのかなと思いました。
「ヴェネチアの紋章」のリヴィアも控えめな女性という設定なのでアルヴィーゼに寄り添う並びが美しいと思ったのですが、
新鮮だったのが「ル・ポァゾン」のイヴです。
BAD POWERの後の、ジャケットを脱いださきちゃんとスリットの入ったロングドレスと踊るところです。
さきちゃんがきわちゃんを抱えるようにしてリフトしているとき
きわちゃんがものすごく静かに挑発するような表情でさきちゃんを見下していたんです。
その密やかな艶と挑発が印象的で「こんなひきだしもある娘役さんなんだ」と思いました。
トップ娘役という立場になって歌の比重が増えたと思うのですが
「ファントム」ベラドーヴァ、「マスカレード・ホテル」山岸尚美のときより声が伸びやかなのも印象的でした。
彩風咲奈・朝月希和のこれから
今回のプレお披露目公演でお芝居もレビューも古き良き宝塚歌劇の世界を見せたさききわが
お披露目本公演では遥か彼方の対極にある「CITY HUNTER」というのも興味深いです。
上級生同士のトップコンビで芝居・歌・ダンスも安定感があって、さききわがこれからどんなトップコンビになっていくのか楽しみにしています。
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