こんばんは、ヴィスタリアです。
宙組「NEVER SAY GOODBYE」の東京宝塚劇場の新人公演をライブ配信で視聴しました。
ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想です。
宙組「NEVER SAY GOODBYE」新人公演の感想
直前のマチネが舞台機構のトラブルで開演が20分ほど遅れ、演出の一部変更もあったことをSNSで知りました。
新人公演の開演も15分遅れました。
【ライブ配信に関するお知らせ】
宝塚歌劇宙組 新人公演『NEVER SAY GOODBYE』の開演時間が18時45分に変更となりました。
開演まで今しばらくお待ちください。— Rakuten TV〈 楽天TV 〉 (@rakutentv_japan) April 14, 2022
どうか新人公演に影響がありませんように。
大劇場で新人公演が中止となり、今回1回限りの新人公演がどうか無事にできますように…と祈るような気持ちでいたので、5分前に客席と緞帳が上がった舞台が映ったときにはほっとしました。
新人公演の担当は熊倉飛鳥先生。
本公演を1回しか見ていないので変更点はあまりわかりませんでしたが、ナンバーをけずって休憩なしの1幕ものにしているのは新人公演の定番ですね。
無事に幕がおり、長のこってぃ(鷹翔千空)と主演のひなこちゃん(風色日向)のご挨拶を、万雷の拍手を浴びている宙組生を見ることができて本当によかったです。
宙組はコーラスの宙組といわれるだけあって本公演もコーラスがすばらしく主要キャストも歌える方々がそろっていますが、新人公演もみなさま歌がうまくてすばらしかったです。
印象的だった役のことを書こうとするとあの生徒さん、この生徒さんも「歌がうまかった」「歌がすごかった」になりそうなくらい本当にすばらしかった!
宙組「NEVER SAY GOODBYE」新人公演 役ごとの感想
◆ジョルジュ・マルロー/風色日向(本役 真風涼帆)
ぱっと華やかで明るいお顔立ちと、声にふしぎなほど色気があるギャップにはっとしました。
若く健康的でありながら色気があるっていいですねえ。
(「グランド・ホテル」のガイゲルン男爵など似合うのでは…と夢想しました)
キャサリンに口づけた後に浮かべる笑み、何かを見つけた夢見るような表情もとてもよかったです。
デラシネ(根無し草)だけれど投げやりなのではなく居場所を探そうとしている―夢と希望を抱いているジョルジュでした。
たくさんのナンバーもありましたが丁寧に想いのこめられた歌もよくてよかったですし、「ONE HEART」はひなこちゃん(風色日向)のパートとコーラスのハーモニーに思わずうるうるしてしまいました。
「NEVER SAY GOODBYE」の歌は台詞でもありますから、ただ歌がうまいだけでは歌いこなせないでしょう。
感情を伝える歌唱でなくては成立しないと思うのですがひなこちゃんの歌はジョルジュの感情がちゃんと伝わってきました。
休演期間を経てこうしてひなこちゃんの2回目の新人公演主演を見られてよかったです。
主演としてのご挨拶もすばらしかったです。
◆キャサリン・マクレガー/春乃さくら(本役 潤花)
登場のシーンの怒り方に理知的で自分の才能に自負があるからこそ怒りを抱く――という印象を受けました。
「デラシネ」の歌を、ジョルジュの生い立ちと信念を聞いているときに笑みを浮かべているのがナチュラルな感じがして印象的でした。
なんとなくキャサリンの方がジョルジュより年上に見えたのは同期コンビだからでしょうか。
こういうジョルジュとキャサリンもあり得るんだなあと思わせてくれたのは新人公演ならではの味わい深さでしょう。
「あなたと同じものを見ていたい」と女性が言うとき、何となく男性が年上であったり経験豊かで女性を導く構造を思い浮かべがちなのですがそうとは限らない、若い方が感受性も表現力も瑞々しく新鮮ということはあります。
スペインに渡ってからの感情が露になるときのまっすぐさに登場のときの理知的な怒りとの差がはっきりあって、ジョルジュと出会いスペインの現状を目の当たりにしてキャサリンの中で何かがあきらかに変わったのが伝わてきました。
歌うま娘役さんなのは知っていましたが、こうして新人公演のヒロインとして美しい歌声、まろやかで聞きやすい台詞の声を聞くことができてうれしいです。
◆ヴィセント・ロメロ/鷹翔千空(本役 芹香斗亜)
かっこいい~~~(←のっけから大興奮ですみません)。
もともとキキちゃん(芹香斗亜)のヴィセント・ロメロが大好きなのですが、こってぃ(鷹翔千空)がどのように演じるのかがとても楽しみでした。
こってぃ、とってもとってもかっこよかったです。
一度燃え上がったら消えることのない強い炎を燃やし続ける骨太な男がそこにいました。
闘牛を捨てる決意をするときもこってぃのヴィセントはあまり迷わなかったのではないかという、捨てる苦悩よりも進むべき道への熱量を感じましたし、
タリックに怒るときは本当に、たとえば額に青筋が浮かべるくらいの、胸の内でマグマが沸騰するほどの怒りをほとばしらせているようでした。
頬骨とコケた頬に華奢な長身ですからそのギャップもたまりません。
黒髪に黒塗り、舞台化粧もとてもお似合いで本当にかっこよかったですし、闘牛士の灰色✕金色の刺繍のお衣装も民兵になってからのブルー系のお衣装の着こなしも素敵でした。
歌もダンスもよかった…自分は思っている以上にこってぃが好きなのだと感じたヴィセント役でした。
恋人テレサ/栞菜ひまり(本役 水音志保)に対しても蕩けるような甘さというよりもちょっと俺様感のある感じで愛をそそぎ抱きしめたり呼んでいるのがたまりませんでした。
応じるテレサ/栞菜ひまりもまた大人っぽい美しい女性で、恋人の選ぶ道はわかっている、邪魔することはないのが伝わってきました。
◆フランシスコ・アギラール/亜音有星(本役 桜木みなと)
憎々しげな台詞を発するときに美しい顔を歪めているのがよく見えて、表現しよう、役を生きようとしているのを感じました。
こうして細かい表情までつぶさに見えるのはライブ配信のうれしいところです。
劇場で観劇する機会を得るのも難しいですし、また客席からここまで見ることも難しいですから。
歌も「シャーロック・ホームズ」新人公演主演のときから大きく、格段に進化しているのではないでしょうか。
驚異的なスタイルと目をひく華のあるキョロちゃん(亜音有星)ですから黒い革のジャケットにブーツはきっとすばらく舞台映えしたことでしょう。
◆エレン・パーカー/愛未サラ(本役 天彩峰里)
パーティーの登場したとき、目を細めるようにウィンクをしていたのがスターの自分の見せ方を知っているという感じで印象的でした。
またジョルジュが他のパーティーガールに囲まれているときにかなりむっとした表情をしているのが遠目のアングルでもわかって魅力的でしたし、
ジョルジュと別れ話をする前も「なんでこんなことに…」とうんざりと、どこか投げやりな表情を浮かべているのが高慢で傲慢なスターらしくてよかったです。
何気なく歩いているときも高慢な女優らしさが歩き方、仕草にきちんと出ていて、スカイステージのタカラヅカニュースの新人公演トークでもお話されていましたが多くのアドバイスを自分のものにされているんだなと思いました。
◆ラ・パッショナリア/朝木陽彩(本役 留依蒔世)
本役のあーちゃん(留依蒔世もすばらしかったですが、新人公演も配役が発表になったときからすずこちゃん(朝木陽彩)をとても楽しみにしていました。
すばらしい歌声、気高さでした。
戦闘のシーンで引きのアングルになっても彼女がすべてを燃やすように銃を持ち闘いを率いる女神のように存在していることが伝わってきました。
市長/雪耀れんや(本役 若翔りつ)のソロ、歌声もすばらしかったです。
本公演もすごいけれど新人公演もすごい。宙組のコーラスがなぜすごいのかわかるような気がします。
◆アニータ/湖々さくら(本役 瀬戸花まり)
かなり年上の女性として設定しているような落ち着いた話し方、声が印象的でした。
◆ホアキン/輝ゆう(本役 秋音光)
闘牛士の中にものすごくかっこいい男役さんがいる!と目が釘付けになりました。
恥ずかしながらどなたかわからなかったのですが、宙組ファンの方におかゆちゃん(輝ゆう)と教えていただきました。
覚えました。
◆パオロ・カレラス/真白悠希(本役 松風輝)
滑舌がとてもよくてはっとしました。
素顔はキキちゃんと似ているような…と思っていましたが舞台化粧だとまた違うということも知ることができました。
以上、ライブ配信の感想でした。
すばらしい宙組の新人公演でした。
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