こんばんは、ヴィスタリアです。
月組「幽霊刑事~サヨナラする、その前に~」のライブ配信を視聴しました。
ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた、そしてざっくりとした感想で、作品の内容に触れています。
月組「幽霊刑事」ライブ配信の感想
石田先生✕月組✕現代のお仕事もの✕小説原作といえば「カンパニー」を思い出しました。
また職場での狭く濃い人間ドラマに月組生の芝居のうまさとキャラ立ちがハマり、
衣装の着こなしも宝塚歌劇らしい美と同時に「こういう人、いるいる」と思わせるリアリティがあって、こういうジャンルが似合うなあと思いました。
「カンパニー/BADDY」をたまたま観劇して10数年ぶりにヅカファンに復帰したので懐かしく思い出し、
あのときトップスターとして名前を覚えたたま様(珠城りょう)の退団前の、
思い入れのあるバウホールでの公演を感慨深く視聴しました。
サブタイトルからしてもですが、ストーリーといい、作中に歌われる「切手のないおくりもの」といい、反則ですよ。
こんなの泣くなという方が無理です。
ただ石田先生の作品なので石田節は覚悟の上であまり酷くありませんようにを祈りながら心の準備をして「本編を再生」ボタンを押しました。
相変わらず「ね、こういうのおしろいでしょう」というしたり顔が浮かぶようなネタの仕込み方と内輪ネタの多さには閉口しました。
が、「カンパニー」での女性の描き方(妊娠したアスリートやシングルマザー)のようなジェンダー意識の相違に首をひねることはなかったように思います。
(でも須磨子にはアテネオリンピックを目指してほしかった気もします。
諦めた理由が結婚準備(記憶違いでしたらすみません)だったので尚のこと…アテネではなく、コロナ禍のない世界での2020TOKYOだったら話はまた違ったでしょうか。)
また内輪ネタ(宮本武蔵、「死は逃げ場所ではない」、鏡に映るヴァンパイア)も宝塚歌劇を知らない、たとえば原作ファンの方がライブ配信を見たとしても
違和感がないセリフになるよう気配りはあったのかなと思いました。
終演後のご挨拶でたま様が「見えてますかー!」とお手振りをブンブンしているのがかわいかったです。
そして「エテルニタ」で生み出したご自分のハートを投げる技が再び登場するとは!
ちなつさん(鳳月杏)が受け取る(ハートが刺さる)見本を見せてくれるとは!
たま様は会場だけでなくカメラの向こうにもアップで、真っ直ぐなカメラ目線でハートを飛ばしてくれて被弾しました。瀕死です。
さらに下手側のキャストに投げるとゆうちゃんさん(汝鳥伶)も受け止め、
「ゆうちゃんさんにやっていただくなんて」とすかさず膝をついていて、たま様が騎士で紳士だと思い出しました。
上手側ではいっちゃんさん(京三紗)が投げられたハートをキャッチして投げ返しておいででした。
楽しいご挨拶でした。
役についての感想もざっくりと、短めにまいります。
◆神崎達也/珠城りょう
ポスターのシルバーホワイトのトレンチコートも生前のベージュのトレンチコートもめちゃくちゃかっこよかったです。
どちらもこんなに大きな肩章も襟も舞台衣装なのですが世の中のどの男性よりもかっこいいと思わせる着こなしです。
婚約者の森須磨子/天紫珠李が佐山からの電話を「おやすみ」と言って切るのに
「俺以外の男におやすみなんて言うなよ」と独りごちたのがたまらなく切なかったです。
全体的に自然体で、心を自由に解き放って舞台に立たれ、楽しんでおられるように感じました。
ちなたまの膨大なセリフのやり取りも楽しかったです。
ものすごい量のセリフの応酬なのにぴたりと合っていて相手役のようでした。
◆早川 篤/鳳月杏
センターパート、メガネ、カジュアルめのスーツのちなつさんが本当にかっこよかったです。
自分が思う男性モデル以上にモデルのスタイルでした。
あの脚の長さと細さはどうなっているの…。
怒涛のセリフを口跡のよさと演技のうまさでしっかり届けてくれました。
そしてフィナーレのハット姿と歌がかっこよくて、ショースターっぷりにときめきました。
◆森 須磨子/天紫珠李
仕事のできる凛としたヒロインというイメージを抱きました。
いままで拝見した役で一番好きだなあと思いました。
今回娘役さんがかわいくて(特に警官姿)目に飛び込んでくることが多かったです。
フィナーレのハットにドレスもかっこよくて新鮮でしたし、華やか美人のゆうきちゃん(蘭世惠翔)とスイートなかわいさの結愛かれんちゃんが並んでいるのは眼福でした。
◆漆原 夏美/晴音アキ
カジュアルな普段着もかわいかったですし警官姿の制服も着こなし、身のこなしが綺麗で印象的でした。
ヘアスタイルがお似合いでどこか艶っぽさがあり、片方だけヘアクリップで留めているのがまたよかったです。
携帯電話が折りたたみ式だったり署内で喫煙していたり、アテネオリンピックのころという時代を感じます。
セリフの聞きやすさもナンバーでの歌もしっかりと実力と存在感が光っていました。
◆久須 悦子(マダムX)/白雪さち花
浮腫んだように見える舞台化粧もしゃがれた声も巧くて圧巻でした。
ニヤ…と笑うのが不気味に見えるけれど本人はそんなつもりはなくて普通に笑っているんだろうな…そんな人生を彼女なりに生きてきたんだろうな…と想像しながら見ていました。
その想像できる余白があるくらい巧かったです。
◆経堂 芳郎/光月るう
「カンパニー」を観劇したとき、生徒さんの名前がまったくわからず、すぐに覚えたのがるうさんでした。
今回も似た要素のあるキャラクターですが、巧いですねえ。
そしてスーツの着こなしがかっこよくて、最初の登場シーンであまりのかっこよさに声を上げそうになりました。
フィナーレでゆりちゃん(紫門ゆりや)と並んでいると
お2人のスーツがそれぞれ違ったかっこよさでたまりません。
◆佐山 潤一/英かおと
うーちゃんの短髪は本当に最高なのは知っていましたが、
革ジャンとシャツも最高なのを知りました。
大きな場面もあり存在感を感じました。
◆毬村 正人/輝月ゆうま
まゆぽんのふわふわの髪の毛と高そうなスーツ、細めのフレームの眼鏡がお金持ちというキャラクターによく合っていました。
◆天乃 愛/白河りり
巧いしかわいいし泣きました。
フィナーレのエトワールも別箱公演だからこそできる形での歌唱で沁みました。
また母親の天乃 頼子/香咲蘭の仕草、歩き方が「こういう女性、いる」と思わせるリアリティがあり、
「夢現夢想」でたま様の少年時代がそっくりで巧かったことを思い出しました。
前髪や衣装の雰囲気、色から「ブラック・ジャック」のピノコを連想し、
もしもいま再演があるとしたらりんりんのピノコを見てみたいと思いました。
楽しいライブ配信でしたが、配信の最後の方のいいところで地震がありかなり揺れました。
大きく揺れた地域のみなさま、ご無事でしょうか。どうぞご安全に。
読んでいただきありがとうございました。
はげみになりますので応援していただたらうれしいです。
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