映像の感想

宝塚の生徒が二度とこの景色を見ることがないように(花組「アウグストゥス/Cool Beast!!」大劇場千秋楽無観客ライブ中継の感想)

こんばんは、ヴィスタリアです。

今日は花組アウグストゥス/Cool Beast!!大劇場千秋楽でした。

仕事の都合で午後丸々休めなかったので(涙)スカイステージのフィナーレ以降の特別番組を視聴しました。

先日録画ができなくなって修理をしたときにサービスの方が「最近宝塚の専門チャンネル加入のお問合せ、すごく増えているんですよ」と教えてくれました。
きっと今日のライブ中継でも加入者が増えたのではないでしょうか。

泣いて笑って泣いて泣いて、すばらしい千秋楽でした。

「宝塚の生徒がこの景色を見ることがない世界に」

れいはな(柚香光・華優希)の花組は2020年のコロナ禍で試練と言うほかない大きな影響を受けてきました。

・お披露目の大劇場「はいからさんが通る」延期→再開後は約1ヶ月休演
・「はいからさんが通る」新人公演中止(100期生新人公演卒業)
・大劇場「はいからさんが通る」銀橋を使わず上演
・今公演で3度目の緊急事態宣言による公演中止と大劇場千秋楽無観客ライブ配信

どの組の生徒さんも辛い思いをしてこられましたが、無観客で大劇場を卒業されるのは花組が最初となりました。
そしてこれが最後でなくてはなりません。

今日大劇場をご卒業されたのは花組で育ち輝き、長く活躍されてきた生徒さんたちです。

瀬戸 かずや
冴月 瑠那
美花 梨乃
更紗 那知
澄月 菜音
華 優希

そんな方たちが卒業を決め、はなちゃんが「世界で一番好きな場所」と言っていたように、大切な大劇場の最後の大階段をおりて見る景色が真っ赤な客席であることを思うと、こんなに悲しくて悔しいことはありません。

明後日からは客席をオープンにしての公演ができると思うと尚のことです。
(これに関してはいまの政治、感染症対策が後手後手であることを忘れませんがヅカブログなので書きません。でも絶対に忘れません。)

一人ひとりのご挨拶をここに書くことはしませんが、あきらさんの言葉に涙が止まらなくなってしまいました。

瀬戸)そして、どうかこの先、宝塚の生徒が二度とこのような景色を見ることがない、そんな世界になることを強く願っています。

17年も在団して、下級生時代の苦労をへていま二番手スターとして活躍されるあきらさんご自身が卒業されて本来であれば見るはずのなかった景色を見ているのに、
この先のことを考えて言葉にされるなんて…泣くなと言う方が無理です。

れいちゃんもれいちゃんの言葉で悔しい気持ちを言葉にしてくれました。

柚香) 4月25日にもお話させていただきましたが、あと2日…!という思いがね、どうしてもありますが。

東京公演は私たちは全員、お客様と揃って完走します!

これは後出しで緊急事態宣言発令後も27日までなら公演ができることになったことについての言及ですね。

厳しい状況が続く中でれいちゃんはトップスターとして、リーダーとして、力強く組をまとめてひっぱっていっているのが伝わってきました。

こりのちゃん(美花梨乃)あきらさんが「れいがトップになって、いられてよかった」と口を揃えるのも納得です。

これは自分の好きな、支えにしている言葉の一つですが、人には乗り越えられる試練しか与えられないと思うんです。

いまこの状況でれいちゃんが花組を率いていることは偶然ではなく、乗り越えられるからだと信じ、応援しています。

花組「Cool Beast!!」とさよならショーのセットリストと感想

フィナーレは花娘たちの間から大階段をおりてくるあきらさんから始まりました。

すべてが研ぎ澄まされているあきらさんがかっこよすぎてため息ものでした。

特に視線を上手に、下手にと流すのがかっこよくて余韻が濃くて長くて、そこだけ時間がゆっくりになったように感じました。

花娘たちがあっちこもこっちも優美でかわいくて、「みんなあなたに(かわいいと言われて)育ちました」という
「FOCUS ON」に寄せられていたゆきちゃん(仙名彩世)の言葉を思い出しました。

男役が勢揃いすると、「きっとみんな瀬戸さんの背中を見ているんだよね…」と思い、
これはサヨナラショーで緞帳が再び開いてかられいちゃん(柚香光)も「皆が目指している佇まい、哀愁、オーラというものを東京公演で目に焼き付けたい。いまのうちに学ばせていただきたい」と力説していました。

れいちゃん(柚香光)のダンスはキレキレで、肩の動かし方、腰の動かし方も抜け感が最高かつ天才的なセンスで、大好きだなあと思いました。

そして掛け声だけでなく、れいちゃんのふつうの笑い声が出ていたのが意外でした。

その前からお顔がもう楽しくて楽しくて仕方ないというまぶしい笑顔で、きっとれいちゃんの全細胞が歓喜しているんだろうなと思って見ていて、
ご本人が意図して笑ったというより気がついたら楽しい気持ちが声になっていたのかなと思いました。

これはサヨナラショーのはなちゃん(華優希)とのデュエットダンスでも楽しそうな声が弾けていて、
れいちゃんがどんなふうに心を開放して、心から楽しんで踊っているのか、舞台に立っているのかがわかってうれしくなりました。

ついマイクに声が入ってしまったわけでもアクシデントでもなかったようなので
この無観客ライブ配信の粋な計らいなのかなと思っています。

デュエットダンスが銀橋で終わると、緊急事態宣言の発令による休演が決まっていた4月24日、25日の公演では
れいちゃんはなちゃんを銀橋のセンターに立たせて劇場いっぱいの拍手がはなちゃんに送られました。

今日もれいちゃんはなちゃんを手でちょいちょいとセンターに呼び寄せて、
2人でまぶしそうにカメラを探してカメラに手を振るのが最高にかわいかったです。

その後れいちゃんが美しい投げキスをカメラに決めてきゃー!!でした。

さよならショーのセットリストはこんな感じでした(わかった範囲で書いています)↓

◆華優希
TAKARAZUKA花詩集(華・100期生)
輝く未来「ラプンツェル」
Never Forget You「A Fairy Tale」
はいから極道「はいからさんが通る」

◆瀬戸かずや
桜吹雪に舞い踊れ「風の次郎吉」
だってワタシ皇太子「蘭陵王」
アイラブアインシュタイン(?)
祈り「マスカレード・ホテル」(黒燕尾)

シャルム!(冴月・美花・更紗・澄月)
EXITER!!(冴月・美花・更紗・澄月・華・瀬戸)

ス・ワンダフル「NICE WORK IF YOU CAN GET IT」(柚香・華)
風の誓い「はいからさんが通る」
大正浪漫恋歌「はいからさんが通る」

サヨナラショーは水色のドレスのはなちゃんがとても、とてもかわいかったです。

違う衣装だと思いますが「CASANOVA」新人公演のベアトリーチェ役(本役 仙名彩世)で水色のドレスを着て
ゴンドラに乗り込むときたっぷりとしたスカートを慎重につまんで丁寧にたくしこんでいたのを思い出しました。

今日のはなちゃんはきらきらの舞台化粧と表情がかわいくてかわいくて、
花組のプリンセスそのものでした。

お着替えされたピンク色のドレスおべべ(byれいちゃん)もお似合いでかわいかったです。

さよならショーでも華優希の芝居心は健在で、1曲ごとに表情が変わってシャーロットになり、
紅緒さんになっていて、切り替えの見事さに役を生きているのを感じました。

「輝く未来」は横浜アリーナでガチガチに緊張して歌っていたはなちゃんがいま、こうして心のままに堂々と歌っている成長に胸が熱くなりました。

あきらさんは飾りのある黒燕尾に胸に真っ赤な薔薇のコサージュで登場されました。

ショーが変わり燕尾でしたから黒燕尾が見られてうれしかったです。
特に主演作「マスカレード・ホテル」のフィナーレの燕尾が大階段で見られて、センターにあきらさんがいることに泣いてしまいました。

すぐ後ろの左右にせのほの(帆純まひろ・聖乃あすか)がいるのも感無量でした。

ホッティー(帆純まひろ)はあきらさんのお手伝いをしていて番組などから大好きなのが伝わってくるので尚のことです。
(あきらさんもよくご自身の番組などにホッティーと出ていましたね…「男役道」とか「ワンにゃんパラダイスとか」)

さよならショーとはいえトップスターでない男役スターがこうして黒燕尾の総踊りでセンターに立つのは珍しいことだと思いますし、
これ以上ない夢を見ているように感じました。

「NICE WORK IF YOU CAN GET IT」のれいはなのこれ以上ないキュートで楽しいタップのデュエットダンスがまた見られて最高に幸せになりました。

前述のように声が出ているれいちゃんも、やはり楽しそうに、心からの笑顔を見せているはなちゃんもかわいくて幸せな気持ちになりました。

最後はあきらさんの音頭で恒例の花組ポーズで締めとなりました。

通常とは違う形の今日をおめでとうございますと言うのに躊躇う気持ちがなかったと言えば嘘になりますが、
れいはなの、花組生の、あきらさんはじめご卒業されるみなさまの笑顔を見て、「おめでとうございます」でいいんだなと思いました。

花組のみなさま、カチャさん(凪七瑠海)、けいこさん(美穂圭子)、今日みなさまがカメラを通して届けてくれたものはちゃんと届いています。
そして、東京でお待ちしています。

とりあえず感動の余韻に浸りながら録画を見直します。

花組サイコー!
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