こんばんは、ヴィスタリアです。
タカラヅカ・ライブ・ネクストの初めての主催公演「アプローズ〜夢十夜〜」を観劇しました。
ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想で、内容に触れています。
彩凪翔主演「アプローズ~夢十夜~」感想
プログラムの販売時間に間に合わず読めていないまま、舞台の上で展開されるものを予備知識なしに受け取りました。
タカラヅカ・ライブ・ネクストの旗揚げ公演はいったいどんな作品になるのかしら…と真っ新な状態で席に着いたのですが、「アプローズ〜夢十夜〜」はストーリー仕立てのショーでした。
ある劇場でスターになる夢を抱く翔/彩凪翔が劇場のスタッフやダンサー、伝説的なスターに出会い、
劇中劇「幸福な王子」などを通して成長していく――というストーリーを、馴染みのあるクラシックを中心としたナンバーが彩っていました。
— シアターテイメントNEWS(公式) (@theatertainment) September 8, 2021
— アイデアニュース (@ideanews_jp) September 9, 2021
白い王子様のようなお衣装が凪様にとてもお似合いで素敵だったのですが
お衣装は大津美希先生でした。
美園さくらちゃんのミュージックサロン「FROM SAKURA」で初めてお名前を知った新進の先生です。
出演者だけでなくスタッフにとってもタカラヅカ・ライブ・ネクストは一つの経験、表現ができる場になっていくのかもしれません。
「アプローズ~夢十夜~」のストーリーがあって紡がれるダンスや歌が凪様(彩凪翔)の世界へ深く誘う表現力、持ち味にぴったりで、
在団中のスペシャルライブSho-W!の、ライブでは珍しいストーリー仕立ての見せ方に感動したのを思い出しました。
そしてそういう魅せ方のできる凪様が好きだなあとあらためて思いました。
凪様は男役のときよりも伸びた髪をゆるくセットし、ナチュラルに、柔らかくなったメイクははっとするほどの透明感があって、衣装は宝塚の男役さんに近くて、
退団されてからまだ時間が経っていない今だからこその美しさを湛えていました。
肌が発光しているんじゃないかという透明感と役の少年あるいは幼い青年のような透明感があいまってとても魅力的で、
スターになる夢を抱いて成長していくというストーリーも退団してこれから”外部”の舞台などで活躍していく凪様に重なりました。
また自分がヅカファンに復帰したときは凪様はすでに上級生のスターさんでこういうお役を在団中に見る機会がなかったので新鮮でもありました。
凪様のダンスの美しさと優雅さ、表現力は言わずもがな、台詞の声も歌声も伸びやかに柔らかく、心地よく響くのを感じました。
(演出の三木先生が内輪ネタで笑いを取るようなところを何箇所か入れていて、歌唱力に関するものもありましたがなくてもよかったのでは……と、元々こういうネタが好きではないので思いました)
ナンバーの中には退団公演「fff」と凪様が演じたゲーテを連想させるものもあり、再びこうして劇場で遭遇できたことに胸がいっぱいになりました。
こういう愛のある、追憶ができる内輪ネタが好きです。
この流れからそれまでの選曲とは毛色の違うナンバーでストーリーの幕切れとなったのは印象的な演出でした。
タカラヅカ・ライブ・ネクストの大きな第一歩
このストーリーのあるショー作品という主演の凪様の魅力、表現力にもっとも合う演出のみならず
踊りで輝くOGさんが踊り、歌で輝くOGさんが歌い、作り手としての技量のあるOGさんが作り手としても関わったことはタカラヅカ・ライブ・ネクストのとても大きな第一歩だと思いました。
星乃あんりさんのヒロインとしての愛らしさと透明感。
透水さらささんの美声と「幸福な王子」の芝居。
音花ゆりさんの深く豊かな歌声と演じたスターとしての存在感。
モンチ(星吹彩翔)のパンチのあるビシビシ響く歌声。
振付も手掛けたかけるくん(風馬翔)の溜めが特徴的で「こう踊りたい、こう見せたい」というかけるくんならではのダンス。
宝塚歌劇の公演でも振付助手として参加されていますからいつか宝塚歌劇の公演で振付としてお名前を見る日が来るかもしれません。
ひーこさん(笙乃茅桜)のキュートなキャラクターとキレのあるダンス。
バレリーナのコスチュームもキャラクターもかわいかった!
そしてまんちゃん(貴千碧)の現役時代には間に合わなくて初めて観たのですが、軸のブレることのない流れるダンスのすごさといったら。
よくあるOG公演(これはこれで華やかで好きですが)とも外部のミュージカルなどの作品とも違う形で在団中に培った芸、技術を基盤、背景としながら男役とも娘役とも違う形で輝き表現する場がこうしてあることは
退団してからのキャリアの方が長いタカラジェンヌにとって一つの希望になっていくのでは…いえ、なっていってほしいです。
特に外部の作品はダンスよりも歌が求められることが圧倒的に多いですからOGさんのすばらしいダンスが見られる場所があることはうれしいですしまた観たいです。
また今回は振付のかけるくんだけでなく、場内アナウンスのお声がまちくん(真地佑果)で、スタッフ側として関わっているようです。
「NOW!ZOOM ME!!」のトークコーナーが何人かも生徒さんが「自分で振付をやってみたい」とお話されていて、
舞台上で表現するだけでなく創りたい生徒さんがこんなにいるんだ…!と驚いたことを覚えています。
宝塚歌劇の公演は多くのOGさんが振付、歌唱指導、演技指導などで関わっているようにタカラヅカ・ライブ・ネクストがタカラジェンヌの第二の人生として作り手側の活躍の場になっていくこともあるのではないでしょうか。
第一歩を踏み出したタカラヅカ・ライブ・ネクストがこれからどんな展開をしていくのか大いに期待したいと思いました。
彩凪翔と彩輝なお スペシャルトーク
スペシャルゲストとして凪様の憧れの人元月組トップスターのさえちゃん(彩輝直 現:彩輝なお)がご出演でした。
凪様のアツーーーーい要望があったとのことですが、トークからもデュエットからもどれだけアツいものだったのかが伝わってくるようでした。
お2人がデュエットされるナンバーでは凪様がものすごくピュアな、満面の笑顔になっていましたし、トークでも完全に下級生ファンのお顔になっていてかわいかったです。
これに関しては
(彩輝)三木先生が「ふだんは笑わないのに彩凪、さえこと話すときは笑うんだな」と言っていた 。
という証言に凪様が慌てて椅子から立ち上がるという一面も。
「(男役のときは)あんまり笑わないんですけれど、(さえこさんと一緒のときは)無理です」とのこと。
男役からファンの顔になっちゃうというの、今日の舞台を見ればわかります。
お稽古期間も公演も短いということで凪様が何度も「(さえこさんが今日で最後で)さみしい」「さみしい」と繰り返していて、
一度など(さみしさが募って?)舞台の0番からお隣のさえこさんの方に詰め寄っていました。
またさえこさんの出番はずっと袖の、それも舞台に近いところからご覧になっていて稽古場初日は大号泣だっというお話もありました。
2回公演のこの日はマチソワの間の大休憩が長めで凪様の楽屋にさえこさんがいらしたとか。
(彩凪) 出ていかるとき「邪魔したな!」と言うのがかっこよすぎてついていきそうになった。
凪様の在団中のお話もあり、さえこさんが憧れの上級生として優しく接しているのも伝わってきました。
(彩凪)退団公演を観に来てくださって、客席でハートの(両手で親指と人差し指のやつをしてみせる)をしてくださっているのが見えて。
後で彩風咲奈ちゃんと盛り上がりました。
凪様がその後「さきちゃん」とも呼んでいて、彩彩の貴さに拝みたくなりました。
お2人ともさえこさんの大ファンですものね。
(彩凪)(さえこさんが楽屋着とかを送ったという話を受けて)今日も着ています。
あとまだ退団することを発表していなかったけれど決めていたときだったので、白いのを全部とっておいて。
宝塚は退団する10日前にすべてが白くなるんですけれど、さえこさんの白い楽屋着を着て「包まれている」と思っていました。
他にも楽しいお話がたくさんありました。
第一次ヅカファン時代以来久しぶりにさえちゃんを観られたのもうれしく、またOGとしてのお話もとても素敵で宝塚っていいなあと思いました。
凪様とタカラヅカ・ライブ・ネクストの新たな第一歩を見ることができてよかったです!
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