映像の感想

星組「柳生忍法帖」新人公演(ライブ配信の感想)

こんばんは、ヴィスタリアです。

星組「柳生忍法帖」の東京宝塚劇場新人公演をライブ配信で視聴しました。

ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想で、内容に触れています。

星組「柳生忍法帖」新人公演ライブ配信の感想

今回から新人公演のパンフレットがダウンロードできるようになり、さっそくダウンロードして目を通しつつ視聴しました。

生徒さんのお名前を確認できて助かります。

演出は本公演同様大野拓史先生で、本公演から大きな変更はない形で上演されたのではないかと思います。

全体的にレベルの高い新人公演で、口跡がよく台詞をきちんと明瞭に聞き取れる方が多かったように感じました。

また本役さんと似ていても(同じ演目なのですから似ていていいのですが)「自分はこう表現したい」という思いや自然と滲み出る個性が光っている方も多く、
今の星組はもとより未来の星組も明るいと思いました。

そして聞き取りやすい台詞と同じくらい目を瞠ったのが立ち回りです。

またこれまで新人公演で立ち回りを見ると「立ち回りというのは段取りとタイミングを合わせるのが大変なのね」と感じることがあったのですが、
いずれの立ち回り、殺陣もとても自然に見えました。

劇場で実際に観たらどんなだっただろう…観てみたかったなあと思いつつ
貴重な新人公演がこうしてライブ配信で見られることがうれしく、これからも続いていってほしいです。

星組「柳生忍法帖」新人公演 役ごとの感想

◆柳生十兵衛/天飛華音(本役 礼真琴)
登場からしてカノンくん(天飛華音)がかっこよくて十兵衛先生ー!と盛り上がりました。

巧いですし低めの声もかっこよかったです。

声を響かせるとことちゃん(礼真琴)の声に似て聞こえるときがあるような気がしました。

歌も学年を考えたら十分歌えていますけれどこれからきっともっと巧くなられていくことでしょう。

「RISING STAR GUIDE2021」でも今力を入れていることにを挙げておいででした。

ゆら/瑠璃花夏に惚れられて戸惑い困っている様子はかわいらしくて、本公演よりもまだまだ若くて青くみずみずしい十兵衛なのがいまのカノンくんらしかったように思います。

堀一族の女たちに手を貸し、女たちの命を助け、沢庵和尚の申し出を「いやでござる」と拒否するところにも
青く清々しいまっすぐさが芯としてあるなあと感じました。

舞台の真ん中にいることが自然かつ楽しんでいるような余裕も感じましたし、主演としてのご挨拶も落ち着いていて大拍手でした。

◆ゆら/瑠璃花夏(本役 舞空瞳)
ダンスがうまいだけあって着物でも身のこなしが綺麗で手の表情が豊かかつ美しくて目を引きます。
お化粧もよくお似合いで美しかったです。

歌もうまいのも知っていましたし今回も要所要所で聞かせてくれて十兵衛のソロに添えたコーラスもよかったです。

芝居の声も落ち着いていて綺麗で聞きやすく、役の心が伝わってくるのもいいですね。

本役のなこちゃん(舞空瞳)がかわいらしさから人形めいて見えるなら
ちなちゃん(瑠璃花夏)は人間の情がまだくすぶるように燃え残っているような印象を受け、そして妖艶さを感じました。

情の熾火は虹七郎/咲城けいを「連れていってと頼んだのに」となじる場面でも強く印象に残りました。

カメラワークであまり映っていませんでしたが、鶴ヶ城門前に一人現れた隻眼の天才剣士の正体が柳生十兵衛とわかったときに
「柳生十兵衛…」とをつぶやいた一言の声色でゆらはもう恋をしているのがありありと伝わってきました。

十兵衛に惚れていく様子をどう表現していたのか、劇場だったらきっとオペラグラスで追いかけて見入っていたと思います。

◆芦名銅伯/碧海さりお(本役 愛月ひかる)
長のご挨拶を堂々と、立派にされていました。

またこの舞台の悪役でふしぎな力を持つ芦名銅伯を堂々と演じていて本役の愛ちゃん(愛月ひかる)が長身で着こなす衣装に負けていないと思いました。

実際の身長以上に大きく見えるような存在感があって、ダンスのキレのよさ同様立ち回りでも目立ちました。

◆漆戸虹七郎/咲城けい(本役 瀬央ゆりあ)
本役のせおっち(瀬央ゆりあ)は美青年ですが美少年の趣のあるさんちゃん(咲城けい)です。

カメラにたくさん抜かれていて華やかで美しいお顔に目を奪われることしばし…でした。

「エル・アルコン」のニコラス・ジェイド役も目立っていましたし今後の活躍を大いに楽しみにしています。

◆沢庵和尚/夕陽真輝(本役 天寿光希)
芝居も巧い上に口跡がよくてとても声が聞きやすかったです。

役の芯は本役さんと近いところにきちんとありながら表現はまっきー(夕陽真輝)の「ここしたい」というものをしっかり表現されていたと思いました。

◆千姫【天樹院】/澄華あまね(本役 白妙なつ)
芯のある靭やかな強さのある千姫様でした。

武器を手にしてはいないけれど心に秘めたものと出る言葉の強さに内側で炎が燃え立っているようだと思いました。

本役さんとはまた違う、あまねちゃんにしかできない千姫がそこにいたと大きく心を動かされました。

「龍の宮物語」を見たときから、「ロミオをジュリエット」で台詞はなくともほとばしる感情が伝わってきたときから、
なんて生きるように演じるのだろうとこの先を楽しみにしていた娘役さんなのでこの公演でご卒業されてしまうのが残念でなりません。

第二の人生もどうか幸せに満ちたものでありますように…と祈るばかりです。

◆ 香炉銀四郎/ 大希颯(本役 極美慎)
思い切りのいい演技を感じました。

芦名銅伯に「○名の娘を斬れ」という指示を受けたときに笑顔を浮かべていて、彼にとってはそれが喜びなのが自然と納得できるような笑顔だったのが印象的でした。

◆多聞坊/ 稀惺かずと(本役 天飛華音)
華やかなお顔が目を引きます。
コミカルな演技も楽しかったです。

◆紙谷五郎右衛門/飛翠真凛(本役 夕陽真輝)
お祭りの場面で提灯の大きな竿を持っていて歌っている男役さんで、歌もよく綺麗なお顔立ちで画面に釘付けになりました。

今回初めて知った106期生のまりりん(飛翠真凛)です。

次から注目してみたいです。


長崎市出身のジェンヌさんはヤンさん(安寿ミラ)ちぎさん(早霧せいな)といいお美しいですね。

レベルの高さにようやく実施できることになった貴重な新人公演への並々ならぬ思いを感じました。

すばらしかったです。
心からの拍手を贈ります。

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