映像の感想

「出島小宇宙戦争」映像を見て思う3つのこと

こんばんは、ヴィスタリアです。

「出島小宇宙戦争」映像で見て思った3つのこと

今日は休暇を取って月組「出島小宇宙戦争」をリアルタイムで視聴しました。

あらゆる公演が新型肺炎によって中止になる前に池袋のBrillia HALLの3階席で手すりと格闘しながら観劇したのは今となっては貴重な観劇の思い出です。

この2月末の「出島小宇宙戦争」が今年最後の生観劇になっています。
あのときはまさか手持ちのチケットがすべて紙切れになる上に次にいつ観劇できるかさえわからない日々が待っているとは予想だにしませんでした。

観劇したときの感想はこちらです↓

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今回映像で見返してもストーリー、脚本に置いていかれてしまって正直???で「出島小宇宙戦争」はトンチキ作品に属するという感想は変わらないのですが(お好きな方はごめんなさい)、
宝塚歌劇が新しいSF、ライトノベルと邂逅したという新たな扉を開いたことは意義深いとあらためて思いました。

また脚本としてはトンチキでありながらも劇場の帰り道に不満や虚しさだけに陥らず「観てよかった。こんな宝塚歌劇もあり、かな」と思える舞台でした。
映像を見ても変わらなかったこの思いの理由は3つあります。

1.生徒さんの熱演、キャラクターの造形が味わい深い

2.衣裳、ヘアメイクが世界観を作り上げている

3.フィナーレが最高すぎる

生徒さんの役についての感想はこちらでどうぞ↓

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今回は映像で観劇時には見られなかった細い表情を見て生徒さんの熱演、作り込まれたキャラクターを楽しむことができました。

カゲヤス/鳳月杏の過去の回想シーンを見つける目の遠さ、やるせ無い表情。

幼いカゲヤス/蘭尚樹が師匠と話しているときに見せた幸せに蕩けるような笑顔の無垢さ。

カグヤ/海乃美月がゆっくりと微笑むときの蠱惑的な美と艶。

リンゾウ/暁千星が隠密の道を選ぶに至った絶望の暗さと選んだ先で燃やしたもの。
ありちゃんの目が多くを語り情景が見えるようでした。

シーボルト/風間柚乃のアイスブルーの瞳の奥が笑っていないこと。

出島の文明開化の人々も凝っていて目がたりません。
特に長髪に髭を合わせたギリくん(朝霧真)が気になりました。
すっと頭を下げたときの手が綺麗でした。

これは何度か見直すたびに発見がありそうです。

また衣裳、装置の美しさや豪華さは宝塚歌劇の魅力の一つですが、「出島小宇宙戦争」は衣裳・装置ともに豪華というよりこの世界を成立させるために凝りに凝っているのが分かります.

特に加藤真美さんの衣裳がアイヌ民族、文明開化、SFのテイストを絶妙に取り入れているのが秀逸で、生徒さんの考え抜かれたヘアメイクと合わせて独特の世界観を作り上げている素晴らしさもあらためて感じました。

↑この2枚目のリンゾウ/暁千星の臙脂色のアイヌテイストの衣裳、カゲヤス/鳳月杏蛍光色がポイントになっている外套と銀髪の組合せが特に好きです。

また映像だと劇場のオペラグラスでは見逃してしまう(2、3階後方の女なので)細部が見られたことがうれしかったです。

タダタカ/光月るうの眉の上に凛々しい皺が描かれていること。

サツキ/麗泉里が緑の袴に真っ赤なブーツを調和させていること。

シーボルト/風間柚乃の2幕の軍服の袖の縫い目が×状の紐になっていること。

カグヤ/海乃美月の紫色のレースのグローブが第二関節からの指切りになっていて指先、手先の美しさを際立てせていること。

そして満足感をもっとも高めてくれたのがフィナーレが最高だということです。
月にまつわる曲で構成されたフィナーレはおしゃれで洗練された大人っぽさで、娘役さんは美しく男役さんはかっこよく、別箱だけにしておくのがもったいない、本公演のショーのフィナーレで見てみたいと思うくらいです。

娘役さんの群舞で始まりますがうみちゃん(海乃美月)が月光のような銀色のドレスで階段を後ろ向きに降りてくるのは娘役の美は背中にあることの象徴のようです。

うみちゃんのダンスはダンスそのもの技術以上に娘役としてのたおやかさ、淑やかな美を見せてくれるのが好きです。

しかも今回のドレス、裾が長めに見えるのですが捌き方、翻し方、表情の付け方のなんと綺麗なことか。

ちなうみのデュエットダンスは「ムーンリバー」の旋律に乗せて物語が見えるようです。

大人っぽいコンビがたっぷりと技術と美を見せてくれて本当に夢の世界へ誘われますし、本公演でもこの2人の、こんなトップコンビのデュエットダンスが見たいと願わずにいられません。

5組の中で1組くらいこんなトップコンビがいてもいい…いえ、いて欲しいです。

黒燕尾の総踊りはロックテイストなベートーヴェン「月光」にのせて、これがもう息をするのを忘れそうになるくらいかっこいい!

髪を撫で付ける振りがありますがちなつさんのその手のゆ……っくりとした間の取り方、視線がたまりません。

ちなつさんが最後に1人で踊るところは男役の手がいかにすべてを物語るのかを見せてくれて、
一つひとつのポーズの完璧さ、見せる”間”が鳳月杏という男役だけが使える魔法のようです。

というフォーメーションは歩いているだけなのにかっこよくて(ただ歩いているわけじゃないからかっこいいんですけれど)、数小節が永遠に続いてほしくなります。

そしてありちゃんがショースターっぷりと長い手脚でキレキレに踊るかっこよさに目と心を奪われました。
ありちゃんは技術はもちろん、天性のオーラがあると感じます。

やすくん(佳城葵)がキメキメに決めているのが映っているのもうれしかったです。

月組紫門ゆりや 粋なメッセージバトン

ところで今日のゆりちゃんのメッセージとそれに絡めたバトンの粋な渡し方に感動しました。

みつるさん(華形ひかる)は卒業後は舞台に立つことは考えていないと以前インタビューがありましたら、一層ゆりちゃんの”いいこと”の意味が沁みました。

バトンを受け取ったみつるさんのメッセージ↓

バトンはきっと縁の深い星組生にお渡しになるのではと思っていましたよ。
明日の更新も楽しみです。

さて。これからゆっくり今日発売になっただいもん(望海風斗)が表紙を飾ったan・anを読んで休暇の夜をのんびり楽しみたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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