観劇の感想

「キングダム」美弥るりかと華優希/「刀剣乱舞 禺伝 矛盾源氏物語」観劇の感想

おはようございます。ヴィスタリアです。

今日は東京宝塚劇場で星組「ディミトリ/JAGUAR BEAT」が大千秋楽を迎えますね。
おめでとうございます。

さて。この1週間の間に宝塚歌劇のOGさんの舞台2本
『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語
帝劇「キングダム
を観劇したのでヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想を書きました。

いずれも作品の内容に触れています。

帝劇「キングダダム」美弥るりかと華優希

キングダム」は原作漫画を予習してから観劇しました。

原作を読んで一番好きだなと心惹かれたキャラクターであり、ヴィジュアルが発表になったときから美弥るりかちゃん楊端和ようたんわを楽しみにしていました。

だってこの美しさですよ↓

しかもポスターでは手、腕の表情からして楊端和の決めセリフ「血祭りだ!」が聞こえそうで、
やはり自分は美弥るりかという表現者が体現するものが好きだと確信していたのですが、舞台を観て確信は一層深まりました。

「キングダム」は秦の始皇帝が中華統一を果たすまでの壮大な物語です。

楊端和は秦の人々とはまるで違う文化と言葉を持ち深い山に住む数多の部族をその圧倒的な強さとで統一した王で、
山の民たちからは「死王」と恐れられると同時に深く崇められ、そして愛されています。

1幕に登場したときは奇っ怪に見える(秦の人からすると)面をかぶり呪術師のような衣装で体の線をすべて隠し、
ボイスチェンジャーでしゃがれた声で台詞を喋っています。
この変声した声でも美弥るりかちゃんの口跡であることはわかりました。
主に「ゃゅょ」の発音で←美弥るりかちゃんのファンの方ならきっとわかってくださいますよね

顔も声も姿も覆われて見えるのは衣装の先から見える指先だけなのに、手だけのに、この手のなんと雄弁なことか。

纏う空気の、呼吸のなんと役が息づいていることか。

この纏う空気にさえ色をつける美弥るりかちゃんの表現が自分は本当に好きなんだとあらためて客席で感じることができました。
幸せです。

1幕最後でようやく面を外してその美しく気高いお顔が見えて山の王楊端和が実は女性であったことが露見するのですが、全部持っていかれました。
自分の目と心を。

ぽーっとした気持ちで見始めた2幕では立ち回りがあり、楊端和の山の民たちを戦いへと駆り立てる決めセリフ「血祭りだー!」を聞くことができました。

これがもうかっこよすぎて、冷たくて熱くて残酷で優しくて力強くて、もやは自分が瀕死の重傷でした(←落ち着け)。

血の気が多く引くことを潔しとしない楊端和ですから、敵を前に戦いたくてうずうずしているのにこの戦いの火蓋を切るのは自分ではないと譲ってみせますが、
抑えきれない衝動が逆巻いて滾っているのが手にとるように伝わってきました。これぞ死王。

二刀流の殺陣も華麗でかっこよかったです。

あと細かくて伝わるか自信がないままに書きますが、楊端和が人の話を聞いていたり誰かを見遣るときに値踏みをするあるいは真価を見定める感じといいますか、
顎を上げて「ほう…?」と視線を上から下へゆっくりと動かす仕草を何度もみました。

これも正に楊端和であり美弥るりかちゃんの好きな表現でした。

そして河了貂かりょうてん役の華優希ちゃん、とてもかわいいのと巧かったです。

まず開演前の場内アナウンスの聞き取りやすい声、緩急のあるアナウンスがはなちゃんの声であることにうれしくなりました。

河了貂は原作でもかわいいのですが、丸いフォルムのふしぎな衣装、仕草、特にちょっと怯えていたりなんとか勇気を奮い立たせているときにはなちゃんの芝居の巧さを感じました。

それに声がとても聞きやすくて滑舌もよかったと感じました。

今回はミュージカルではなく台詞で進んでいきますから滑舌は重要だな…と全キャストの台詞が明瞭に聞き取れることにしみじみ実感しました。

生演奏で音楽に彩られていますが、セットや場面の転換がややもったりしているような気がしましたが、作品世界の重厚さを考えると合っていたのかもしれません。

立ち回りも大迫力ですが「刀剣乱舞」は刀だけに切った張ったで展開していきますが「キングダム」は剣ですのでアクロバティックな動きも多用されていたのも印象的でした。

2幕の幕切れが照明も相俟ってすごくかっこよかったです。

ヅカファンが見た「『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語」

刀剣乱舞の予習はできておらず、予備知識がほとんどないままに観劇しました。

「源氏物語」はわかっているからなんとかなるかな…と思っていたのですが、能の「源氏供養」のことをまったく知らず、周辺知識の足りなさを感じました。

これは個人的な感想ですが(このブログすべてがそうですけれども)「源氏供養」については知っていた方が一層楽しめたかもしれないと思いました。

正直全体のストーリーは自分はピンとこなかったのですが(お好きな方ごめんなさい、いい悪いの話ではなく趣味に合うかどうかの話で今回はnot for meだったということです。また自分の知識不足もあります)、
凝ったかっこいい照明、凝ったセットのスピーディーな転換にくずし字が書かれた布の使い方、美しい衣装など、非常によき舞台、よきエンターテイメントに触れた深い喜びがありました。

ふだん宝塚歌劇ばかり観ているので違う種類の美の極み、演出の妙に触れることができ新しい世界を知りました。

たとえばその一つがあきらさん(瀬戸かずや)の光源氏の大変美しいお衣装↓


生地に絵が描かれているのかと思いますが、宝塚歌劇の和物ではこうした衣装は見たことがありません。

刀剣男士たちのお衣装にところどころ赤い布地があって殺陣のたびに翻ってその赤が見えるのもとても綺麗でした。

見終わってしばらくしてからもこの舞台全体の美と、そして光る君のことを、刀剣男士たちのことを思い出しています。

だってこの美の極みですよ↓

このお写真、全員役の気配を纏ったままのお顔をされているのがまた最高に好きです。

まず退団以降ようやくあっきーさん(澄輝さやと)の舞台を観ることがあって「やっと…やっとお会いできた(涙)」とうれしくなりました。
繊細な美とかっこよさは変わりません。

殺陣が非常に多くてかっこよかったのですが、特に凪様(彩凪翔)あやなちゃん(綾凰華)のスピードと迫力は圧巻で、
やはり雪組で刀を振るっていた、ダンスうまなお2人だと思いました。

硬派な凪様、最高でした。かっこよすぎました。

あやなちゃんは役のどこか不思議な、時を超えている感じがご本人のフェアリー感のある色気と相まって新たな魅力を知った気がします。
金髪の目元があまり見えないカツラもすごく似合っていて色気倍増でした。

そしてあきらさんの光源氏はもう…かっこよすぎてまいってしまいました。

芝居、表現も今までより一層深くて細やかで美しくてこれまでよりもっと好きになってしまった。

女君たちに言い寄りかき口説くシーンは美しい上に宝塚よりも生々しくてどきどきしてしまいました。

もしかしたらあきらさんの好きなお役のベスト3に入るかもしれない、それくらい好きです。

座長の七海ひろきさんの気迫と全てを懸けている凄みも痛いほど伝わってきました。

退団以降新しい境地を拓き続けている七海さんがいてこそ今回の舞台があり得たことは想像に難くありません。

そして美しく、この紫色の髪にカラーコンタクトの瞳がなんと映えることか。

細川ガラシャ役で「刀剣乱舞」に出演されたときもすごいと圧倒されたことを思い出しました。

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そして七海さんはじめみなさまがこれまでよりも口跡がずっとずっと鮮やかになっていることにもはっとしました。

特に七海さんは声優のお仕事もされているだけあって様々に研鑽されているのだろうな…と思いました。

ところで自分はヅカファンに復帰する前はAKB系アイドルグループが大好きだったのすが、元メンバーの梅田彩佳ちゃんは好きなメンバーの一人だったのですが今回六条御息所を好演し、
凪様とバチバチのやり取りするかっこいいシーンがあったのもとてもうれしかったです。

以上、非常に個人的な感想でした。
近い時期にOGさんが活躍する、剣と刀にまつわる舞台を観劇できてとても楽しかったです。

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