観劇の感想

「霧深きエルベのほとり」古典の言葉が持つ力

おはようございます。ヴィスタリアです。

宝塚大劇場で星組「霧深きエルベのほとり/ESTRELLAS」を観てきました。

生まれて初めての大劇場で、しかも1階6列の上手通路側という神席でした。
いつもは友の会とプレイガイドでチケットを取り2階席で見ることの多いので夢のような観劇でした。

東京でも何回か観劇するつもりですが、今回は「霧深きエルベのほとり」を1回見た時点での感想を書いてみます。

言葉が力を持つ名作を深く味わいたい

プログラムのウエクミ(上田久美子 )先生の文章を読むと、「霧深きエルベのほとり」をいまの星組で再演することに並々ならぬ思い、情熱を持っていることが伝わってきます。

初演は1963年、最後の上演は1983年の花組と36年も前のことです。
ヴィスタリアはこの花組の映像をダイジェストで見ました。

今回の再演では2019年の最新の宝塚歌劇の要素(プロローグの大階段を使ったビア祭り、最近大いに取り入れられている客席下り、カールをはじめ船乗りたちのデニムのおしゃれな衣裳など)がちりばめられていますが、この作品の本質である人間のドラマは36年前の再演とほとんど変わっていない、そう思いました。

セリフなどもほとんど変わっていないのではないでしょうか。

カールとマルギットの出会いと求婚。
ホテル・フロイデの主人ホルガーの温かみのある言葉。

湖上のレストランでのマルギットの邪気のない振る舞いと傷つくカール。
「お払いをさせて」と申し出るマルギットのセリフでこの言葉を初めて聞きました。
でも「ここは私が」でも「私に奢らせて」でもなく、いつもは支払いをすることはない大変な良家のお嬢様の感じが出る言葉がこれ以外にあるでしょうか。)

シュラック家のパーティーでわざとおもしろくもない話を披露してみるカール。
カッとしながらピアノを弾くマルギットを諭す達観したフロリアン。

すべての場面のすべてのセリフが必要なもので緻密な寄木細工のように組みあがっていると感じました。
またなんて引き込む力のある言葉たちなんだろうとも思いました。

名台詞、決め台詞というなにか1つが輝いているのではなく、セリフとセリフのやり取り、流れが素通りできなくて深い味わいを持っていると思いました。
セリフは長かったりテンポもゆっくりだったりするのですけれど、聞き入ってしまいました。

特に圧倒されたのが11~12場のシュラック家の婚約披露パーティーが破綻した後、マルギット/綺咲愛里が怒りをぶつけるようにしてピアノを弾くところから始まる箇所です。

マルギットの気持ち、フロリアンの言葉、ヨゼフの言葉、どれもこれもが沁みます。

カールとヨゼフの話し合いは舞台上では見せないという余白の作り方も見事ですし、話し合いを終えて手切れ金を手にしたカールがマルギットにした仕打ち。
残酷だけれど絵になるということが成立するのだと知りました。

またこれをカールがどんな気持ちでしているかと思うとたまらなかったです。

そしてこの場面は舞台上のピアノが使われてはいますがそれ以外の音楽が一切ありません。
これほど長い時間音楽がなく言葉だけで芝居が進んでいくのに間延びすることも冗長に感じることもなく、むしろドラマに引き込まれました。

ぜひル・サンクに台本を載せていただいて、じっくり読んでからもう1度見たいと思います。

本当はウエクミ先生がプログラムに寄せている文章のように、昔のプログラムに台本が載っていたのを復活させてほしいです。

ヴィスタリアの第一次ヅカファン時代はまだプログラムに台本が載っていました。
オールカラーではなく白黒のページもありましたが600円くらいでした。

古典があるから今がある 名作のリバイバルもあっていい

話題の海外ミュージカルや漫画の舞台化も宝塚歌劇の欠かせない演目となっていますが、こういう名作のリバイバル(小川理事長の年頭記者会見によれば「リボーン」)は年に1回くらいあっていいではないかとヴィスタリアは思いました。

現代のするすると読みやすい言葉で書かれている小説もいいけれど、ときにはじっくり腰を据えないと読み進められない古典も読みたいし、そういった作品を読むことで世界が深く豊かになるのと同じです。

じる側、演出家にもそういうことは当て嵌まり、得るものも大きいのではないでしょうか。

今回、セリフや場面が緻密につくられている分、一つの言葉も聞き逃したくなくてものすごく集中して観劇しました。
もともと台本の持っている言葉の力がそれを強いるから自然とそうなったのだと思っています。

宝塚大劇場と東京宝塚劇場のプログラム

ところでヴィスタリアはいつもは本公演は東京宝塚劇場で観劇しています。

宝塚以外の趣味活動もあって遠征するのはなかなか厳しく、東京に来る作品は基本的に東京で見ることにしているのです。

今回は七海ひろきのお兄様の退団公演で、バウホールで「アンナ・カレーニナ」を見るということもあり初めて宝塚大劇場で観劇したのです。

プログラムも初めて宝塚大劇場版を買い、東京版のプログラムとは違いがあることを初めて知りました。

プログラムの後ろのほうの稽古場写真とプロフィール紹介のところ、大劇場版はインタビューが載っています。
東京版にはこのインタビューはなく、かわりに(?)大劇場公演のステージ写真のページがあります。

このインタビューも短いながら読み応えがあって興味深かったです。

キャストごとの感想は次の記事で書きたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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