こんにちは、ヴィスタリアです。
ロマンチックレビューは宝塚の財産「パッション・ダムール」
バウホールで「パッション・ダムール―愛の夢―」を観劇してきました。
1回限りの観劇になってしまったのが残念で、できれば通いたいくらいすばらしいコンサートでした。
初めて当たったバウのチケットは4列目下手寄り。
1〜2列目を空けているので実質2列目です。
大抵は2階席の女なので座った時点でドキドキでした。
幕が上がると至近距離からカチャさん(凪七瑠海)と雪組生の
愛と夢と美と色気を浴びて昇天しそうでした。
この日は幕間に後ろを振り返ると、客席の一番上に岡田先生のお姿がありました。
トレードマークのダンディな帽子もお元気そうなご様子も変わらずで、ファンの方々から声をかけられていました。
きっと「素敵でした」「2幕も楽しみです」とかそんな感じでしょうか。
プログラムに岡田先生がこんな言葉を寄せておられます。
宝塚歌劇団での専科生というのは、ほんとうに豊富なキャリアの持ち主です。
(中略)
私のロマンチック・レビュー・シリーズの中から男役の美学を表現したシーンを選び、
凪七君と16名の雪組出演者が魅力を発揮できるようにと構成いたしました。
凪七君が8変化いたします。
「ネオ・ダンディズム!」「ダンディズム!」「Amour それは…」「ル・ポァゾン 愛の媚薬」などの名場面がリバイバルされており、
知っているものもあれば知らないものもありました。
(恥ずかしながら「ル・ポァゾン 愛の媚薬」は未見です…ごめんなさい。
スカイステージに入ってから放送もあったのに録画に失敗してしまって……。)
一番よく見ていたのは「ダンディズム!」(96年花組)で、
映像だけですがビデオテープが擦り切れるくらい見た好きな作品を今回客席から見ることができてうれしいかったです。
カチャさんの8変化の間を雪組生が幕前のパフォーマンスで繋いでいくのですが、
しっかり歌って聞かせてくれるし踊りもじっくり見ることができて、こういう形式もいいなあと思いました。
曲、振付などナンバーが持っている力が大きい上に生徒さんの個性、魅力が際立つのだと思います。
体感が秒のショー、外部の先生の振り数の多いかっこいい振付も大好きで心臓がハクハクするような興奮がありますが、
レビューや昔の作品の振付のよさもあると実感しました。
先日(ようやく)手にしたあきらさん(瀬戸かずや)が「FOCUS ON」でこんなことをお話しています。
(振りを)細かく決めすぎると個性が消えるし、下級生も正確なことだけできたら満足してしまっているところがあって…。
そうじゃなくて、あなたの売りは?セールスポイントは?と聞きたくなる。私は振りと振りの間にそれが出せると思うんですよ。
でもちょっと振り数が多くて細かいのが続くと、その隙間がないですけど(笑)。
まさにそういう”隙間”を埋める生徒さんの個性と魅力、そして男役の、娘役の美学を堪能できるのがロマンチック・レビューの醍醐味なのかなあと客席で大感動しました。
宝塚歌劇のよさにどっぷり浸ることができ、生徒さんの魅力を存分に受け取ることのできる岡田先生のロマンチック・レビューは宝塚の財産です。
完全新作なんて贅沢なことは望みません。
過去の名場面を交えつつリバイバル、リニューアルしつつでかまいません。
岡田先生のロマンチック・レビューの新作が見たいです。熱い気持ちでお待ちしておりますよ。
「パッション・ダムール」感想
どうやって書こうか迷ったのですが、場面ごとに思い出しながら書いてみることにしました。
◆第1章 プロローグ パッション・ダムール
真っ赤の衣装で登場したカチャさんのかっこいいこと。
雪組選抜メンバーを率いてのコンサート。中央が凪七瑠海さん。真っ赤な衣装も素敵です。 pic.twitter.com/nqyar1LdDc
— ベルちゃん@ニッカン宝塚 (@nstakarazuka) October 12, 2020
ライトにシルエットが浮かびあがるだけで空気が変わり、かっこよさに息を呑みました。
吉崎先生の新曲はどこか懐かしく、1回聞けば覚えられて、いま頭のなかを「♪パッション・ダムール~」がリピートしています。
間奏曲1「DRIFTER IN THE CITY」は「ダンディズム!」でミキさん(真矢みき)が汗みずくで歌っていたナンバーです。
カチャさんは「ロックオペラ モーツァルト!」サリエリ役でも実感しましたが
歌がさらに進化していました。
もともとカチャさんの声が好きなのですが、歌声の響きに余裕が生まれ豊かな広がりが生まれたように思います。
◆第2章 アディオス・パンパミーア
しゃんたん(壮海はるま)と愛陽みちちゃんの歌から「ネオ・ダンディズム!」のガウチョの場面になります。
雪組選抜メンバーを率いる凪七瑠海さん(前列左)。手にしているのは鞭かな? pic.twitter.com/bOoJeag2si
— ベルちゃん@ニッカン宝塚 (@nstakarazuka) October 12, 2020
しゃんたん、歌がとってもよかったです。
きぃちゃんのライブ「La Voile」で一層磨かれたように思います。
背も高く大きな手が表情豊かでした。
ガウチョで登場したカチャさんが客席に背中を向けているのですが、
その背中があまりにかっこよくて息をのみました。
ただ立っていて、背を向けているその姿がかっこよくてたまらない。
カチャさんはこういう美学を見せてくれる男役スターさんなんだなあと深く感じました。
その貴さに目から何かが溢れてしまいそうでした。
カチャさんのダンスもすごくかっこよくて、
手を背後にまわし腰にあてるところがあって(一瞬)、その手の角度が完璧で、脚をあげて回れば最後まで脚がおりてこない余裕があって、
品とたしかな技術が確固たる軸としてあることを感じました。
またこのガウチョのお衣装をこのメンバーで見ていると「炎のボレロ」を思い出します。
羽山先生の振付で、帽子をかぶったり鞭を持ったり娘役さんに渡したり、ストーリーが感じられるのが尚のこと夏のあの舞台を思い出したのかもしれません。
スカートを振りまくる娘役さんも素敵で、
キレキレのりさちゃん(星南のぞみ)、
情熱的なナナちゃん(沙羅アンナ)、
華やかなともかちゃん(希良々うみ)、
目が追いつきません。
はっとしたのが彩みちるちゃんです。
このガウチョとジゴロの場面でカチャさんと組んで踊っていますが、
みちるちゃんは今回ダンスで生まれ変わったくらいの進化をされていたんです。
「炎のボレロ/Music Revolution!-New Sprit-」からの期間に相当お稽古されたのではないでしょうか。
ダンスの技術もぎゅっと引き締まった体、衣装の着こなしにも成果ははっきりと表れていました。
生徒さんが芸を磨かれてこういう瞬間を目撃すると感動して泣きそうになります。
間奏曲2「Ramona」はありすちゃん(有栖妃華)とりなくるちゃん(莉奈くるみ)が手羽を持ってプリンセスでした。
◆第3章 妖精の森(Amour それは…)
カチャさんが王子様そのもので、
パステルカラーのフェアリーなドレスの娘役さんたちが夢の世界へといざなってくれました。
専科スター凪七瑠海さんが、宝塚バウホール公演で初日を迎えたよ♪ 「世の中がまだまだ不安定の中、ありがとうございます」と感謝の思いも口にしていたんだって。 pic.twitter.com/olUP5pCnfw
— ベルちゃん@ニッカン宝塚 (@nstakarazuka) October 12, 2020
間奏曲3「You and the night and the music」はつばさくん(天月翼)、あきくん(叶ゆうり)、すずなくん(汐聖風美)がキメていました。
これも「ダンディズム!」のナンバーでシャレていて粋で大好きな曲です。
お三方が個性と色気で聞かせてくれました。
◆第4章 愛の誘惑
あがたくん(縣千)が「炎のボレロ/Music Revolution!-New Sprit-」に続いて歌にダンスに大活躍していました。
あがたくんは男役というより男!というくらいの重たくて濃い色気を放っていて、
目を離せない瞬間が何度もありました。
あがたくん黒髪に整ったお顔立ちは正統派でありつつ男くさい魅力があり、
男らしい役どころが見てみたくなります。
(いつかレット・バトラーが見たいと夢見ています)
そのあがたくんがロングヘアのカツラで青い林檎手に中性的な姿を見せており、
こういう雰囲気も似合うんだなあと新たな発見をした思いです。
林檎のダンスというと「オーシャンズ11」2幕冒頭のテスの夢を連想するのですが、
あがたくんはテリー・ベネディクトも似合いそうです。
幕が開くとスーツにサスペンダーの超クセになる振付の場面で、オリジナルは喜多先生、今回は若央りさ先生が担当されています。
シンプルで簡単そうに見えるし真似したくなるこの場面、大好きです(実際に踊るのは大変なんでしょうけれど)。
そしてカチャさんにすごく合う、なんとも言えない魅力があると思いました。
カチャさんはノーブルで気品があってコスチューム系が似合う王子様ですが、
細身のスーツもめちゃくちゃかっこいい!
娘役さんたちがこれ以上ないくらい深いスリットの入ったロングドレスでカチャさんと次々に絡むのも素敵でした。
\本日開幕/
宝塚・専科の #凪七瑠海 が「八変化」 あの名場面も再現https://t.co/7BenjRJUto優しき貴公子から、妖しいジゴロまで――。男役の美学を詰め込んだコンサート「パッション・ダムール―愛の夢―」が開幕しました✨#雪組
(写真5枚つき)#大和悠河 #剣幸 #真矢みき #柚希礼音 #湖月わたる— 朝日新聞大阪芸能班 (@asahi_Ogeinou) October 12, 2020
目がいくつあっても足りなかったです。
ともかちゃんのパンチの効いた歌もすごくよくて、もっと聞きたいと思いました。
今回ともかちゃんはダンスもよくて華やかな美人さんで大活躍でした。
◆第5章 ALL BY MYSELF
黒燕尾もいいですが白燕尾も大好きです。
メンバーはカチャさんとあがたくん、
そしてきぃちゃんのライブ「La Voile」メンバー眞ノ宮るいくん、いちかっち(一禾あお)にしゃんたん。
ディナーショーやライブの少人数のステージで得るものはなんと大きいんでしょう。
特にるいくんの見せ方の美しさに目が吸い寄せられました。
燕尾のときの腕の構え方、腕~手にかけての使い方がすごく綺麗だったんです。
他の場面でもるいくんが目の前に来ることが多くて
シャープでかっこいいダンスをたくさん見ることができました。
◆第6章 ハードボイルド
2幕冒頭は伝説の名場面と言っていいでしょう。「ダンディズム!」のハードボイルドです。
PARADISOは繰り返し歌われてきて星組「ネオ・ダンディズム!」も宙組「シトラスの風」のキキちゃん(芹香斗亜)のソロもいいですが、
一番最初に見たこの太いストライプのスーツの場面がもっとも思い入れがあります。
男役のスーツの粋なかっこよさ、滴るような色気が存分に堪能できる名場面で、
マスクのなかで声にならない悲鳴を上げていました。
カチャさんはスーツもいいな(←2回目)
あがたくんとるいくんが組んで踊るタンゴはたまらなかったです。
あがたくんは重たくむせかえるような色気を放っていて
るいくんは鋭さがあって眉間の皺にも色気があって。
種類の違う色気✕色気を浴びて瀕死でした。
羽山先生の肩入れの振り(SNSで芋掘りダンスという用語を目にして吹いちゃいました)もまたクセになります。
間奏曲5 「仙女の祈り」はロマンチック・レビューといえば!の大きな帽子をかぶったありすちゃん(有栖妃華)のソロでした。
歌唱がすばらしいのはもちろんのこと声が美しくてかわいくてうっとり…酔いしれました。
この曲は「ダンディズム!」で歴代屈指の歌姫純名里沙さんが歌っていて、
それをありすちゃんが…と大感動でした。
やはり劇団史に残る歌うまトップ娘役であるきぃちゃんご卒業後の雪組で一層活躍の場があることを期待しています。
大好きな「ハードボイルド」に興奮にしすぎてこの後は本当にあっという間でした。
第7章 学生王子(GOLDEN DAYS)
これぞロマンチック・レビューな軍服にドレスの場面です。
多彩な男役を披露した凪七瑠海さん。「8変化、いたしております」です、って。 pic.twitter.com/cwZ5s5XSVT
— ベルちゃん@ニッカン宝塚 (@nstakarazuka) October 12, 2020
こういうショーでは着ない、芝居のような衣装での場面があるのもロマンチック・レビューらしいなと思います。
カチャさんと組んで踊るりさちゃんはお姫様でした。
この日のトークでりさちゃんは「大きな帽子をかぶってみたかったので(ありさちゃんのを)後で借りて裏でかぶります」と言うと、
カチャさんはすかさず「かぶったら見せてね 」と返していました。
カチャさんはこの日のトークでお話したりさちゃんとみちるちゃんを「かわいこちゃん。お姫様とお色気担当」と息を吐くように褒め、
舞台は王子様なんですけれどふだんはおじさん(←褒めています)なのを発揮していました。
いつかのトーク番組で美弥るりかちゃんが「カチャの周りにはいつも人がいる」と言っていましたっけ。
カチャ茶やインタビューでも感じますが、トークでの王子様な外見とのギャップも魅力的でおじさんだったりカタコトになったり、
初日舞台挨拶にもその片鱗はありました。
2幕冒頭が男役とお姉様方のシーンなので楽屋はカチャさんと娘役さんだけになるようで、
カチャさんは娘役さんたちがきゃいきゃいお話しているのを「かわいい~」と思いながら髪型を整えたりしているそうです。
それが今日はシーーーンと静まりかえっていて、2人とも緊張しているんだなと。
同じくトークですずなくんが男役7年目で初めての軍服を着られる喜びを語っており、
客席からあたたかい拍手がわいていました。
間奏曲6「夢・アモール」はつばさくんと千風カレンさんが大人っぽくたっぷり聞かせてくれました。
◆第8章 愛の歌(ボレロ)
◆第9章 カーテンコール(さよならGoodbye)
最後は黒燕尾で、「終わらないで。まだこの愛の夢に浸っていたい」と惜しむ気持ちでした。
ボレロは全員の気迫がすごくて圧倒されました。
まだまだ男役の美学を追求中という凪七瑠海さん(前列中央)。全員の顔がばっちり決まってますね! pic.twitter.com/71hSm2dCOp
— ベルちゃん@ニッカン宝塚 (@nstakarazuka) October 13, 2020
カチャさんが振り向きながら雪組生1人ひとりをしっかり見る場面は、しっかり拍を置くように目を合わせているのが胸が熱くなりました。
カチャさんが「NOW ON STAGE」で「宝塚は伝統芸能だから、私たちも教えていただたり見て学んだことを継承していかなれば」というお話をされていました。
きっと雪組生へ伝わり受け継がれたものがあるでしょう。
岡田先生のロマンチックレビューのすばらしさ、カチャさんの磨かれた芸、雪組生の熱さに夢中になったコンサートでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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