観劇の感想

宙組「El Japonイスパニアのサムライ」キャストごとの感想

こんばんは、ヴィスタリアです。

宙組「El Japon-イスパニアのサムライ-」のキャストごとの感想です。
いつもの通りヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちたものです。

また作品の内容に触れているのと、生徒さんの責任ではなく大野先生の問題ですが、作品については物申しています。

蒲田治道/真風涼帆

侍姿の治道もイスパニアに渡ってからのサムライ姿もかっこいいゆりかちゃん、大立ち回りも迫力がありました。

二枚目で剣の達人で、伊達政宗にその剣を寵愛されるほど人柄もよくて、
侍姿での藤乃/遥羽ららとの純愛も見られれば、サムライ姿でのカタリナ/星風まどかとの恋の始まりも見られるという、1粒で2度おいしいならぬ1役で何度もおいしい役と言えるかもしれません。

(そのサムライ姿について、使節団の面々は渡欧後も日本の侍姿なのに、なぜ治道だけが髪をおろしてブーツを履いているのかはこの作品の謎の一つではあるのですが)

しかしゆりかちゃんがトップ就任してからオリジナル作品の良作が少ないのが残念で、先生方には奮起をお願いしたいです。

眉目秀麗、スタイルも完璧、堂々たる男役姿のトップスターが濃密に、あるいは緻密に作られ練り上げられた世界で輝く「これぞ」という芝居をゆりかちゃんの宙組で見たいです。

ところでヴィスタリアが観劇したときにゆりかちゃんがちょっとしたセリフを噛んでしまったのですが、
ゆだんのゆりかちゃんのぽわ~んとした雰囲気の滲むもので、友の会優先公演で客席にディープなファンな方が多いからか客席が「ふふ」と笑って和むような雰囲気がありました。

エンディングあたりのアレハンドロ/芹香斗亜の間のいいやりとりに大いに笑いましたし、いまの宙組でコメディも見てみたくなりました。

何度となく再演されていますが「メランコリック・ジゴロ」をまかキキのダニエル、スタンでやってもハマると思いました。

カタリナ/星風まどか

とにかくかわいいまどかちゃんですが、大人っぽい役も自然とご自身のものにしていました。

「オーシャンズ11」のテスは大人の女になろうと背伸びをしている女性でしたが、カタリナは自身で生きるしなやかな強さのある大人の女性です。

酒場で羽を伸ばしたり、カタリナから治道/真風涼帆をダンスに誘うのがとても自然でよかったと思いました。

しかし、しかしですよ。
プロローグから暫くの間出番がないのはどうしたものでしょう。

その後歌のソロで2回銀橋を渡っているのは、もしかしたら通常のトップ娘役さんより多いのかもしれませんが、それにしたってまどかちゃんの使い方がもったいなさすぎます。

アレハンドロ/芹香斗亜

かっこいい~~~~(悲鳴)。
アレハンドロのキキちゃんのくしゃくしゃのカールした髪、髭、メイクに飄々としたキャラクターが好きで、キキちゃんが出ている場面はロックオンしがちでした。

風来坊の役を自由自在に、歌うように楽しく演じているように感じました。

謎の多い人物なので彼を主人公にスピンオフを作ることもできそうな気がします。
キキちゃんのアレハンドロがもっと見たいだけかもしれませんが…。

ただピストルの名前が「キキちゃん」というのは内輪ネタが過ぎるとヴィスタリアは思いました。

今日初めて観劇する方、貸切公演でたまたま観る方だっていますし、芸名はともかく愛称までわからない方も大勢いるはずです。
(ショーでも「ずん」「キキ」「ゆりか」ネタがありましたが、こちらは愛称単体ではなかったのでこちらは内輪ネタが過ぎるものではないと思います。)

エリアス/桜木みなと

自分探し真っ只中、拗らせ系のエリアスです。
ずんちゃんは「オーシャンズ11」テリー・ベネディクト役を経て、一回り存在感が増したように思います。
歌もうまくなり演技に余裕があるように感じました。

そしてずんちゃんのエリアスは、本当に悪そうなんですよ。
本当に憂さ晴らしに人を切りつけたり傷つけたりしそうな冷たさがありました。

でも本当は素直でまっすぐなところがあるのかなと、エンディングに本舞台セリ上でアレハンドロ/芹香斗亜に手を出して頭を下げているところを見て思いました。

藤九郎/和希そら

もう1人の拗らせ系、そらくん曰く「拗らせ坊や」こと藤九郎です。

きっと姉藤乃/遥羽ららのことがあるまで彼は治道/真風涼帆が大好きで自慢の義兄(となる男)であり尊敬する剣の師であったのでしょう。

悲しいことがあって治道を殺そうとしても殺しきれず、使節団とは道を別にした治道/真風涼帆を後先考えずに追いかけてきています。

恨みながらも恨み切れない、治道への好意が滲んでしまう人の好さがちらりと見えるのがそらくんらしいなあと思いました。

動きがキレキレなので立ち回りもいいですし、プロローグの鬼剣舞で一人ものすごくかっこよく踊る人がいる、ちょっとレベルが違う、と思ったらそらくんでした。

そして広い舞台に一人でいるシーンがあると胸がいっぱいになってしまいます。
(「オーシャンズ11」でもありましたが11人のなかの1人でした。今回は違います。)

西九郎/瑠風輝

もえこちゃん、立派になって…と目頭を押さえたくなりましたよ(←何目線?)。

治道/真風涼帆の剣の師であり慶長遣欧使節団幹部である年上の器の大きな男をしっかりと演じていました。

ゆりかちゃんより年上の設定でしょうけれどとても自然に見えました。

その他印象に残った役たち

一言ずつですが触れさせてください。

ドン・フェルディナンド/英真なおき

悪~~~いヤツ、まさに悪役です。気持ちがいいくらいの悪役。
さすがの存在感でした。

イヤらしい男でカタリナ/星風まどかを宿屋に訪ねたときの杖の使い方などうまいなあと思いました。

藤乃/遥羽らら

ららちゃんは美しくて可憐でした。
治道/真風涼帆とのラブシーンもあり、かなり重要な役のはずです。

が、責任者出てこーい!と言いたくなってしまうのはセリフがほとんど「治道さま…」しかないことです。

ららちゃんの万感の思いのこもった「治道さま…」は声も美しく切なくて沁みましたが、もうちょっと何かできたでしょうに…藤乃がどのような人物であったのかを表す言葉、セリフを喋らせてあげたいと思いました。

まどかちゃん同様、ららちゃんの使い方がもったいなさすぎます。

はる/天彩峰里

方言で喋る、元気で健気でしっかりとした芯のあるはる、かわいかったです。
じゅりちゃんの芝居心が感じられました。

しず/夢白あや

アレハンドロさんにお熱だけれどなかなか勇気の出せない女の子です。

奴隷の少女姿はもとより、酒場の踊り子たちのなかにいるとお顔の小ささと華やかな美しさで目を引かれます。

道化セバスティアン/留依蒔世

歌って踊れるあーちゃん(留依蒔世)にぴったりの役でした。
独特の存在感があって、ピエロってどこか不気味さがあると思うのですが、プログラムの解説によると「宮廷道化師は娯楽の提供や人間関係の根回し役を務めた」とありますが、それも納得です。

ただ、これは道化師と行動を共にする女官ビアンカ/瀬戸花まりにも言えることですが、
歌えるからこそのこの配役だと思うのですが、「オーシャンズ11」のマイクやジュエルズと同じような役どころだったのが少し残念でした。

もっといろいろな役で活躍するあーちゃんが見たいです。

道化ニコラ/綾瀬あきなの3人が使節団との別れの際に情を示し、支倉常長/寿つかさの思いのこもった挨拶には妙にジーンとしてしまいました。

また3人のピエロ(正確には2人と女官1人ですが)の衣裳がレトロだったりして、昔の宝塚のショーはこういうのがよくあったなあと懐かしい気持ちにもなりました。

ショー「アクアヴィーテ!!」の感想は別記事に続きます!

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