映像の感想

宙組「オーシャンズ11」大千秋楽〜澄みきり晴れ渡るあおぞらのように

こんばんは、ヴィスタリアです。

宙組「オーシャンズ11」大千秋楽のライブビューイングに行ってきました。

宙組「オーシャンズ11」大千秋楽はアドリブ祭り

大千秋楽のライブビューイングを見るのは実は2回目、1回目は月組「夢現無双/クルンテープ」でこのときは美弥るりかちゃんの卒業で胸も思考もいっぱいでしたし、アドリブなどもありませんでした。

宙組「オーシャンズ11」は元々アドリブ祭りですが、大千秋楽ということで退団者にちなんだアドリブがたくさんありました。
覚えている範囲で書き出してみますが、いずれも正確な言葉ではなくニュアンスです。

◆ハロルド/春瀬央季とダイアナ/純矢ちとせ
まずはテスのプロモーションのためのエデンの林檎の樹のセットがお披露目される場面です。
イヴがテスと聞かされて怒り心頭のダイアナが「林檎取ってきてやる!」と捌けるのを追いかけるハロルドは「ダイアナが一番輝いているから」と言っていました。

◆ダイアナ/純矢ちとせは真風涼帆ファン?
そのダイアナが補正予算を分捕りに行く場面。
いつもはエコバッグを掌に持っているダイアナですが、今日は「オーシャンズ11」の公演バッグを手に登場しました。

テリー・ベネディクト/桜木みなとからせしめた3万ドルをそこにいれるのかと思いきや、公演バッグの中からゆりかちゃん(真風涼帆)監修のバッグを取り出したのです。
なんというバッグインバッグ!これには映画館も大いに沸きました。

◆ベネディクト7とウッズ夫妻がベス/愛白もあの願いを叶える
ベネディクトのオフィスのアドリブは 「みんなでベスの願いを叶えていたんだ」でした。

ベスは冷静な秘書らしくしばし間を置いて(感無量なのを堪えているようにも見えてジーンとしました)、「腕立て100回」と言うと、チームベネディクトとウッズ夫妻がそれぞれ腕立てを開始。

それを見たテス/星風まどかも 「ベス、大好きよー」と言いながら、腕立てには適さない衣裳で腕立てをしてがんばっていました。
グッディ捜査官と並んで娘役さんの名腕立てシーンに間違いありません。

皆が腕立てをやめて立ち上がるとベスが 「ボスは?」とベネディクトを振り返りました。
ベネディクトは「俺もかよ」と苦々しげに顔を歪めた後、腕立てをしながら 「ベス、最高の秘書だー!」と言っていました。

◆ソールの演技指導が愛にあふれていた
ソール/寿つかさの演技指導は 「お客様、当ホテルの長期滞在ありがとうございました。あなたとの素敵な出会いに。愛してるぜ(投げキス)」
でした。

これは「バシャーとフランクはもう1回」のパターンだなと思っていたのですが、それ以上でした!

オーシャンズでやってみせた後、ダニー/真風涼帆が 「バシャーとフランクとの出会いに」を音頭に皆で 「愛してるぜ(投げキス)」とやったのです。

これはダニーではなくゆりかちゃんの顔になっていましたし、サプライズであったろうバシャー/蒼羽りくもフランク/澄輝さやとも りくさんとあっきーさんのお顔になっていて、りくさんは泣きそうで……ヴィスタリアは映画館で泣きました。

ソールがあらためてバシャーとフランクにそれぞれに「パシャーとフランクはお返しをするんだ」とやらせて、バシャーは「愛してるぜ(投げキス)」、フランクは「皆さまとの素敵な出会いに。愛してるぜ(投げキス)」と大サービスでした。

捌けるときにソールが 「盛り上がっていくぜ!」と言っていたのにもぐっときました。
すっしぃさん(寿つかさ)、愛のあるアドリブをありがとうございました。

◆ハロルド、とうとうばシャーにキスをする
キスといえばこちらもありました。
バシャーに一目惚れをしたハロルド、今日は 「火照っちゃって」と首元のスカーフをするするっとほどいていました。
またとうとうバシャーをつかまえてブッチューとキスをしていました。

バシャーやフランク、ダイアナの登場や旅立つシーンはショーストップ気味なくらいの大拍手で、ライブビューイングはなかなか拍手はできませんが心の中で拍手をしながら見ていました。

澄輝さやとさんの最後の舞台が貴い

ヴィスタリアが宙組で注目しているのはあっきーさんとせーこさんなのですが、今日もあっきーさんが最高にかっこよかったです。

幕開きのFATE CITYの一つひとつのキメのポーズからしてもうかっこよすぎるのに今日で卒業されてしまうなんて、お願いだからいまここで時が止まってほしいと幾度となく思いました。

フランク・カットン役としてもフィナーレの男役 澄輝さやととしても、なにかを極めている特別なきらめきを感じました。

そしてまたあっきーさんは15年という月日をかけてこの極みに到達しているのだ、ということの貴さにも思いを馳せながら見ました。

ファン歴の浅いヴィスタリアは最近ようやく、過去の舞台映像を見てあっきーさんの魅力に気づいたところくらいでもっと早く出会いたかったと悔いる思いもありました。
澄輝さやとという稀有な男役のことを忘れません。

明るい作品にふさわしい晴れやかな旅たち

終演後、組長のすっしぃさんが退団者7名のプロフィールと好きだった公演・役、コメント、すっしぃさんからの一言をお話されました。

すっしぃさんのお話が簡潔にして要を得ている上に湿っぽさがない上に愛がにじんでいて、あたたかい気持ちになりました。
また好きな役にこの「オーシャンズ11 」を挙げている方が多かったように思います。

大階段をおりての紋付袴でのご挨拶も、みなさんが明るくて晴れやかで爽やかだったのが印象的でした。

もちろん涙がまったくないわけではないのですが、見ていて「ああ、この楽しい作品で爽やかに卒業されていくのだな」と思いました。

大劇場の集合日には再演の一本物で卒業されるのね…と(勝手に)思ったりもしたのですが、「宝塚GRAPH」でせーこさんが 「楽しい作品だからこれで卒業しようかと決めた」とお話されていたのを思い出し、なんてすてきな旅立ちなんだろうと、心が晴れ渡りました。

今日もアドリブ祭りでこういう楽しい卒業もいいのかなと思うことができましたし、 澄みきって晴れ渡った、一点の曇りもないあおぞらのような気持ちになりました。

最後に階段を下りてこられたせーこさんのお花と満開の笑顔がとりわけ印象的でした。
(17年も在団されたこと、特別な愛着のある89期、そういったヴィスタリアの思い入れもあるのですが)

お花がゴージャスで個性的で正に“クィーン”にふさわしく、そのかわり髪にはお花ではなく袴に合わせた緑のリボンが添えられていました。
こういうセンスも好きです。

度々のカーテンコールでもせーこさんが2階席を何度も見上げてまるで舞台から見る客席を目に焼き付けるようにしていたのが印象的でした。

せーこさんのお花渡しは組からがゆりかちゃん、同期はもちろん宙組時代をともに過ごした七海ひろきさんからでした。

黒のスーツで決めた七海さんがせーこさんにお花を渡した後、綺麗に見えるよう直してあげていたのがいかにもお兄様らしくてうれしくなってしまいました。

またお花のゴージャスさと大羽根の重さゆえか、ゆりかちゃんが渡すまでの間はずんちゃん(桜木みなと)が花を持っていました。

幾たびかもカーテンコールでゆりかちゃんが退団者のみなさまから一言ずつ聞いたりしたのですがやはり明るく爽やかで、そういういまの宙組の空気をスクリーン越しとは言え見られてよかったです。

ゆりかちゃんは何度目かのカーテンコールで1人で出てこられたときに拍手をチャ、チャ、チャと煽った後、ダニー・オーシャンよろしく「快感だ」と言っていたのが上手でさすが!と思いました。

宙組さん、大千秋楽おめでとうございます。
そしてご卒業されたみなさま、おめでとうございます。これからの人生も今日の日のように晴れわたるものになることを心から祈っております。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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