おはようございます。ヴィスタリアです。
月組「グレート・ギャツビー」東京宝塚劇場千秋楽によせて
今日は月組「グレート・ギャツビー」が東京宝塚劇場で大千秋楽を迎えます。
大千秋楽おめでとうございます!
宝塚大劇場では公演中止があり、また他組の公演も外部の舞台も中止があちこちでありました。
東京宝塚劇場の初日を観劇した際にれいこちゃん(月城かなと)がカーテンコールで「絶対に千秋楽まで公演できるよう皆でがんばりましょうね」といったことをお話していました。
客席で聞きながら「完走してほしい…でもこの状況では難しい可能性だってある」と思いながら聞き、
帰り道に中秋の名月を見上げながら公演の完走を祈ったものでした。
なので公演の完走がとてもうれしいですし心からほっとしています。
自分は初日と翌週に観劇できただけでしたが、れいこちゃんのジェイ・ギャツビーがあまりにもかっこよくて、巧くて、男役の一つの集大成のような作品に出逢え観劇できた幸せを噛み締めています。
うみちゃん(海乃美月)のデイジーとの芝居の相性もよく並びも美しく、このお2人で「グレート・ギャツビー」が見られたこともまたそうです。
ちなつさん(鳳月杏)のトム・ブキャナンの酷い男になのにかっこよくてたまらない魅力、
おだちん(風間柚乃)の等身大の役であらためて感じた巧さ、
舞台の真ん中から端から端まで芝居の月組だからこその「グレート・ギャツビー」だったと思います。
大千秋楽のライブ配信は残念ながら見られないのですが(涙)、専科のじゅんこさん(英真なおき)、月組生、
ご卒業されるなつこ副組長(夏月都)、はーちゃん(晴音アキ)、よしのちゃん(佳乃百合香)、ファンのみなさまにとってよき千秋楽、一日となりますように。
自分を使って演じるということ 夏月都と正塚先生
ご卒業される3人の娘役さんは宝塚大劇場の千秋楽のフィナーレでお衣装につけるコサージュを相談して決められたそうです↓
101期のよしのちゃんは京都出身で、ふんわりとした雰囲気がとても印象的でした。
多くの方がよしのちゃんにしかない空気に癒やされていたと思いますし、
タカラヅカニュースのさよならインタビューで「川霧の橋」のお咲ちゃんについて「はりきって演じていた」とお話されていたのが印象的でした。
「宝塚おとめ」の好きだった役にもお咲ちゃんと、「夢現無双」新人公演の小茶を挙げています。
95期のはーちゃん(晴音アキ)は同期のれいこちゃんがトップスターでいる間はずっと一緒にいてくれると勝手に思っていました。
まゆぽん(輝月ゆうま)が専科生となり、はーちゃんが退団すると月組の95期生はれいこちゃんお一人になるんですよね。
寂しい…。
はーちゃんは歌えて踊れてほっそりとしたスタイルで美しくて、
「チェ・ゲバラ」のレイナが特に好きでしたし、「I AM FROM AUSURIA」のエトワールは感動しました。
「夢現無双」の出雲阿国が華やかなオーラがあって好きだったことも思い出します。
「FULL SWING!」の「Just a Gigolo」の場面でちなつさん(鳳月杏)と組んでキュートにエネルギッシュに踊っているのも大好きでした。
「ブエノスアイレスの風」のフローラは初演がシビさん(矢代鴻)でしたから、はーちゃんが演じ歌ったことがうれしくて、客席で歌声にしみじみ感動しました。
はーちゃんは「宝塚おとめ」の演じてみたい役に「人生に寄り添うような歌を歌いたいです」と書いていますが、「ヴィエント・デ・ブエノスアイレス」はその一つであったと心から思います。
88期のなつこさんは同期の光月るう組長とずっといてくれるような気がしていました。
スカイ・ステージのインタビュー番組「Memories of 夏月都」で、芝居の取り組み方の変化の話がとても印象的でした。
自分の中でも忘れられないなつこさんのお役が「ブエノスアイレスの風」のメルセデスで、少し長くなりますが一部引用しますね↓
「BourbonStreet Blues」は正塚先生のお芝居でマイラという役は、あるときまでずっと”あの役できなかったなあ”という思いを持ち続けていたんですね。
今思うと、自分の中で役をガチガチに作って演じていないと演じている気がしなかった。
役をガッチリ作って自分は0%で100%役になるという形で演じていても限界を感じて、これ以上進めない、そして(芝居が)いいなと思う人と私は明らかに違う。
何が違うかというと、自分というものをきちんと使って演じている――私もそうなりたい、自分がいいな思う芝居がしたいと思うようになりました。でも自分を使うというのは、自分で自分のことを認められないと自分が出てきてしまうことに対して「あ、いやだ」と思ってしまうから100%役を演じなきゃと思っていた。
まずだから自分と向き合わなければいけない。宝塚生活の後半くらいから、そういうふうに演じようと自分の中では180度くらい演じ方を変えていたんですけれども、(「ブエノスアイレスの風」で)久しぶりに正塚先生のお芝居で「ああ、私はあのころとなにか変われただろうか」と。
その頃には次の公演で退団するというのは決めていたので、最後にどこか気になっていたことが確かめられるかもしれないと思ったんですね。正塚先生に聞いたんです、「先生、あのころと私って印象違いますか」って。
「違う、ふつうにやっている」と言ってくださったのがすごくうれしくて、自分が思ってきた方向は間違っていなかったのかなと思えて。
舞台上で何もしていなくても、言葉を発していなくても、動いていなくても、そこにただ存在しているという風になりたいと思っていて、いただいたお役が常にお店にいる役で、自分が目指してきたものに少しだけ手が届いたかなと思えたような瞬間があったのがとてもうれしかったですね。
まさに「ブエノスアイレスの風」でなつこさんが演じたメルセデスというタンゴ酒場の女性は、ただただそこにいるだけで巧いなあと心を動かされたのを強く覚えています。
台詞を話す機会は多くないのですが、喋っているときはもとより他の役の話を聞いていたり、座っていたりカウンターに立っているときの居方、佇まいが作品世界に溶け込んでいて、こういうお店あるしこういう人いるなあ…と感じさせてくれたんです。
また「桜嵐記」の弁内侍の後年も強く印象に残っていて、それは美園さくらちゃんの弁内侍と本当に一人の人物として繋がっていたからです。
インタビューのなかで「休演日のたびに弁内侍に手紙を書いていました」とお話されていて、そのつながりの理由がわかったような気がしました。
よしのちゃん、はーちゃん、なつこさん、ご卒業おめでとうございます。
これからの月組
ところで今日はちなつさんの2回めの東上主演作品「ELPIDIO」のKAATの一般前売でした。
なんとかチケットを確保することができてほっとしています。
れいこうみ(月城かなと・海乃美月)の全国ツアー「ブラック・ジャック/FULL SWING!」も友の会が友情を示してくれたので両公演とも観ることができます。
これまでの月組もこれからの月組も大いに楽しみにしています。