映像の感想

月組「WTT/ピガール狂騒曲」ライブ配信の感想(幽幻の世界と十二夜?と愛がいっぱいのご挨拶)

こんばんは、ヴィスタリアです。

月組「WELCOME TO TAKARAZUKA-雪と月と花と-/ピガール狂騒曲」の宝塚大劇場千秋楽のライブ配信を見ました。

メモ書きのような、そして独断と偏見と偏愛に満ちた感想です。



東京宝塚劇場で観劇したらあらためて書くと思いますが、東京に月組さんが来てくれるのがますます楽しみになりました。

和物ショーは幽玄の世界「WELCOME TO TAKARAZUKA-雪と月と花と-」

映像であってもチョンパはいいものでときめいて華やいだ気持ちになりました。

そして照明を反射するような扇の揃った動きの美しさにはっとしました。

しゃべ化粧の月組生の美しさは艶やかで、
特にれいこちゃんの華やかさとちなつさん(鳳月杏)の色香に引き込まれました。

ちなつさんのあの伏した目元に漂う色気は凄絶でさえあって、
劇場で見たらどうなっちゃうんだろう…と想像するどきどきします。

たま様が本舞台のコーラスをバックに扇を手にして銀橋を歩いて渡るとき、
ただ歩いて渡るだけで見せられるトップスターさんなんだなあとしみじみし、
シャツイチのたま様もいいですが若衆姿のたま様も最高だなと見惚れました。

初舞台生の口上で106期生がずらりと並ぶ姿に目頭が熱くなり、画面の前で拍手をしてしまいました。

ようやく迎えることができた初舞台、本当におめでとうございます。

が舞い鳥居が並ぶ舞台の盆が回り、ミエコ先生(松本悠里)がせり上がっていらしたお姿には涙が止まらなくなってしましました。

映像だけれども、日本舞踊のなにがわかるわけでもないけれど、ミエコ先生がまとっているもの、作り出しているものがすごいのはわかります。

どんな言葉にもできない、ミエコ先生の世界がありました。

このオーケストラが奏でる西洋の音楽で着物で舞うというのは宝塚歌劇の和物ながらではの文化だと思うのですが、
その文化を体現しつづけ深め続けたミエコ先生の最後の舞台なんですね。

見ることができて本当によかったですし、すばらしさ、よさを感じて受け取れる自分になっていてよかったです。

第一次ヅカファン時代は子どもで「日本物は退屈~」なんて思っていましたら。
なんて罰当たりだったんだろう、目を覚ませと言ってやりたいです。

華やかなエピローグでもミエコ先生は月組生に囲まれてセリ上で踊られていて、
衣装、舞、オーラの美しさと荘厳さはもとより、月組生を見る慈愛の表情に胸がいっぱいになりました。

ベートーヴェンの月光の場面はどこか幻想的でふしぎな雰囲気で始まりました。

生徒さんたちが頭からすっぽりと頭巾のようなものをかぶっているからでしょうか。

背景の線のように細い月がだんだんと満ちていき、音楽が高まって月光のきらめくように翻る扇のなんと美しいことか。

これはぜひ2階席から全体を見たい場面です。

の場面は「こういう趣向なのね」とおもしろく見ているうちに音楽が
チャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」になるのですから恐れ入りました。

宝塚の和物ショーっておもしろい!

最近のショーを見ているとかなり定型化されているのを感じ、あるあるのパターンで押してほしいツボを刺激される満足感と
「もっと自由な見せ方の作品があってもいいのでは?」と思うことがあります。

ある意味異色であった月組「BADDY」でもショーの定形、お約束を逆手にとっており、
ショーの型はあくまでも守られています。

和物ショーは上演機会も限られている分自由度が高くいろいろな見せ方ができるように思います。

特に今回は音楽だけでなく衣装も自由度が高くてスワロフスキーがきらめいていたりして、
和物だけれど日本のどこの時代のものともカテゴライズしがたい点で
この日本の、地球のどこでもない、幽幻の世界であり、宇宙のような広がりを感じました。

「ピガール狂騒曲」は「十二夜」なのか

「十二夜」は好きな作品でトレヴァー・ナンによる映画化(1996年)も忘れられません。

久しぶりに見たいなあと配信サービスがないか調べたのですが残念ながら見つかりませんでした。

ピガール狂騒曲」はシェイクスピアの「十二夜」を題材にしていることが副題にもありますが、
原田諒先生がどのように見せてくれるのかとても気になっていました。

「十二夜」のキャストの少なさを本公演でやることは難しいのでは?という疑問も抱いていました。

ライブ配信で見た限り原田先生が「十二夜」とムーラン・ルージュをなぜ結びつけたのはよくわからず、
これは「十二夜」と謳うことなくムーラン・ルージュに集った人々の物語でよかったのではないかーーという疑問は残りました。

が、劇場で観劇すればまた違うことを感じるかもしれません。

作品については他にも思うところはいろいろあったのですが、
東京宝塚劇場で観劇してからあらためて書きたいと思います。

今回のライブ配信で生徒さんについて思ったことをメモ書きで残しておきます↓

ジャンヌ/珠城りょうがかわいい

ガブリエル/美園さくらの黒✕白のドレスが美しい。知的さと大人っぽさもよい。

シャルル/月城かなとが楽しそう。髭がイケメン。ロングトーンすごかった!

ウィリー/鳳月杏の髭もコミカル具合も最高

ラ・グリュ/海乃美月のブルーグレイのドレスと片側で巻いた金髪が美しい。カンカンも。

ロートレック/千海華蘭のなりきり具合がすごい

掃除夫/夏月都の外見の作り込みもピルエットもすばらしい

レオ/暁千星のダンスは本当にすごい!

ボリス/風間柚乃がすごい……

・ムーランルージュの裏方(光月るう、紫門ゆりや、春海ゆう、佳城葵)が芸達者で楽しい。
エドモン/佳城葵のアシストがとてもよかった。

マルセル/輝月ゆうまのチンピラ具合がとてもいい

千秋楽らしいアドリブもいくつかありました。

シャルル)ライブビューイングで見ているぞ!

マルセル)チケット4枚。満席?映画館へ行くぞー!

ロートレック)11月20日に決着を付けてやるぞ。

ライブ配信が自分の見たいアングルで見ることは叶いませんが、
芝居の月組ですからセリフはなくとも様々なドラマが展開されていることでしょう。

それを目撃するのも楽しみです。

フィナーレと千秋楽のご挨拶

フィナーレはありちゃんの歌唱指導から始まりました。

106期生のラインダンスはお衣装のダスティーなトリコロールの色味が新鮮でかわいくて、
しかもパレードのトリデンテと同じ色合いなのがとてもお洒落で粋でした。

また百花沙里先生のチャレンジングな振付、懸命に踊る106期生に大感動しました。

テクニカルナピックアップも多いですし、縦列に並んだ生徒さんが入れ替わっていくところもあまり見たことがなくて印象的でした。

明日から各配属先の組子としてスタートする106期生を応援しています。

娘役さんたちに囲まれるたま様の前髪がピンクの金髪に驚き、
結愛かれんちゃんのコケティッシュさがたまりませんでした。

黒燕尾は王道のかっこよさで、映像であっても見たい方がたくさんで目がいくつあっても足りません。

デュエットダンスは黒燕尾のたま様とすみれ色のドレスのさくらちゃんで、お揃いではないのが新鮮でした。

そしてたま様の歌でさくらちゃんが踊ってからお2人で踊るパターンもあまりないように思い、これもよかったです。

パレードは両手に持つシャンシャンが新鮮で、かつ音が出ることを初めて知りました。

娘役さんの白いマーメイドドレスがエレガントで素敵でした。

るう組長のご挨拶とたま様のご挨拶がありました。

たま様は何度か噛んでしまって「口が千秋楽ですね…」と仰せでした。

珠城)皆様、本日は月組公演の千秋楽をご観劇くださいまして誠にありがとうございます。
8か月ぶりに初日を迎えられたことが奇跡のように感じていましたが、こうして公演を続けられたことがそうで、
(中略)
大好きな月組の仲間と一瞬一瞬がたまらなく幸せで(中略)喜びに心が震えておりました。

舞台が皆様にとって光であるように、私たちにとって皆様が光です。
これから先どんなことがあっても、その2つの光が輝き続けることを願ってやみません。
皆様、次にお会いする日までお元気でいらしてください。

「すみれの花咲く頃」を歌って幕がおりました。

ミエコ先生の正装での階段降りはありませんでしたが、どんなお気持ちで聞いていらしたかな…と思いました。

次のカーテンコールではミエコ先生のご卒業と106期生への温かい言葉がありました。

松本悠里さんは 舞台上ではしなやかで強いお姿なのに、一歩舞台をおりられると私のような下級生にも声をかけてくださる、チャーミングで気さくな方です。

106期生は一緒にこの状況を乗り越えてきましたのできっとどの組にってもがんばってくれることと思います。
……私の羽根が大きくてすみません。(月組生に)しゃがんんですごいですね。
(立ち上がるれいこちゃんに)脚大丈夫?

最後のご挨拶はたま様の宝塚と客席への深くて広い愛がいっぱいで、ちょっと再現できません。

初舞台生がいないと「いないのか…」と寂しそうにつぶやいていて、出てくるとうれしそうで、
舞台も客席もたま様の愛に守ってもらっているようだなあ…と感じた千秋楽のご挨拶。

るう組長のご挨拶にもあったようにこの勢いのまま、元気で東京にいらしてくれるのをお待ちしていますよ。

千秋楽恒例の月組ジャンプは手をつなぎますからありませんでしたけれどソロならいいですよね。
月組バンザイ!!

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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