おはようございます。ヴィスタリアです。
上田久美子先生新作雪組「fff」発表
雪組「fff」の配役が発表になりました。
退団者の発表で思考と心の大部分が止まっていて次になにかで動いたらきっと泣いてしまう…そんな感じです。
とりあえず残っている部分で昨日発表になった配役について、わかる限りで整理したり調べてみました。
関連のありそうな役ごとに並べ替えています↓
役名 | 配役 | 予想 |
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン | 望海風斗 | |
謎の女 | 真彩希帆 | |
ナポレオン・ボナパルト | 彩風咲奈 | |
ヨハン・ヴァン・ベートーヴェン | 奏乃はると | ルートヴィヒの父 |
小さな炎/マリア・ヴァン・ベートーヴェン | 笙乃茅桜 | ルートヴィヒの母 |
少年ルートヴィヒ | 野々花ひまり | |
青年ルートヴィヒ | 彩海せら | |
ルートヴィヒの家政婦 | 杏野このみ | |
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ | 彩凪翔 | 詩人。ベートーヴェンと親交がある |
ロッテ | 沙月愛奈 | 「若きウェルテルの悩み」のロッテ? |
ウェルテル | 諏訪さき | 「若きウェルテルの悩み」のウェルテル? |
ゲルハルト・ヴェーゲラー | 朝美絢 | 医師。ベートーヴェンの親友。ロールヘンと結婚する。 |
エレオノーレ・フォン・ブロイニング【ロールヘン】 | 朝月希和 | ヴェーゲラーに紹介され、ベートーヴェンがピアノを教えた名門貴族の子女 |
ブロイニング夫人 | 愛すみれ | ヴェーゲラーに紹介され、ベートーヴェンがピアノを教えた名門貴族の奥方 |
昔のロールヘン | 星南のぞみ | |
ロールヘンの妹 | 琴羽りり | |
ブロイニング家の執事 | ゆめ真音 | |
ジュリエッタ・グイチャルディ | 夢白あや | オーストリアの伯爵夫人。ベートヴェンにピアノを師事 |
グイチャルディ夫人 | 白峰ゆり | ジュリエッタの母? |
ガレンベルク伯爵 | 真地佑果 | 作曲の素養がある。ジュリエッタと結婚する。 |
オーストリア皇后 | 千風カレン | マリア・テレジアではなく? |
皇帝フランツ一世 | 透真かずき | マリー・アントワネットの父 |
マリー=アントワネット | 妃華ゆきの | |
ルドルフ大公 | 綾凰華 | 神聖ローマ皇帝の末子でベートーヴェンの庇護者 |
クレメンス・フォン・メッテルニヒ | 煌羽レオ | オーストリア外相。ウィーン会議を開催 |
パール伯爵 | 星加梨杏 | フランツ一世の侍従武官 |
カール大公 | 桜路薫 | 神聖ローマ皇帝フランツ2世の弟。軍人 |
ラデッキー伯爵 | 眞ノ宮るい | ハンガリー貴族の流れをくむオーストリアの貴族、軍人 |
選帝侯 | 叶ゆうり | |
ヘンデル | 真那春人 | 作曲家。ベートーヴェンが高く評価した。 |
テレマン | 縣千 | 作曲家。ヘンデルと親交があった。 |
ロッシーニ | 天月翼 | イタリアの作曲家。美食家だった。 |
宮廷楽長サリエリ | 久城あす | ベートーヴェンやシューベルト、リストを指導した |
モーツァルト | 彩みちる | |
ナポレオンの副官 | 橘幸 | |
ナポレオンの軍医 | 汐聖風美 | |
黒炎 | 華蓮エミリ | |
黒炎 | 沙羅アンナ | |
ケルブ【智天使】 | 一樹千尋 | |
ケルビム【天使】 | 希良々うみ | |
ケルビム【天使】 | 羽織夕夏 | |
ケルビム【天使】 | 有栖妃華 |
「fff」配役から見えてくるものはあるか
これを見て最初に思ったことは
「凪様(彩凪翔)が再びゲーテを演じるなんて上田久美子先生は粋なことをするなあ…」ということでした。
凪様のバウ主演作であり「宝塚おとめ」の好きな役にも挙げている「春雷」のウェルテルは
ゲーテが劇中で書く物語の形で進行していきます。
「fff」のウェルテル/諏訪さきとロッテ/沙月愛奈が「若きウェルテルの悩み」の登場人物だとすれば一層「春雷」の再現のようです。
しかもあゆみさん(沙月愛奈)は「春雷」で重要な役を演じていましたら一層胸に期するものがあります。
さらにゲーテはベートーヴェンとも親交があり、ナポレオンとも邂逅を果たしています。
ゲーテとベートーヴェンについてはこちらのページ(ベートーヴェンとゲーテ~再会編~)で詳しく解説されています。
ちなみにナポレオンとの邂逅はゲーテの晩年のことです。
1806年、イエナ・アウエルシュタットの戦いに勝利したナポレオン軍がヴァイマルに侵攻した。
この際酔っ払ったフランス兵がゲーテ宅に侵入して狼藉を働いたが、未だ内縁の妻であったクリスティアーネが駐屯していた兵士と力を合わせてゲーテを救った。
(中略)
また1808年にナポレオンの号令によってヨーロッパ諸侯がエアフルトに集められると、アウグスト公に連れ立ってゲーテもこの地に向かい、ナポレオンと歴史的対面を果たしている。
『若きウェルテルの悩み』の愛読者であったナポレオンはゲーテを見るなり「ここに人有り!(Voila un homme!)」と叫び感動を表した。
引用元:晩年のゲーテ(Wikipedia)
もしものぞ様(望海風斗)と凪様の場面があったら、
そして大好きな彩彩の場面があったらそれだけで泣いてしまいそうです。
(ブログでは思いが暴走するので自重気味に書いていましたが「OUTIA」以来凪様も咲ちゃんも彩彩もすごく好きで沼にはまっています)
一方、ベートーヴェンとナポレオンは実際には会っていないにせよ深いかかわりがあります。
もちろん交響曲第3番「英雄」です。
フランス革命後の世界情勢の中、ベートーヴェンのナポレオン・ボナパルトへの共感から、ナポレオンを讃える曲として作曲された。
しかし、完成後まもなくナポレオンが皇帝に即位し、その知らせに激怒したベートーヴェンが
「奴もまた俗物に過ぎなかったか。これから、人々の人権を踏みにじって自分の野心のためだけに奔走し、誰よりも自分が優れていると誇示する暴君になるのだろう」と激怒し、
献辞が書いてある表紙を破り取ったという、弟子フェルディナント・リースの回想に基づく有名なエピソードが伝えられている。
しかし実際は、ウィーン楽友協会に現存する浄書総譜には表紙を破り取った形跡はなく、
表紙に書かれた「ボナパルト」という題名とナポレオンへの献辞をペンでかき消した上に「シンフォニア・エロイカ」と改題され、「ある英雄の思い出のために」と書き加えられている。
抜粋引用元:ウィキペディア
こちらに他の曲もまじえての解説がありました(歴史を彩った名曲たち( ナポレオン戦争とベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」)
「fff」は作曲家たちが多く登場する一方でナポレオン/彩風咲奈やメッテルニヒ/煌羽レオという政治を動かす歴史上の人物たちも登場し、この時代の政治と音楽が切り離せないものであることがわかります。
かたや小さな炎、天使、黒炎というまったくわからない役もあり、
いったいどのようなストーリーが展開するのか、重厚なオーケストラのような広がりがあるのでは?と期待したくなります。
次に思ったことは長い時代を描くことになりそうだということです。
少年ルートヴィヒ/野々花ひまりと青年ルートヴィヒ/彩海せらがいて
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/望海風斗(1770-1827)の人生をたどることになりそうです。
あみちゃん(彩海せら)は「ファントム」に続いてのぞ様と同じ人物を演じることになるんですね。
ルートヴィヒがボンからウィーンへ向かうのは21歳のことですが、ボン時代にピアノを教えたロールヘン/朝月希和にも昔のロールヘン/星南のぞみがいます。
またルートヴィヒより一時代前のヘンデル/真那春人(1685-1759)や14歳年上のモーツァルト/彩みちるがいます。
娘役のみちるちゃんが演じるということはおそらく子役で、配役にマリー・アントワネット/妃華ゆきのがいることから
おそらく宮廷でのモーツァルトの演奏シーンがあるのでは?と予想します。
(「ベートーヴェンとモーツァルト」を参考に書いています。)
また同じ作曲家でベートーヴェンに心酔したロッシーニ/天月翼はベートーヴェンより12歳年下で
ルートヴィヒがこの世を去る5年前に邂逅を果たしています。
こんなエピソードを見つけました。
ロッシーニはといえば、ベートーヴェンの暮らしがあまり楽でなさそうなのを見て心を痛め、
数日後、メッテルニヒ宰相の晩餐会に招かれたときに、「ベートーヴェンほどの巨匠が貧しい生活を強いられているとはあまりに情けないことです。皆さんで年金を拠出して、巨匠の暮らしを助けて差し上げてはいただけないでしょうか」と熱弁をふるいましたが、
残念ながら、メッテルニヒや貴族たちの反応は冷ややかだった、ということです。
引用元:ベートーヴェンとロッシーニ
書いているうちにこれよりも時代を下った作曲家たちが多数出てくる宙組「翼ある人々」、
星組「ロックオペラ モーツァルト!」や帝劇「モーツァルト!」を思い出しました。
上田久美子先生の「翼ある人々」にも没後のベートーヴェン(?)が登場していましたね。
最後に気になるのがルートヴィヒに関わる女性たちです。
ボン時代にピアノを教えた初恋の人と言われているロールヘン/朝月希和は
ルートヴィヒの親友ゲルハルト・ヴェーゲラー/朝美絢と結ばれます。
(咲ちゃんの相手役になることが決まっているひらめちゃん(朝月希和)は「fff」ではプレお披露目のような絡みはなさそうです。)
そしてルートヴィヒが恋心を抱いた”不滅の恋人”と言われるジュリエッタ/夢白あやにはある曲が捧げられています。
1800年にはジュリエッタ・グイッチャルディ(1784〜1856)が弟子入りする。
(中略)
ベートーヴェンは一時期彼女に恋愛感情を抱いたことがあった。
1801年11月16日付でヴェーゲラーに宛てた長い手紙(BB70)で
「ひとりの愛すべき、夢のように魅惑的な少女が状況を一変させてくれたのだ、彼女は私を愛し、私も彼女を愛している。この2年間には幸せなことも時にはあったのだ。結婚が私に幸福をもたらしてくれるかもしれないと、初めて感じている」
と述べている。
この少女が当時17歳のジュリエッタ・グイッチャルディである。
もちろんベートーヴェンは身分の違いとはっきりと自覚しており、この結婚が実現するとは考えていなかったが、ジュリエッタにレッスンすることは、身体的な苦痛を抱えていたベートーヴェンの心をいくぶんか癒したのも確かだ。
1802年3月に出版する「嬰ハ短調」ソナタ《2つの幻想曲風ソナタ》作品27の第2曲、《月光ソナタ》を献呈したのがこのジュリエッタであった。
みちるちゃんとひまりちゃんが少年の役で、
宙組から組替えとなったあやちゃんがジュリエッタを演じることになるんですね。
そして役名からもポスターのヴィジュアルからも謎につつまれているのが謎の女/真彩希帆です。
きぃちゃんはいったいのぞ様のルートヴィヒとどのような関係を見せてくれるんでしょうか。
集大成にしてこれまでにないようなものを見せてくれるのでは…と期待しています。
続報を知りたいような、でもこのまましばらく時間が止まってほしいような、複雑な気持ちです。
とりあえず心が動くまでは、受け止めて泣けるようになるまでは、このまま静かにしています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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