観劇の感想

「花より男子」キャストごとの感想

こんばんは、ヴィスタリアです。

花組「花より男子」のキャストごとの感想です。

いつものことではありますがヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想になっています。

道明寺司/柚香光

ポスターを見たときは「宝塚歌劇で「花男」をやるとこんな感じになるのね……」と受け止めていたのですが、れいちゃんの道明寺はとってもかっこよかったです。

髪型もメイクも実際の舞台ではずいぶん変わったのではないでしょうか。
メイクがいつもよりナチュラルなのか衣裳がファッショナブルで(れいちゃんがモデルをされているJOSEPHから一部提供を受けているそうです)、いつもとは雰囲気の違うかっこよさが非常に新鮮でした。

いつもと違うかっこよさは立ち方、姿勢の崩し方、豪快な座り方などにも表れていましたし、道明寺司がそこにいると思うほどのキャラクターの魅力も伝わってきました。

そしてそれはもちろんれいちゃんのていねいにつくられた演技があってこそなのだと、主演ということでれいちゃんの芝居をこれまで以上に集中して観て思いました。

「CASANOVA」でれいちゃんが演じたコンデュルメル閣下はカサノヴァを捕らえることや富と権力への執着、時折あるコメディとのバランス、コンデュルメル閣下が笑いを取るところが大好きでした。

道明寺はそれよりもずっと笑いを取るセリフが多く、道明寺語録とでも言うような風変りな、ちょっとお馬鹿な言葉の使い方には客席が沸くような笑いが起きていました。

「メンチ(面子)丸つぶれだ」
「うんどろの差だ(雲泥の差)」
「さすが俺がビート判(太鼓判)を押した女だ」

なぜこんなにもおかしいのかふしぎに思いながらも声を上げて笑ったのは、原作の時点で考え抜かれているからでもあるのでしょうけれど、れいちゃんの表現力があってこそだと感じました。

またつくしへの複雑な気持ちを表した、藤堂家のパーティーの後の幕前で踊るところは切なさが伝わってきてとてもよかったです。
オレ様な道明寺のギャップを垣間見させてもらったような気がしました。

もちろん数々のかっこいいセリフもあってときめきましたし、つくしを思うまっすぐさも伝わってきました(表現はときにまっすではないのですが)。

芝居もよく、フィナーレのダンスになるとれいちゃんのオーラが一気に爆発するような輝きがあり真ん中の似合うスターさんだとあらためて思いました。

牧野つくし/城妃美伶

少女漫画のラブコメものは主人公のキャラクターがいかに魅力的かが命だと思うのですが、雑草魂を自認するタフさとバイタリティにあふれ、
どんな逆境においても自分の信念を曲げない強さのある牧野つくしはとても魅力的な女の子でした。

そしてしろきみちゃん(城妃美伶)がつくしに命を吹き込み息づかせていて、より一層魅力的に見せてくれたと思います。

素直に感情を表すつくしはしろきみちゃんの溌剌としたエネルギーが劇場の空間いっぱいにあふれていて、目が離せませんでした。

そのエネルギーが頂点に達したのは2幕のティーンオブジャパンの最終審査でしょう。

ひまわりのようなドレス姿で側転→側転→縄跳び2重跳びはお見事でしたし、子どもたちと遊び終えて、大きな大きな拍手のなかで息を整えているときの笑顔が喜びに輝いていました。

側転も驚きましたが、何度か繰り出された跳び蹴りはタイのムエタイ(by「クルンテープ」)もびっくりなキレキレ具合でした。

思っていることが全部顔にでるような豊かな表情、仁王立ちやガッツポーズのような仕草、ダサい私服がちゃんとダサく見える着こなし、ピンヒールでドタバタと走るときの足音。

どれをとってもしろきみちゃんはつくしでした。
牧野つくしがそこにいる!!と叫びたいくらいで、しろきみちゃんの演技力、実力をあらためて知ったように思います。

花沢類に片思いをする一途さ、道明寺との喧嘩から両想いになるまで、どこをとっても上手でかわいかったです。

重ための前髪におさげ、おろしたときもあか抜けなさを出しつつもかわいくて、研究しているのがうかがえました。
「花より男子」のTBSラジオ特番で「地毛を使ったヘアアレンジに凝っている」とお話されているのも納得です。

みなさんいつもよりメイクがナチュラルで薄めなのかな?と感じたのですが(2階最後列で観たので実際は違うかもしれません)、そのナチュラルなメイクとヘアスタイルのバランスもよかったように思います。

フィナーレのデュエットダンスもあくまでもつくしと道明寺のデュエットであることがわかる振付で、シンプルなアップスタイルもつくしらしさがあってすてきだと思いました。

最後の出演者が勢揃いしたところも道明寺とつくしがわちゃわちゃしていたし、カーテンコールの手の振り方もしろきみちゃんはつくしでした。

花沢類/聖乃あすか

劇団のサイトの主な配役のなかのF4は学年順で書かれていましたが、プログラムでは道明寺司、牧野つくし、花沢類の順で2番手でした。

花沢類のほのかちゃん(聖乃あすか)は、F4のなかで一人まとっている空気が違うのがとてもよく表現されていたと思います。

話すときの間の作り方、ゆったりとした動き方などほのかちゃんの柔らかい雰囲気とも合っていて一層すてきだったと思います。
つくしに「お金で買えないものってなんだと思う?」と訊かれたときの答え「空気かな……」のふしぎな答えが納得できる感じが印象に残りました。

フランス行きを挟んで雰囲気が変わったこと、微妙な違和感や変化も繊細に表現されていました。
そりゃあつくしが戸惑うでしょう。

真っ白でふわっとした衣裳や金髪がよく似合っていました。
2階最後方から見たとき目元があまり見えないときがあり「あともう少しだけ前髪が短かったら…」と思ったのですが、目元を隠すくらい前髪が長いほうが花沢類のキャラクターに合っているのかもしれません。

三条桜子/音くり寿

つくしのナチュラルなヘアスタイルとは真逆のぶりぶりの縦ロールがとってもかわいかったです。
コンテストのふわふわのドレスもかわいく、クラブの場面の攻めっぷりにはドキッとしました。

下手をするとやりすぎになりそうな極端さのあるキャラクターですがおとくりちゃんはバランス感覚がいいと思いました。
変わり身の早さなど納得できる役づくりでした。

しかし三条桜子さんがつくしにかなり酷いことをする場面には衝撃を受けましたし、前記事でも書きましたが現代の学園ものという身近さもあって暴力的なものを見ていることに心がざわつきました。

それはおとくりちゃんの演技がうまいからなおさら身に迫って感じられたのかもしれません。

この酷いことをする場面で、三条さんがなぜ道明寺への復讐にこだわり実行したのか、彼女の心がどれほど傷ついたのかが伝わる歌があったことは、ざわつきを拭ってくれたように思います。

(できることなら歌だけでなくもう少し、こういう行動に至った過去や背景を描いてほしかったですが長い原作を詰め込んでいるので仕方ないでしょうか。)

おとくりちゃんの美声に聞き入りました。
フィナーレのカゲソロからのカゲデュエットもすばらしかったです。

西門総二郎/希波らいと

抜擢だとは思いましたが、「CASANOVA」新人公演のモーツァルトをしっかりと演じていたので抜擢されるだけの理由はあるのだと確信していました。

そして舞台で観るとスタイルが異次元で「?!」となりました。
超スタイルの良いれいちゃんをはじめ花男のなかにいても高身長(177cm)、顔の小ささ、手脚の長さがまるでモデルさんのようで非常に目立ちます。

スタイルだけでなくダンスも歌もよく、演技もよかったです。
チャラチャラと遊んでいそうな感じがよく出ていましたし、和服姿も美しかったです。

それにしても21股とはいったいどうやってスケジュール管理をしているんでしょう。

特に印象的だった役について書きましたが長くなりましたので、その他の役についてはあらためて別記事にしたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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