こんばんは、ヴィスタリアです。
目次
スピンオフ作品の上演と、その後を演じるOG
先日オンデマンドで月組「THE KINGDOM」(2014年)を見ました。
これは前年の月組本公演「ルパン」のスピンオフという、なかなか珍しい作品でした。
余談ですが、この「ルパン/Fantastic Energy!」をヴィスタリアは宝塚大劇場で観劇しているんです。
当時は第一次ヅカファン時代から遠く離れてアイドルグループのファンをしており、大阪ドームツアーを見た帰りに「生まれて初めて大阪に行くから宝塚も観てこよう」と観劇したのでした。
当時はさらっと楽しく観劇し、特にどなたかのファンになるということはありませんでした。
さて。このスピンオフに近いところで興味をひかれたのがOGのたそさん(天真みちる)の活動です。
リンク先のお写真をスライドしますと、「金色の砂漠」でたそさんが演じた、心優しいゴラーズ王子とべーちゃん(桜咲彩花)が演じたびビルマーヤ姫のその後や幸せな時間をイメージしたオリジナルストーリーを朗読劇にされるようです。
なんてすてきなアイデアなんでしょう。
OGであるからこそできる企画ですし、「金色の砂漠」の世界がその後どんなストーリーを紡ぐのか、
自分とビルマーヤ姫が不釣合いであることを承知の上で求婚したゴラーズと、自分付きの奴隷ジャーを愛しながらもゴラーズに嫁ぐことを選んだビルマーヤ姫がどんなふうに関係性をきずいていったのかを考えると、あの悲しく美しい物語が思い出されると同時になんだか救われるような気持ちがします。
そこでスピンオフ、あるいはその後が見てみたいカップルを考えてみました。3組を挙げてみます。
どうしてこじれた?「CASANOVA」コンデュルメル夫妻
最初に挙げるのは花組「CASANOVA」のコンデュルメル閣下/柚香光とロザリア/鳳月杏夫妻です。
閣下もロザリアもそれぞれキャラが立っていて見ごたえがありますし、互いに思いあっているはずなのに夫婦仲がいったいどうしてそんなにこじれたのかを考えると一つのストーリーが作れそうな気がします。
閣下は富と権力をひたすら求めて財産持ちの商人コンスタンティーノとベネチア総督の娘ベアトリーチェの結婚を画策し、いずれすべてを奪うつもりでいますが、
ことは思惑通りには運ばずロザリア、かつての愛人ゾルチ夫人も絡んで思わぬ方向に展開していき、夫妻はコンスタンティーノの行方を巡って酷い口争いをします。
おまえと結婚してさえいなければ、おまえさえいなければあんな商人など道具立てに使う必要もないというのに!
閣下からぶつけられた言葉にショックを受けたロザリアは人形になる薬を飲んでしまいます。
閣下はこんなに酷いことを言っておきながら、意識を失った妻を目の前にするとなりふり構わず「妻を助けてくれ!」と懇願します。
ヴィスタリアは閣下のセリフを「おまえと結婚していなければ自分がベアトリーチェと結婚し、すべて思い通りに事を運ぶことができた」という意味に解釈しました。
そしてこれほど富と権力に執着している閣下が自身の結婚をそのために活用しなかったのか。
なぜロザリアと結婚することを選んだのかを考えると、特別なロマンスがあったのではないかと想像したくなってしまうのです。
冒頭でカサノヴァが捕られて異端審問にかけられた際に閣下に「オレに愛人を奪われた腹いせだろ。逆恨みにしちゃ大がかり」と言いますが、
案外ロザリアを奪われたことが許せなかったのではないか…というのは想像をたくましくしすぎでしょうか。
またロザリアがなぜ黒魔術に傾倒することになったのか、ジャコモとどのような関係であったのかも考えるとストーリーが広がりそうです。
スターアングルでずっと見たい「BADDY」クールと王女
少し前のことですが元月組の早乙女わかばちゃんが娘役のアクセサリー作りについてブログに詳しく書いていました。
わかばちゃんの退団公演「BADDY」の王女役のアクセサリーについて場面ごとにどういう設定で、どういう意図でアクセサリーを選び作っているのかが綴られていて非常に興味深かったです。
母親のアクセサリーを借りてきた設定ですとか、王女は場面ごとに成長していくですとか、わかばちゃんのブログを読んで名作ショー「BADDY」がより一層味わい深いものになりました。
「BADDY」の魅力は宝塚歌劇のショーの決まり事を逆手にとっていること、各キャラクターの設定とはまり具合などいろいろあって一言では到底語りつくせませんが、
クール/宇月颯と王女/早乙女わかばのラブストーリーがサイドストーリーとして展開していくことも大きな魅力だと思うのです。
ヴィスタリアはこの作品をたまたま観劇してヅカファンに復帰し、観劇時にクールと王女の物語をどのように見ていたのか思い出せないのですが、
映像で見返すと「クールと王女のスターアングルが全場面見たい」と思うくらい好きなんです。
(王女に惹かれて戸惑っているクールを近くで見ているホット/紫門ゆりやも含めてのアングルがあったら最高です。)
ビッグシアターバンク舞踏会で一緒に踊った後、悪事をはたらいたBADDY一味が退散する際に
クールが傷の手当をしてくれた王女のハンカチをひらりと落とすところ、彼なりの別れを込めたところはいつ見ても何度見てもすてきだと思います。
なのでクールと王女に注力して「BADDY」を観劇して一つ残らず目撃したかったという思いと、スピンオフで王女とクールを主軸に描いたらどんなストーリーが展開していくのかを見てみたい思いがあります。
「BADDY」ではバッディのアジトが大破してしまうのでありえないことなのですが、
価値観も身分も違い、王女が場面ごとに成長しているとはいえ年齢も違うであろう二人にどんな物語がありうるのかを考えたくなります。
恋はこれから始まる?「カンパニー」高野悠と瀬川由依
本編のその後が見てみたいのは月組「カンパニー」の高野悠(はるか)/美弥るりかと瀬川由依/海乃美月です。
これは正確には「見てみたい」ではなく「見てみたかった」かもしれません。
ヴィスタリアの美弥るりかちゃんの恋愛ものがもっと見たかったという願望によるものだからです。
この記事で書きましたが2番手になってからるりかちゃんは相手役がいたり恋愛を主軸に描いた作品が少なかったと思います。
元バレーボール選手で女子マラソンのトレーナーからバレエ団に出向になった瀬川由依とバレエ団のプリンシパル高野悠は最初はまったくうまくいきませんでした。
怪我をした高野に由依は「ケアをさせてほしい」と懇願するものの高野は断固拒否。
様々なできごとを経て、高野はようやく由依に心を開き自身の体のケアを任せます。
本編の最後のパーティーのシーンで高野は由依と踊り、ウィーンで新たな仕事を起ち上げるにあたり由依に一緒に来てほしいと不器用に誘うのです。
きっと2人は新しい人生で距離を縮めていくんだろうな…という幸せな予感を抱かせてくれましたが、その後の高野と由依の物語を見てみたかったといいますか、
恋愛もので幸せになるみやうみを見たかったという思いがあります。
「瑠璃色の刻」「アンナ・カレーニナ」でうみちゃん(海乃美月)はるりかちゃんの相手役でしたがどちらもハッピーエンドとは言えませんし、
「グランドホテル」もすてきなエンディングですがオットーとフラムシェンフラムシェン間にあるのは恋よりももっと大きな愛の物語だと解釈しているので、そんなふうに思いました。
番外編 彼女になにが起きたのか「翼ある人々」
これは「見てみたい」というよりも想像力がかきたてられて気になるといった方が正確なので番外編としました。
それは「翼ある人々」のルイーゼ・ヤーファ/すみれ乃麗とヨーゼフ・ヨアヒム/澄輝さやとです。
この芝居はヨハネス・ブラームスの死んだところから始まって生前を回想する形で進んでいきますが、この生前のシーンに出てくるルイーゼと現在の老年となったルイーゼがまるで別人で、
老年のルイーゼはやや感じが悪くてブラームス家の女中に「おまえのようなものに音楽がわかるの」と冷ややかに言ったりします。
ヨハネスに片思いをしていた娘時代のルイーゼははそんな意地の悪いことを言う感じではなかったと思うのですが、彼女がその後どんな人生を歩んできたのかが気になりますし、
ルイーゼに思いを寄せていたヨーゼフ・ヨアヒム/澄輝さやととの親交、関係性の変化、あるいは変わらなかったものも想像したくなります。
皆さまはどんな作品のスピンオフやその後が見てみたいでしょうか。
もしよかったらお聞かせください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ランキングに参加しています。
ポチッとしていただたらうれしいです。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓