観劇の感想

安寿ミラ「FEMALE」〜好きなことだけを貫くと誰も歩いたことのない道ができる

おはようございます。ヴィスタリアです。

永遠の贔屓ヤンさん(安寿ミラ)FEMALE vol.15 安寿ミラ40th anniversaryを観てきました。

ヤンさんへの憧れと好きを再確認しヤンさんからの愛を受け取って、それがすべてで言葉なんていらない…

そんなすばらしい舞台でしたが、言葉にできないものをなんとかできるかぎり言葉にしたくて書きました。

セットリスト、衣装、トーク内容に盛大に触れていますので大阪でご覧になるまで知りたくない方はご注意ください。

トリプルメモリアルのFEMALE

今回のFEMALEは芸歴40周年、退団25年、そして15回目のトリプルメモリアルなものでした。

ヤンさんのライフワークFEMALEはこれまでご自身で演出・振付をされてきましたが
今回はオギーこと荻田浩一先生が演出に、
ゲストの三井聡先生が振付に入られました。

セルフプロデュースのFEMALEもいいですがこうして他者からの光が当てられるヤンさんを拝見できるのもうれしいことです。

ヤンさんいわく「自分ではこんなに踊らないというくらい踊らされて…オギタコーイチ(強めの圧)と思っています」とのこと。

ですがファンとしては「荻田先生、三井先生、ありがとうございます」と拝みたくなるくらい
ヤンさんのダンスをたくさん見ることができて幸せでした。

今回のFEMALEは怒涛のセットリストが詰め込まれた3部構成の90分で、
ヤンさんは舞台に出ておられないときはお着換えで一息つく間もないくらいだったのではないでしょうか。

第一部:Vivre dans la danse

第二部:Vivre pour parler

第三部:Vivre en chansons

踊って踊って、歌って歌って歌って……特に第三部のメドレーは怒涛の歌い継ぎで、
照明に浮かぶヤンさんが次の曲に向けて深く呼吸をするシルエットが見えました。

第一部はまず雨の降る街角に酷く傷ついた女が登場するところから始まりました。

男が傘を差しだし救いの手を伸ばしますが女はかたくなに拒み、
男が優しさと愛を包み溶かそうとしても女の心は凍ったままーーそんなストーリー性のあるダンスが展開します。

詩情があって、中でも数々の優雅なリフトに静かにのり柔らかく降り立つヤンさんがとても素敵でした。

振り数が多くてバリバリ踊るのではなく
一つひとつの振りをこれ以上無いほど優雅に、洗練された美しさで魅せてくれるんです…感嘆のため息をもらさずにいられません。

黒髪のボブスタイルに黒のノースリーブのドレスのヤンさんが素敵です。

鍛え抜かれたダンサーの背中と腕の細さとしなやかさ、美しさと厳しさといったら。

途中で水色のドレスに着替えてロングヘアをアップスタイルにされたヤンさんが
これまで演じてこられた魅力的な女性たちのナンバーを歌い踊ります。

「デュエット」

「リトル・ナイト・ミュージック」

「アルジャーノンに花束を」

「タイタニック」

「グランド・ホテル」

やはり「グランド・ホテル」が一番好きなので高まりました。

三井先生とのデュエットダンスにアレンジされていて、
まるでエリザヴェータの美しくて幸せな夢を見ているようでした。

ヤンさんが長いドレスの裾をつまんで翻すのが無垢な少女のようでかわいかったです。

最後にジェニーの伝説で黒いパンツスタイルでソフト帽で踊るのが最高にかっこいい!

ヤンさんのハットとスーツは世界一です。

瀬奈じゅん、森奈みはると花組同窓会

第二部はゲストを迎えてのソング&トークで、マチネはアサコさん(瀬奈じゅん)
ソワレは相手役の森奈みはるちゃんが登場されました。

◆マチネ ゲスト:瀬奈じゅん
みんな大好き「Apasionado!!」を歌って登場されたあさこさんは黒のパンツスタイルでした。

トークを挟んで披露されたデュエットは「闇が広がる」で、あさこさんトート✕ヤンさんルドルフというレアなヴァージョンでした。

あさこさんは一気にトートの役が宿って雰囲気が変わりました。
すごかった…。

ヤンさんは硬質で不安定なルドルフを思わせながらもコンサートの中で歌っている感じでした。

ヤンアサのトークはフリーダムな雰囲気で進みました。

瀬奈)ヤンさんが本名と年齢以外なら話してもいいと仰るので…
でも年齢の話しますけれど、私今年46なので私が6歳のときからやられているということですよね。

退団されてからもすみれコードを守ってくれるヤンさん、好きです。

安寿)40年なんてめでたくないわよ。来ればわかるから。

瀬奈)私、「ディーン」なんて何度観たか…当時は音楽学校生は名前を書けば見学できたので。
茜に燃ゆる君」はビデオを擦り切れるくらい見て。

でも一緒に仕事をするのに「好きです」とか「ファンでした」とか言うのは違う気がして言い出せなかった。

安寿)私はえなさんて名前を間違えていてそのたびに「瀬奈です」って言われて、また次になると「えなさん」って…。

BJが飛行機から降り立って迎える兵士の役をしていて「こちらです」とか毎回工夫していたのを覚えている。

瀬奈)今回荻田先生に「タモ(愛華みれ)やよーこ(華陽子)はヤンさんの前でガチガチに緊張しているのに、あさこは全然緊張しないね」と言われて、
でも学年が離れすぎていてミーハーみたいになっちゃうのかも。

安寿)わかる、私もそうだった。
安奈淳さんはやめてらして、寿ひずるさん…アンジュの寿♡

ヤマハホールのシャンソンのコンサートでゲストの寿ひずるさんを前に
下級生のミーハーっぷりを爆発させていたかわいいヤンさんを思い出しました。

そしてガチガチに緊張しているタモさんとヨーコちゃんが大阪でどんな舞台を見せてくれるのか楽しみです(カメラ入ってくれないかしら)。

瀬奈)「Cocktail」で初めて振付に入られたとき泣いちゃって…

安寿)稽古場で泣いてたねー。大変な公演だった。

大階段をおりるところでオサとアサコが何度も段数を間違えるんですよ。
この人たちが間違えると下級生が出てこられないから、私客席からマイクで言ったんです、「次間違えたらコロす」って。

そしたら2人の「きゃー!ころされたい~」が舞台裏から客席にまで聞こえて。

よく知られたこのエピソードがまさか大劇場の広大な空間で展開されていたとは。
初めて知りました。

瀬奈)退団後初めてのコンサート「Alive」でぜひヤンさんに振付をお願いしたいと入っていただいて。
で、皆様ご存知だと思うんですけれどヤンさんってもてるんですよ。

ダンサーの男の子たちが「ヤンさんかわいい」「ヤンさんかわいい」って…私のコンサートなんだけど!?

安寿)でもその中の一人と(結婚されて)…2回目のときは明らかにあれ、あの2人って感じだった。

ヤンさんがかわいくてモテるのはファンの総意です。

「トロワ・バイオレット」に続いて共演を観ることができてうれしかったです。

◆ソワレ ゲスト:森奈みはる
白✕黒のドレスでいつも夢見てた(スパルタカス)を歌われながら登場したみはるちゃん

そしてSabroso(ラ・ノーバ)の振りもセリフもそのままのあのデュエットをこの目で目撃し、
ヤンさんがかっこよすぎてどうにかなっちゃうかと思いました。

歌い終えた後、見つめ合ってつい吹き出してしまうヤンみは。
久しぶり(退団後初めて?)に歌われたそうです。

そしてメランコリック・ジゴロエル・アモール(哀しみのコルドバ)のデュエットをたっぷり聞かせてくれました。

どの曲でもうれしいけれどできればこの曲だったらうれしいなあと願っていた2曲だったので涙がでそうでした。

そこにダニエルが、フェリシアが、エリオが、エバがいました。

再演を重ねている作品でそれぞれによさがありますが私にとっての彼らはヤンみはなんです。

特に印象的だったのが「メランコリック・ジゴロ」のイントロが流れたときで、
セットにみはるちゃんが腰掛けてヤンさんを見つめると一気にフェリシアになったんです。

恋をしている目になって、そしたらそこにいるのはもうフェリシアとダニエルです。

ヤンさんは第3部で宝塚時代の懐かしい曲も歌われるのですが「今」のヤンさん歌っておられるのが
みはるちゃんと歌うと男役の顔、声になるのがもう…ああ、コンビってこういうことだなあとしみじみし、またときめきました。

そしてヤンみはのトークはソーシャルディスタンスは取りつつもトークは0距離で、あまりにフリーダムすぎておもしろさと空気感を文字では表現しきれません。

みはるちゃんも遠慮なしですがヤンさんも容赦ないどSっぷりと弄りっぷりで、
でもそれは裏を返せば他の誰にをも見せることもない甘さであり距離感のように思いました。

安寿)タモとダイエット大会してたんでしょ。
それがLINEに「ピザ食べちゃった」「明日からがんばろ!」とか書いていて。

森奈)私、今回コロナでコロコロ行きまして、ヤンさんにお会いする前は2ヶ月くらい前から必死でダイエットするんです。
ジムに行きまくるんですけれど今回それも怖くてできなくて、間に合わなかったんです(涙)。

ヤンさんはみはるちゃんを弄り倒し、みはるちゃんは仕込んできたネタをがんがんぶつけるトークにおなかが痛くなるまで笑いました。

安寿)話の落ちはちゃんとあるの?

森奈)ないです!でも話します!

トップコンビ時代の懐かしい話もありました。

森奈)「心の旅路」でアドリブがツボに入って笑いが止まらなくなっちゃって、ヤンさんも笑ってらして、舞台が中断したこと覚えてますか?

あと「メランコリック・ジゴロ」でトランクを持って銀橋を駆け抜けるところでヤンさんが脚が速くてついていくのが大変なんですよ。
ある日本当に無理!と思ったら銀橋から花道にスライディングして、暗転したと思ったら暗闇のなかでひょいって持ち上げてくれたのがヤンさんだったんです♡

終演後の様子などをみはるちゃんがブログにアップされています。

みはるちゃんはかわいくて美しくて、
可憐な女の子から大人の女性までたっぷり美声を聞かせてくれました。

ブログにあるようにソワレの客席は花組の同窓会のようで、お名前の挙がっている真矢ミキさん、
お写真の通り白城あやかさん、渚あきさん……ほかにも大勢のOGさんがいらしていました。

退団後はなかなかご一緒することのないヤンみきが同じ空間にいて、
自分もその空間にいて同じ空気を吸っているのが夢のようでした。

今でも信じられません。

しかもそのOGさんたちのお近くの席だったので開演前は「!!」とマスクの下で静かに興奮していました。

蘭寿とむさんも感想をアップされています↓

2人の天使(angeとl’ange)がまた共演される日を夢見ています。

好きなことを貫くと道になる

3部はシャンソンと宝塚メドレーです。

ヤンさんは白いドレスシャツ✕ベージュのパンツスタイルで髪の毛はダウンスタイルで登場されました。

Je veuxが粋で洒脱で聞き惚れました。

では片手にだけ黒い革手袋をはめているのが物言いたげな雰囲気を生み出していて素敵でした。

ヤンさんの指の表情、動きが強調されて、どこか幻想的な物語を紡いでいるようでした。

宝塚のメドレーではシャツからベージュのジャケットにお着替えされて、
それがあの「ハイパー・ステージ」のフィナーレのベージュのスーツへのオマージュのようで素敵でした。

しかもメドレーの選曲がまた最高なんです。

「ファンシー・タッチ」
「ラ・ノーバ」
「ベイ・シティ・ブルース」
「ハイパー・ステージ」
「ブラック・ジャック」
「メガ・ヴィジョン」
「LAST DANCE」

 
主題歌ではない曲がセレクトされているのも懐かしく、あの場面にこの場面が蘇りました。

最後の曲の前にファンへの愛がまっすぐな言葉で伝えられました。

どうやってこの感謝の気持を伝えようと思い、20年前に、20周年で作詞した曲を歌うことにしました。
あのときと気持ちは何一つ変わっていません。

これってすごいことではないでしょうか。

舞台の上のヤンさんも客席のファンも20年前と同じ気持ちでいられているということなのですから。

気づけば泣いていて、会場のあちこちからもすすり泣きが聞こえました。

ヤンさんは「40年なんて」とゲストトークでは謙遜してお話されていましたが
好きなことしかしてこなかったという40年はいろいろなことがおありだったでしょう。

好きなことだけを貫いてこられたからこそ
好きなことが一流の仕事になり、
出演された舞台作品にしても振付にしても同じようなキャリアの方はどこにもいません。

ヤンさんが好きなことを貫かれることは
誰も歩んだことのない道を切り開くことだったのでは、と思いました。

その道を信じて進んでいかれるヤンさんを
これからもファンとして愛し応援し続けられることが幸せです。

大阪公演の無事の開催を祈っています。

読んでいただきありがとうございました。
はげみになりますので応援していただたらうれしいです。
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