観劇の感想

花組「殉情」前楽の到達点と千秋楽のこと(帆純まひろ主演)

こんにちは、ヴィスタリアです。

バウホールで花組バウ・ワークショップ「殉情」(主演帆純まひろ)の前楽、千秋楽を観劇してきました。

ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想というよりは備忘録で、作品の内容に触れています。

花組「殉情」(帆純まひろ主演)前楽と千秋楽

99期のホッティー(帆純まひろ)主演の「殉情」の前楽、千秋楽を観劇してきました。

宝塚は気持ちのよい秋晴れでしたが、たった1週間前の初日よりも気温が下がり空気は乾燥して季節は確実に進んでいました。

そして舞台もまた進化と深化をしているのを客席で感じました。

「前楽って好き」といつかお話されていたのはみりおちゃん(明日海りお)だったでしょうか(違っていたらごめんなさい)

また自分自身が第一次ヅカファン時代に大好きだったリカさん(紫吹淳)の、
そして美弥るりかちゃんのご卒業公演の前楽を観劇できたことを思い出しました。

月組「夢現無双/クルンテープ!!」は今とは公演スケジュールが違って東京宝塚劇場の大千秋楽の日が2回公演でした(大楽はライブビューイングで見ました)。

千秋楽は映像に残りライブ配信もされるようになりましたが、前楽は(そして普通の公演は)映像に残りません。

同じ演目、同じ演者であっても同じ舞台は一度としてないから、ファンは何度だって劇場で目撃したくなるものでしょう。

そして千秋楽の舞台は「これが最後」という思いが強くて、特に退団される生徒さんがいたりトップスターの退団公演だとそちらへ意識が向いてしまうところがあるのですが、前楽は作品そのものに心をそそぎ意識を集中して観られるように思います。

まさに「殉情」の前楽がそうで、千秋楽もすばらしかったですが「これが最後。とうとう終わってしまうんだ」という思いが心のどこかにあったのと、とにかく殉情」の前楽がすごかったんです。

自分自身が初日付近に観劇してから日数が空いたことも影響しているのでしょうけれど、でもそれだけではない、この前楽にしかないものがたしかにあったと確信しています。

春琴/朝葉ことのは苛烈なくらい高慢で傲慢で凄みさえ感じるくらいで、でも春琴はこういう人物像なんだよね…とことのちゃんの演技に深く納得しましたし、
だからこそ自分の心を、想いを素直に表現することのできない悲しさ、ギャップが鮮やかでした。

飼っている鳥籠の中の鶯に「うちも自由にあちこち飛び回って、いろんなものを見てみたい…」と消え入るような声で、誰もいないところでようやく本心を吐露できる春琴は儚げで、ふだんはあんなに高慢なのにちゃんとかわいそうに見えるんです。

佐助/帆純まひろは2幕クライマックスの、自分自身の目を突くところからが迫真の演技で、白眼を剥いているリアルさには圧倒されましたし、それが濁っているようにさえ見えるような凄絶さがありました。

「たった今、佐助は盲になりました」と明るく言うホッティー(帆純まひろ)の佐助の晴れ晴れとした声からの、春琴に「心だけは見せてほしい」と訴える切実さと愛に、
ホッティーの芝居を通して佐助の魂をいま見ているという深い感動がありました。

佐助は光を失った目から滂沱の涙を流していました。

客席からもすすり泣きがあちこちから聞こえましたし、自分自身も涙があふれそうになりました。

「殉情」の、佐助と春琴の到達点をたしかに見たと深く心に刻まれた前楽でした。

帆純まひろ「殉情」千秋楽のご挨拶

スカイステージの番組などでもホッティーのトークが上手でコミュニケーション能力が高いのは知っていましたが、千秋楽のご挨拶もすばらしかったです。

ホッティーのトークもご挨拶も、お人柄が伝わってくるような優しさと知性とまっすぐさがあって、思わず頬が緩むようなユーモアと素直さがあるのに好感を抱いています。

あおい組長(美風舞良)に「もう一度呼ばせてください。佐助!」と呼びかけられて、元気よく「はい!」と答えていて、そこは「へぇ!」じゃないんだ…と微笑ましくなりました。

お芝居のなかで佐助はとにかくずっと「へえ」「へえ!」「へえ…」と返事をし続けていますからね。

ご挨拶の中で台詞にかけて

無事に公演ができますようにと、御霊様ごりょうさんに朝夕拝んでいましたところ、念願叶って完走できました。

と言っていたのは天晴でしたし、

次の一之瀬チームにバトンを渡し

とちゃんとバトンを差し出す仕草をしていたのがかわいかったです。

自分自身は佐助を演じるのに必死だったのですが中日にある先生から”みんなお客様に見ていただくことで成長させてもらっているんだね”と仰っていただいて

というエピソードも、

配信もありますが、劇場で見たいと思っていただける舞台をお届けできるよう精進していきたい。

といったお話は劇場で観劇することに最上の幸せを感じているものとして深く響きました。

カーテンコールは3回めからスタンディングオベーションでした。

みなさまお立ちいただいたので日本物バージョンの花組ポーズをしたいと思います。脚はあまり開かず、娘役さんは内股で。
私が「花組ー!」と言いますので、みなさんは「最高!」と言っては…いけません。

とうまいこと説明をしていました。

和やかな気持ちで聞いていたら、ホッティーの「花組ー!」の掛け声が最高にキメッキメの男役でかっこよくてまいりました。

今回の佐助で歌唱の向上もたしかにあったと思いますが、芝居の発声が男役らしい低めの声に一歩近づいたような気がします。

ご挨拶はうろ覚えなので週明けのタカラヅカニュースの放映で記憶を補完し、スカイステージでの放映を楽しみに待つことにします。

花組、最高!
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