考えたこと

明日海りお様の魅力〜完璧な舞台と2つのギャップ

こんにちは、ヴィスタリアです。

明後日、東京宝塚劇場で花組「A Fairy Tale-青い薔薇の精-/シャルム!」が初日を迎えます。

花組を5年半にわたって引っ張ってきたトップスターみりおちゃん(明日海りお)の卒業の公演です。

初日を前にあらためて明日海りおという稀有なトップスターになぜこんなにも魅せられるのかをヴィスタリアなりに書いてみました。

ヴィスタリアが観ているみりおちゃんの舞台はここ1~2年のもので、過去の作品は映像でしか見ていない上にスカステ難民で過去の舞台作品もチェックしきれていません。

そんなヴィスタリアですが1人のヅカファンとして書いてみます。

芝居・歌・ダンス 明日海りお様のすべてが完璧な舞台

みりおちゃん(明日海りお)の舞台を観るといつもなにもかもが完璧すぎてすごいと感嘆します。

演技・歌・ダンスと3拍子そろっていることはもちろんのこと、男役としての磨き抜かれた美しさからスター性からすべてが完璧とはこういうことを言うのではないかと思うのです。

3拍子そろっていますがヴィスタリアがもっとも心惹かれるのはみりおちゃんの繊細かつ緻密な演技です。

映像なのに「ハンナのお花屋さん」のクリスの「幸せになっていいんだよ」というあたたかいセリフには何度見ても心を動かされ泣いてしまいましたし、
「金色の砂漠」のギィは本当に命が燃え尽きてしまうのではないかと鬼気迫るものを感じました。

「ポーの一族」ではエドガーの孤独が痛いほど伝わってきて慟哭する姿がかわいそうでかわいそうで、胸を締め付けられました。

どの役もみりおちゃんによって生き生きと息づき、役が憑依しているのではないかと思うほどで、舞台の世界へと深く誘ってくれました。

または正確な音程と心がこもっていて響く歌声にうっとりと聞きほれます。

第一次ヅカファン時代に吉田優子先生とじゅりぴょん(樹里咲穂)がNHKだったかの番組に出演され、優子先生のピアノ演奏でじゅりぴょんが歌を披露したことがあったと記憶しているのですが、
優子先生が弾きはじめる前に「歌は音程です」とキッパリ!笑顔で断言されたのを覚えています。

みりおちゃんの正確な音程で劇場いっぱいに響く歌声に包まれているとこの優子先生の言葉を思い出します。

またみりおちゃんの歌はショーや「Delight Holiday」「恋スルARENA」などの怒涛のセットリストを歌い上げるコンサートでもすばらしいですが、特に芝居のなかで歌われる役の心がこめられた歌に感動します。

先日オンデマンドのマンスリープランで配信された2017年の「リクエスト!スター名場面」を視聴したのですが、
「ベルサイユのばら」のアンドレについて「譜面通りに歌っているだけでは全然ダメ」と言っていたのにいかに役の心を歌にのせているのかがわかるなあと思いました。

ダンスはこれぞ男役という黒燕尾、スーツで踊るときが特にかっこよくて貴くて拝みたくなるのですが(その2つが存分に堪能できる「Sante!!」が特に好きです)、
ゆきちゃん(仙名彩世)とのデュエットダンスは一瞬一瞬のそろった動き、みりゆきの生み出す空気が芸術品のようで大好きでした。

振り数が少なくてシンプルだった「CASANOVA」のデュエットダンスはシンプルだからこそ、みりゆきの技術の高さと作り出す愛と夢が存分に堪能できて舞台にひたれることの喜びを感じました。

そしてこれはダンスではなく体の動かし方になるのかもしれませんが、「あかねさす紫の花」のプロローグで馬に乗っているのを表現する動きさえ美しく、
駆ける馬のリズムが伝わってくるのがすごい!と舌を巻きました。

魅力的なギャップその1 少年性と大人の男

先日星組大千秋楽のさよならショー「人生はギャップでできている」という名言を放った紅子さんは紅子さんご自身とことちゃん(礼真琴)のギャップを語っていましたが、
みりおちゃんの魅力的なギャップが2つあるとヴィスタリアは思います。

1つめはみりおちゃんの持つ少年性あるいはフェアリー感と醸し出す大人の男(役)のギャップです。

もうすぐ東京宝塚劇場で初日を迎える卒業公演「A Fairy Tale-青い薔薇の精-」エリュという役が青い薔薇であるように、みりおちゃんの魅力の一つにフェアリー的な要素があると思います。

またそのフェアリー感に近いところで少年性もあって、「ポーの一族」エドガー・ポーツネルをライブビューイングでしたが見たときは佇まい、歩き方、立ち方からして幼い少年にしか見えなくて息をのみましたし、
ヴァンパネラになる前のオドオドした感じやシーラのキスシーンを見てしまうところは「ああ、萩尾望都先生の描く世界から美少年が抜け出てきたようだ」と驚嘆しました。

また「金色の砂漠」ギィは少年時代から運命に翻弄される一生を演じていますが、やはり少年時代は仕草や雰囲気が少年そのもの、エドガーとはまた違う雰囲気の少年を見せてくれる上に、
ギィは長じるにつれてギラギラの男っぽい男になり一作品のなかでギャップを味わうことができます。

みりおちゃんの大人の男(役)らしさはショーにも反映されていて、卒業公演のショー「シャルム!」も「BEAUTIFUL GARDEN」のプロローグは特にそれを感じます。

また場面に限らずみりおちゃんのメイク、男役の制服とも言うべき黒燕尾、スーツの着こなし、醸し出される雰囲気に「大人の男(役)」を感じるのです。

これはもしかしたら組のリーダー、トップスターとなってからの経験の長さも関係しているのかな…と思うこともあります。

魅力的なギャップその2 ふんわりしているが、舞台にも自分にも厳しい

みりおちゃんのインタビューなどを読んだりオンデマンドで配信されるトーク番組を見ていると舞台とご自身への厳しさを感じます。

最近ですと「宝塚GRAPH」のちなつさん(鳳月杏)との対談でもそういったことが語られていました。

宝塚GRAPH9月号〜明日海りおと鳳月杏の対談が貴いこんばんは、ヴィスタリアです。 定期購読している宝塚GRAPH9月号を読みました。 例によってヴィスタリアの独断と偏...

上級生になりスターになっていき「ダメ出しがされなくなる」中でどれほど自分に厳しく舞台に厳しくあり続けてきたのでしょう。

また自分だけでなく相手に求めるものの厳しさがあったことはゆきちゃん(仙名彩世)との対談で伝わってきました。

宝塚GPAPH4月号 美弥るりか様の表紙の衝撃と仙名彩世様のさよなら特集おはようございます。ヴィスタリアです。 定期購読している「宝塚GRAPH」4月号をいそいそと読みました。 毎月のこと...

そういった厳しさの一方で「嫌われたくない」という繊細さ、か弱さのようなものが見えるのがたまらないギャップだなと思います。
これがヴィスタリアの考えるみりおちゃんのギャップの2つ目です。

先日オンデマンドで配信されたJURIの音楽同好会を視聴したのですが、じゅりぴょん(樹里咲穂)に「おおらかだよね。真ん中に立つ人はふんわりしている方がいい」と話をふられると、みりおちゃんはこんなふうに答えたのです。

舞台のことになるとキリキリしちゃう。
それだと怖くなるので、普段はふわ~っとしている方がみんな話しかけてくださるかなと。
(中略)
なるべく(そういう)演出して、みんなに気に入られようとしている。好かれたい。

ふわ~っとした感じで語尾にハートマークがついているかのように「好かれたい♡」と言いながら、このトークでも「「(怒ったりするときも)あります」「(2回公演の間にダメ出しを伝えるために)早く喋るときもあります」といった、舞台への厳しさが垣間見えるお話がありました。

花組は何回か観に行けそうなので稀有なトップスターみりおちゃんの男役の集大成の舞台を大切に見たいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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