観劇の感想

「はいからさんが通る」大千秋楽を祝す〜宝塚初観劇の方とのmy楽と、11月14日のこと

おはようございます。ヴィスタリアです。

花組「はいからさんが通る」大千秋楽おめでとうございます

今日は花組「はいからさんが通る」が東京宝塚劇場で大千秋楽を迎えます。

桜の季節に宝塚大劇場で始まり初夏に迎えるはずだった大千秋楽は
公演中止を経て紅葉の季節になりました。

大劇場公演では1ヶ月近い休演期間があり胸が痛みましたが、東京では全日程を完走することができました。

花組さん、専科のじゅんこさん(英真なおき)、けいこさん(美穂圭子)、スタッフ・関係者のみなさま、
大千秋楽おめでとうございます!

気温も湿度も日に日に下がってきて体調管理に気を遣う季節に今日を迎えられたことにほっとしています。

そして昨日11月14日は元花組トップスターなつめさん(大浦みずき)の命日でもありました。

冥途歌劇団から見守ってくださっているのかな…と空を見上げました。

ヴィスタリアは映像でしかなつめさんを知らないのですが
特別なトップスターさん、男役さんだと感じています。

今年年初の花組「DANCE OLYMPIA」で花組100周年を祝して
ジタン・デ・ジタン
ジャンクション24
心の翼
が歌われました。

スカイステージではゆりかちゃん(真風涼帆)が「ジタン・デ・ジタン」を歌唱し、
星風まどかちゃんが「ジャンクション24」が大好きと語りました。

また黒燕尾をテーマにした番組でもさおた組長(高翔みず希)マイティー(水美舞斗)がなつめさんのことをたくさんお話されていました。

番組内で流れた真っ赤な裏地の黒燕尾、かっこよかった……本当に燕尾の神様のような方です。

ひとこちゃん(永久輝せあ)も尊敬する方のお名前になつめさんを挙げておいでです。

こうしてなつめさんのことを思い出す度に、
いまもファンと生徒さんの中に、そして宝塚の舞台になつめさんが息づいているのを感じます。

劇場天辺からオペラグラスなしで観劇した「はいからさんが通る」

今日の大千秋楽ライブ配信は所用で見ることができないのですが、
数日前に劇場でmy楽を観劇してきました。

この日は初めて宝塚歌劇をご覧になる方とご一緒しました。

昨夏のFNS歌謡祭で興味を持ちチケットを取ろうとしたものの、
完売していてチャンスがなかったとのこと。

今ならチケットは取りやすい上に
「はいからさんが通る」は原作の魅力的なキャラクターが息づくハッピーなラブロマンスで、
れいはな(柚香光・華優希)の圧倒的なビジュアルと生き生きとした演技は
初観劇でもわかりやすく楽しんでいただけるのではないかと実現しました。

SNSでも「はいからさんが通る」で初めて宝塚を観てれいちゃんに落ちた方を多数お見かけします。

この日は2階15列センター寄り、ほぼ劇場の天辺からの観劇でした。

B席(3,500円)のコスパのよさ、
カラー写真満載のプログラムが1,000円、
高画質の舞台写真が300円代から買えることにも
安い!お財布に優しいですね」と驚かれました。

たしかに破格の価格設定だと思います。

その先の沼は底なしなんですけどね……。

ヴィスタリアはオペラグラスをお貸し、オペラなしでの観劇となりました。

これまでは1階でオペラで集中して見ていたのでようやく全体を俯瞰して見ることができ、
劇場の天辺からオペラグラス一切なしで観ても宝塚歌劇は美しいし楽しめることを体感しました。

お顔の細かい表情を見ることは厳しいですが
表情が見えなくとも生徒さんたちのセリフはもとより、立ち居方、仕草に込められた表現は雄弁で強く訴えてきます。

特に伊集院忍少尉/柚香光の軍靴の鳴らし方、伸ばした背筋や敬礼、
長い手脚のダイナミックかつ鍛えている人の疾走、刀の使い方……
すべてが忍そのものでありかっこよくて美しかったです。

1幕最後の銀橋で忍少尉が崩れ落ちる姿なんて
傷を負って苦しんで身体を捩っているのにそれさえも美しくて、
いかに考え抜かれているのかと唸りました。

また本舞台の階段上の紅緒/華優希と対角線上にいる構図、照明・音楽をふくめて一つの完成された完璧な絵であることが一目でわかりました。

紅緒を生きているはなちゃんはもちろん、
原作から抜け出てきたようなキャラ立ちした花娘たちの身のこなしは絶品でした。
如月/鞠花ゆめ
女教師/更紗那知
ばあや/真鳳つぐみ
青江須磨子/春妃うらら

みなさま強烈に印象に残りました。ブラボー!

日増しにキャラクターに磨きのかかっていく伊集院伯爵/英真なおき伯爵夫人/美穂圭子は自然と笑いがおきます。

セリフはなくとも園遊会での環/音くり寿高屋敷要/永久輝せあのドラマ、
冗談社編集部での鬼島/水美舞斗のやりとりは微笑ましく、そのときどきで違うのも楽しいです。

浅草やシベリアの場面は後ろに注目するのも楽しかったです。

役名はなくとも伊集院伯爵邸のメイドやボーイたち、シベリアの日本兵たちのナンバー、動きの美しさといったら。

細かい角度など遠目で観たときの美しさにこだわり抜いていることがわかります。

約1年近くこの作品を稽古し上演することになった花組生の演技が深掘りされていくのを見ていると、
ふとした瞬間に月組の職人芸のような芝居を感じる瞬間があったように思います。

明日海りおと鳳月杏の残り香、組替えによりもたらされたものを感じました。

さらに舞台の奥行を際立たせる書割に照明、当て物に映し出される映像の美しさと臨場感も加わって
すべてが完成された総合芸術としての宝塚歌劇を楽しむことができました。

この日のフィナーレは大正バージョン、軍服でした。

引きの目線で全体を捉えると、
花男たちが一糸乱れぬ動きで華やかさと香気ある色気をこれでもかと放っているのにひれ伏しました。

振付のときにさおた組長(高翔みず希)が「最強軍団でいいんじゃない?」とアドバイスしたそうですが
本当に最強ですよ。最高!

またデュエットダンスでははなちゃんのお衣装のキラキラが
まるで幸せときらめきをふわ~っと包んだようにライトの中で輝いていることにも気づきました。

衣装は注目している加藤真美さん。
すてきなお仕事をされる方だとあらためて思いました。

初観劇のときめきを覚えているか

終演後に劇場前の遊歩道をゆっくりと歩きながら初観劇の方の
「楽しかった!すでにもう1回観たい」

「他の組も見てみたい。いろいろ見たい」

「主演の人が本っっっ当にかっこよかった。写真も買えばよかった」

という感想を聞いてとてもうれしくなりました。

千秋楽が迫っていたのでライブ配信があること、
他の組のチケットも今なら取らやすいことなどをお伝えしました。

あれやこれや話したり質問に答えている中で
いろいろ素敵と思っていたのに劇場から離れると(言葉が)消えていく…
と仰ったことにはっとしました。

自分は観劇するとこうしてああだこうだ言葉に留めようとしているけれど、
最初に観劇したときはそうだったはずなんですよね。

素敵だった、楽しかった、また見たい。
夢中で舞台を見つめて幕がおりるのを惜しんで、それが全てでした。

その方の言葉は宝塚歌劇に初めて触れたときの純粋なときめきを思い出させてくれましたし、
いまはときに書くために見ていないか?と問いかけられたようではっとしました。

いろいろな意味で貴重な観劇となりました。

あらためまして「はいからさんが通る」大千秋楽おめでとうございます。
花組サイコー!

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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