観劇の感想

花組「巡礼の年/Fashionable Empire」東京宝塚劇場千秋楽観劇の感想

こんばんは、ヴィスタリアです。

花組「巡礼の年/Fashionable Empire」東京宝塚劇場の千秋楽を幸運なことに観劇することができました。

ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想です。

花組「巡礼野年/Fashionable Empire」東京宝塚劇場大千秋楽の感想

チケットをかなり多めに取っていたのですが、公演中止が続いて今日の大千秋楽がmy初日となりました。

宝塚歌劇を観られるのはなんと1ヶ月半ぶりで、こんなに間が空いたのは緊急事態宣言ですべての舞台が止まっていた時以来です。

長かった…本当に長かった。
劇場に入れただけでうれしかったです。

れいちゃん(柚香光)の今日の大千秋楽のための特別な開演アナウンスには泣かずにいられませんでした。

そして真ん中から端から端まで非常に緊張感のある舞台で、今日の1回に懸ける思いの強さが伝わってきました。

巡礼の年」を劇場で観劇するのは宝塚大劇場の初日以来です(その間に円盤を繰り返し見ていましたが)。

史実と異なったりリストとマリーの関係をもう一歩描いてほしかったという思いはあれど、
リストの野心と承認欲求、リスト、ジョルジュ・サンド、ショパンの物語はとても好きだし、装置・音楽・衣装もいいし、
生田先生と花組が作り出した「巡礼の年」が自分はすごく好きだと楽しく観劇しました。

フランツ・リスト/柚香光ジョルジュ・サンド/永久輝せあの「野心」から始まりますが、
このお2人がはまり役で魅力的なんです。

リストが憧れ妬むショパン/水美舞斗が柔らかな目線で見守り諭すのも好きで、この3人の物語に惹かれます。

サンドの「私の王子様」、マリー/星風まどかの「姫とじいや」、
リストがなる「王様」など散りばめられたワードを探すのも楽しいです。

ショー「Fashionable Empire」は楽しすぎて一瞬でした。

役名ではなく芸名で舞台に立つ生徒さんたちの弾ける笑顔、はつらつとしたダンスに歌を見て
みなさんが元気に舞台に立たれ輝いていることが自分の楽しみであり幸せなんだとあらためて思いました。

芝居もショーもハードな演目で、長い公演中止期間があった中でコンディションを維持して舞台で最上のパフォーマンスを見せる――プロの舞台人として当たり前のことですが、
様々な努力やケアがあって特にメンタル面は大変なこともあったのでは…と思うと目から何か溢れそうでした。

真ん中も見たいし好きな生徒さん、注目している生徒さんも見たい、
ご卒業される飛龍つかさくんでぃでぃ(若草萌香)
音くり寿ちゃんえいちゃん(芹尚英)も見たい、拍手もしたいで忙しかったです。

B席からの観劇ということもあってつかさくんが金髪でうんと目立つので探しやすくて助かりました。
もちろん響く歌声にキレキレのダンスもすぐにわかります(ショーだけでなく「巡礼の年」のパリのサロンディスコで踊るつかさくんも大好きでした)。

特に「Moment」の場面は今日だけのアドリブがあったりれいちゃんと退団者とのセッションに大きな拍手をしたり、
いまのこの花組は今日限りなんだという思いと場面のメッセージ、舞台からのエネルギーが「今、この時を」という歌詞を重なって心を大きく動かされました。

この場面の中でつかさくんと同期のゆかちゃん(峰果とわ)が上手に捌ける際に花組ポーズを決めてゆかちゃんがつかさくんをお姫様だっこをしているのを目撃しました。

次の若手の「to the future」の場面は掛け声もりもりで楽しくて、客席も大いに盛り上がりました。

パレードではでぃでぃのエトワールが強い心を感じる渾身の美しい歌唱で心を揺さぶられ、
つかさくんくりすちゃんえいちゃんに大きな大きな、劇場いっぱいの拍手が贈られました。

自分もたくさんたくさん拍手しました。

特に98期のつかさくん、100期のくりすちゃんという、花組で活躍し舞台に欠かせないスターさんがいなくなってしまうことはトップコンビの交代に匹敵するくらい組の雰囲気が大きく変わることになるという思いがあります。

くりすちゃんは歌姫ですが芝居もすばらしくてダンスも上手で、こんなに実力の突出した娘役スターさんにはなかなか出会えないでしょう。

外の舞台で大きく、さらなる活躍をするところが見たいなあと夢見てみます。

花組トップスター柚香光の挨拶に思う

ご卒業される4名のご挨拶はそれぞれの言葉がきらめいていて、いろいろなことがあった中でいま、悔いなく幸せに卒業できるという思いが伝わってきて胸がいっぱいになりました。

その明るい言葉と笑顔にどれだけ救われるか。

控えめな言葉で思いを伝えてくれたくりすちゃん
爽やかで晴れやかな語り口で新しい世界への一歩を語ったでぃでぃ
そして宝塚への、男役への一片の悔いもない思いを伝えてくれたつかさくんの笑顔の眩しさといったら。

宝塚に入ってくれてよかった、、男役飛龍つかさに出会えてよかった――そう思っている人がここにいるしたくさんたくさんいるんですよ、と伝えたくなりました。

トップスターのれいちゃん(柚香光)のご挨拶はゆっくりと、言葉が紡がれるまでに間があって、その言葉を待つ劇場中の空気が変わるのを実感しました。

れいちゃんが公演中止期間中にキャトルレーヴで買い物をして劇場を呆然と見上げるファン、当日の公演中止で涙するファンについて触れたときに、
いつかの自分を思い遣りいたわってもらえたような気がして思わず泣いてしまいました。

一方で公演中止への申し訳なさやタカラジェンヌとして目指すところなどの言葉の重みには聞いていて胸がきゅっとする部分もあって、
ヅカファンとして「取った手」を離したりなんてしないし「後悔」もしない(「Fashionable Empire」の歌詞より)、どんなどきだってずっと応援していますよ…!という思いで聞いていました。

「花組はこの思いを忘れない」という言葉がありましたが、自分はこんな思いをもう二度と生徒さんにしてほしくない、しないでいい世界になってほしいという思いで聞いていました。

OGの鞠花ゆめさんがツイートしていましたが、本当にこの通りで、すばらしい大千秋楽が今日できたのですから。

れいちゃんは何度も感謝の思いを口にし、「次にお会いするときまでお元気で」と言っていましたが、どうか生徒さんがみなさん元気でお稽古ができて舞台に立てますように。

先に書きましたが生徒さんが元気に舞台に立たれ輝いているところを見るのがヅカファンの自分の幸せなんです。

宝塚歌劇が、いまの花組が好きになれてよかった…ということをあらためて感じた観劇でした。

読んでいただきありがとうございました。
押して応援していただたらうれしいです。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ