観劇の感想

初観劇のお誘い〜宝塚歌劇の場合、歌舞伎の場合

おはようございます。ヴィスタリアです。

今日は(主に)宝塚歌劇の話じゃなくてすみません。

初めての一人歌舞伎座で「京人形」を見てきた

先日永遠の贔屓ヤンさん(安寿ミラ)のお茶会に行く前に
思い立って歌舞伎座に行ってきました。

人生で2回目の歌舞伎座はいまの建物になってからは初めてで、
つまりはそのくらい歌舞伎のことは知らないということです。

1回目は大学生のときに「弁天娘女男白浪」(白波五人男のこと)を観たのでした。

趣味的に受けていた演劇専攻の授業の関係でチケットが降ってきたかして、
歌舞伎をちょいちょい見ている母と行ったんだと思います。

古い歌舞伎座は薄暗くて、階段が急で、そしてロビーや階段のあちこちに絵が飾られていて
劇場というより美術館みたいと思ったのを覚えています。

有名な話なのでなんとなくわかっていたのと、母の解説ととイヤホンガイドの助けを借りて楽しく観劇しました。

それから幾星霜。
今回見たのは銘作左小刀 京人形京人形(めいさくひだりこがたな きょうにんぎょう)という短い、
そしてわかりやすい舞踊劇でした。

TBSラジオで伊集院光氏(深夜の方)が「おもしろかった」と話しているのを聞いて
「これは見てみたい!」と調べたところ、
チケットは売っているし3階席は3,000円とお財布に優しいし、
ちょうどお茶会の前に時間もあるし…と急遽観劇が決まりました。

チケットの買い方は映画と同じで、
公式サイトでユーザー登録→希望の席を購入→当日劇場の機械で発券
という流れでした。

京人形」は上演時間約40分の短い中に2つの筋が展開します。

伊集院光氏の説明とたとえが巧みなのですが到底再現できませんので
入場すると貰える筋書きや恋する歌舞伎 Ozmall を参考にあらすじをご紹介させてください。

京人形のあらすじ

(1)日光東照宮の眠り猫の作者として知られる彫物師の左甚五郎(ひだりじんごろう)/中村芝翫は女房がいる身でありながら
廓見物で見初めた小車太夫(おぐるまだゆう)が忘れられず、ひどい恋煩いに陥っていた。

思いを断ち切ろうと魂を込めて太夫に瓜二つの人形/中村七之助を彫り上げ、
人形を眺めて女房のおとく/市川門之助に廓の中居役をさせては
お大尽気分で酒宴と洒落こんでいる。

おとくは物分かりのいいできた女房で仲居になりきって甚五郎のために酒肴を用意する。

ふと甚五郎が一人で飲んでいると、いつの間にか人形が箱から出てきている。
おとくのイタズラかと思ったがどうやら本当に人形が動いているようだ。

甚五郎は驚きながらも自身が精魂込めて彫り上げたから魂が入ったのだと得心して気分良く踊るものの、
甚五郎の魂が乗り移っているからか人形の立ち居振る舞いは男そのもので興ざめである。

そこで甚五郎が以前廓で拾った小車太夫の鏡を人形の懐に入れてみると、
太夫の心が宿ったのか人形はしなやかに舞い始める。

連れだって踊るうちに鏡を人形から取り上げると、やはり男の仕草に戻ってしまうのであった。

(2)そこへおとくが慌てた様子で現れて告げる。
「甚五郎が仕えていた殿様の妹井筒姫を娘おみつ/坂東新吾として匿っていることが
姫にご執心の松永大膳に知られてしまった」と。

大膳の家来栗山大蔵(中村松江)が姫を捕えに来るというので
甚五郎は大蔵を隣家で待たせている間に姫を逃がそうと画策する。

そこへ井筒姫に仕える奴の照平(中村福之助)が駆け付け、敵と思い込んで甚五郎の右腕を斬りつけてしまう。
奥より現れた井筒姫より事の次第を聞いた照平は甚五郎に詫び、姫とともに逃れていく。

いよいよ大勢の大工が乗り込んで甚五郎に挑みかかるのを甚五郎は左腕一本で大工道具を巧みに用いて応戦するのであった。

こちらで中村七之助さんのインタビューと美しい京人形姿のお写真が見られます。

わかりやすいですし、ほっこりするような踊りで、歌舞伎初心者の方にも面白い演目だと思います。

最後に立廻りもありますし、さまざまなジャンルの人物像も見られて、華やかな作品です。

とのことですが、正にその通りで初心者中の初心者のヴィスタリアでも楽しめました。

もちろん詳しく知っている方が楽しめるのでしょうけれど、
入場すると貰える無料の筋書き(プログラム)と正面入り口外で借りられるイヤホンガイド(500円)が助けてくれました。

イヤホンガイドの支払いは各種電子マネー対応だったのが便利でした。

これは片耳のみのイヤホンを耳にはめ、
幕前や上演中の要所要所で解説が流れるというものです。

あとはなんとなーくで見ましたが、セリフはまあわかります。

笑えるところはわかって笑いましたし(「あ、ここで笑うんだ」と思ったところもありましたが)
初心者の素人でもシンプルにすごい!おもしろい!と感じることができました。

なんといっても京人形役の七之助さんが本当に人形だったことに驚愕しました。

美しさが人形めいているのはもちろんのこと、
最初は木箱に収められているのですが微動だにせず瞬きさえしないだけでなく居方そのもので人形なのがわかるんです。

箱から出て動き出すと首~背中の強張り方で木彫りなのがわかるんです。

そして踊りだすと甚五郎の魂が宿った男の舞と
太夫の魂を宿した女性の舞の変わり身がすごかったです。

そしてストーリーが展開してからの大工道具を使っての立ち回りは
迫力とコミカルさの両方を楽しむことができました。

やっつけられる役者さんたちはバンバン背中を打ち付けたりしているけれど痛くないんでしょうか…なんて思ったり。

きっと痛くならない技を体得しているんでしょうね。

ところで出演されている役者さんを公式サイト調べていたら、
家系図が出てくるのが新鮮でした。

そしてサイト内をうろうろしていると「来月も何か観てみたいなあ」という気になっていきます。

来月も4本立て(という言い方でいいのかわかりませんが)で演目が4つあってどれがいいんだろう…というところで手が止まりました。

こういうとき伊集院氏のラジオではありませんが
「これがおもしろかったよ」とアシストしてくれる情報があると助かります。

New Normalの歌舞伎座

宝塚歌劇では10月から座席の収容人数制限をなくしていますが、歌舞伎座は1席明けての販売でした。

席には赤い太い幅の布(シートベルトを倍くらいにした幅)がかけられて、座面を下せないようになっていました。

人数が少ないからか幕間がないからか非常に静かでした。

1幕ごとに長い休憩時間挟んで入替えることで換気・清掃などを行い、キャストも幕ごとに完全に変わる方式で上演していました。

こういう方法もあるんだ…ととても新鮮に感じました。

先日劇団四季「アラジン」でキャストが感染した際に全キャストを入替えた上で公演を再開した方法にも
「他の劇団では不可能な方法だなあ」と驚いたのを思い出しました(毎日新聞10月17日

また幕が上がると(上がるんじゃなくて”引く”が正しいでしょうか)
感染症の流行が収まるよう祈りをこめた特別な演奏もありました。

生演奏が聞けるのはいいですね。
宝塚歌劇でも早く生演奏の舞台が戻ってきてほしいを願わずにいられません。

もうすぐ宝塚大劇場で宙組「アナスタシア」が始まりますが
ミュージカルが録音演奏というのは寂しいものです。

ところで一番最初に驚いたのが場内に入ると天井一面がライトのパネルで、
幕が開いてもその客電が落ち切らないことです。

けっこう明るいまま舞台が一層明るくてふしぎな感じでした。

もしも初観劇の方を宝塚歌劇に誘うとしたら

今回は一人であまり知らない劇場であまり知らないジャンルの舞台を観ましたが
もしも宝塚歌劇を初観劇する方をお誘いするとしたら…とふと考えました。

・オペラグラス(有無を確認しなかったら自分のを消毒して貸す)

・プログラム(美麗な写真を見せつつ簡単にストーリーを簡単に紹介)

・幕間に公演デザートを楽しむ

・終演後にキャトルレーヴ(気になった生徒さんがいるようならグッズを紹介)

といった感じでしょうか。

なにより自分の燃え盛る宝塚への愛と熱量が発露しすぎないよう気をつけて、
楽しんでいただけるようにそっと隣にいられたらいいな…と思います。

出会うべきタイミングで出会えば自然とファンになったり「また見たい」と思うでしょうから。

さらに興味を持ってくれるようでしたら円盤を貸したり次の観劇に誘います。

どの組のどの演目でお誘いするかも悩むところです。

外部のミュージカルもご覧になる方なら、せっかくなら外部ではやらないオリジナル2本立てや宝塚でしか上演していないミュージカル作品を選ぶかもしれません。

今であれば花組「はいからさんが通る」
月組「WELCOME TO TAKARAZUKA/ピガール狂騒曲」でしょうか。

日本物、特に和物のショーは宝塚歌劇ならではのものですし。

舞台をあまり観ない方なら宙組「アナスタシア」星組「ロミオとジュリエット」
のミュージカルが入りやすいでしょうか。

雪組「fff/シルクロード」だいきほ(望海風斗・真彩希帆)の退団でどれだけのチケット難になるかにもよります。)

ま、あれこれ想定したところでこれはご一緒する方がどんなものが好きか、
他のジャンルの舞台を観るかどうか、タイミングにもよるかもしれません。

そんなことも考えた(ほぼ)初めての歌舞伎観劇でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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