観劇の感想

宙組「カジノ・ロワイヤル」観劇の感想

こんばんは、ヴィスタリアです。

東京宝塚劇場で宙組カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~」を観劇しました。

ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想で作品の内容に触れています。

東京宝塚劇場に帰ってきたもの、変化したもの

新型コロナウィルスの5類移行に伴い、この5月9日から劇場はいろいろなものが変わっていました。

改札に消毒液は設置されていましたが体温測定の機械はなくなっていました。

また友の会カード、QRコードを読み取る機械が置いてあって差し込む形だったと思いますが、
係の方が機械を手に持ってスキャンする形になっていました。

2階に上がれば今日オープンしたカフェ・ド・ルポに多くの方々が並び、スタンドテーブルが設置され思い思いに憩っている方々でにぎわっていました。

公演デザートも帰ってきましね。おかえりなさい!

期待を裏切らず「」とダジャレで3年の時を経ても変わらないでいてくれることがうれしいです。

客席でマスクをしていない方もおられましたし、
トイレのジェットタオルまで解禁されて、一気に変わったことに驚きました。

そしてこの宙組「カジノ・ロワイヤル」から
東京宝塚劇場の平日夜公演が18:30から18:00開演に繰り上がりました。

初めての18:00開演の夜公演を、友の会が厚い友情を示してくれて
4列目下手ブロックのセンター寄りという前方席で観劇することになったのでした。

宙組「カジノ・ロワイヤル」観劇の感想

大劇場公演を観劇された方やヅカ友さんの感想をちらちらと見てなんとなく覚悟はしていたのですが……小池先生、どうしちゃったんでしょう。

誰もが知る有名映画の宝塚歌劇化ということで再演を重ねた「オーシャンズ11」や、
「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」のようなロマンチックでドラマチックで味わい深いものになるであろうことを期待していたのですが…あれ?

007ってこんなに笑うところのある作品だったかしら…とイアン・フレミングの小説は未読ではあるものの、
ダニエル・クレイグ主演の映画が大好きなもので首を捻ること度々でした。

もしかしたら舞台上の生徒さんたちも、どうしてこのシーンで笑いが起こるのかふしぎに思っているかもしれないと、なんとなく感じる瞬間もありました(東京での公演が始まったばかりだからかもしれません)

途中からこれはコメディというか退団するトップコンビのゆりかの(真風涼帆・潤花)を、
宙組発足時からの最後の宙組生であるすっしぃさん(寿つかさ)を、
退団される生徒さんたちを明るく晴れやかに送り出す作品なのだと思う気持ちが芽生えてきました。

ゆりかさん(真風涼帆)がトップスターになってから小池先生の作品は「オーシャンズ11」「NEVER SAY GOODBYE」に続く3作目で、
特に「NEVER SAY GOODBYE」は集大成のようでもあり、
同じことをもう小池先生はしたくない、あるいはできないと、こうした退団公演になったのかもしれないとも思ったりしました。

ゆりかさんの退団会見を思い返すと作品数は途中で増えたというか劇団と相談されていたようですし、
初舞台公演の「NEVER SAY GOODBYE」の再演で退団というのは作品の内容的にもあり得たのかもしれない…ともふと頭をよぎりもしました。

「アナスタシア」
「神々の土地」
「エリザベート」
「オーシャンズ11」
「シャーロック・ホームズ」などところどころに散りばめられたパロディとオマージュは、
過去の作品を知っているヅカファンとしては楽しかったり「ちょっとやりすぎでは」と思ったりしつつ、まあ楽しみました。

しかし宝塚歌劇を数回しか観劇したことのない友人に「宝塚で007をやるなら観てみたい。映画好きだから」と相談されてチケットを探したりしたのですが、
果たして友人が観劇したらどんな感想を抱いたのか気になりました。

(友人は「桜嵐記/Dream Chaser」と「柳生忍法帖/モアー・ダンディズム!」を観劇済。特に演劇ファン、ミュージカルファンではありません)

ラスプーチンを見てもまさか「神々の土地」のオマージュとかわからないでしょうし、
「エリザベート」の台詞もわからないでしょう。

映しだされた美しいマリア皇太后と下衆くてチャラい(褒めています)ゲオルギーを演じるすっしぃさん(寿つかさ)が同じ役者だと気づいて楽しめたでしょうか。

結局友人は日程が合わなくて観劇は見送ることになったのですが、鳴り物入りの演目の場合、
この演目だからこそ見たい宝塚歌劇を知らない人もいるということは印象に残りました。

もし友人が観劇したらどんな感想を抱いたのか、宝塚歌劇を楽しめたのか聞いてみたかったです。

とはいえ退団されるゆりかのすっしぃさんへ拍手できる場面、台詞があって熱いものがこみあげてきました。

またプロローグとフィナーレは最高にかっこよかったですし、明るさと楽しさの中に別れの寂しさと惜別がそっと寄り添っている優しさがときに沁みる3時間でした。

プロローグはジェームズ・ボンド演じるゆりかさんはじめスーツ・スーツ・スーツの男役総踊りがかっっっこよすぎて呼吸困難になりそうでした。

特にキキちゃん(芹香斗亜)こってぃ(鷹翔千空)
あまりにかっこよくて目が釘付けになってしまいました。

芝居が始まってからも
ル・シッフル/芹香斗亜イリヤ/鷹翔千空
のお2人を目を追いかけがちで、4列目でもときどきオペラも使っていたことをここに告白します。

そしてフィナーレではこの公演で退団されるるりこちゃん(紫藤りゅう)の明るく華やかな笑顔に胸がいっぱいになりました。

最後のお役がジェームズ・ボンドと対等にやり取りできるCIAのフェリックス・ライターという大切な役であることもうれしかったですし、かっこよかった!

また総踊りですっしぃさんのソロパートがあって、
芝居の退場シーンの名台詞に続いて拍手ができるのもうれしくて、どうしたって涙がこみあげてしまいます。

ゆりかののデュエットダンスの、振り数が抑えられた分2人の美しさ、空気感に幸せな気持ちになり、
本舞台で1人で踊るゆりかさんを「これが男役真風涼帆を劇場で観る最後なんだ」と胸に焼き付けました。

1回限りの観劇でしたが、ヅカファンに復帰した直後にお披露目本公演「天は紅い河のほとり/シトラスの風」を観劇したゆりかさんの退団公演を観ることができてよかったです。

別箱は観劇できないときもありましたが本公演はすべて観劇できて、その度に多くの喜びと幸せをいただきました。

私、通勤中は大抵「NEVER SAY GOODBYE」か「HiGH&LOW」を聞いていることをここに告白します。

いまの宙組の集大成の「カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~」、大千秋楽は配信で見守りたいと思います。

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