観劇の感想

宝塚歌劇の美学が目指すもの(宙組「Délicieux!」観劇の感想)

こんばんは、ヴィスタリアです。

宙組「シャーロック・ホームズ/Délicieux!」を観劇してきました。

シャーロック・ホームズに続いてショー「Délicieux!」のヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想です。
なお作品の内容に触れています。

宝塚歌劇の美学の方向性 野口先生のショーに思う

のっけからごめんなさい、とお断りしておきますが公演が発表になったときから一抹の不安を感じていました。

それは野口先生の美学に自分はついていけるだろうか…というものでした。

これまでの作品を見て野口先生の追求している美学と自分が宝塚歌劇に求めているものは乖離しているといいますか、
趣味が合わないと自覚していました。

シルクハットにケーン、白燕尾などは好きで楽しく見ているのですが、歌詞が妙に恥ずかしかったりJ-POPの選曲であったりアイドル的な場面はついていけなくて…(お好きな方ごめんなさい)。

しかし今回は選曲が超王道のシャンソンとクラシックで歌詞も聞いていて気恥ずかしくならずにすみ、次々と変わる場面を楽しく見ました。

ただ物議を醸したというフォレ・ノワールの場面は自分が宝塚歌劇に求めている美学とは異なるというのが正直なところで、
際どい場面は過去の作品でも目にしてきたはずのに、アンダーグラウンドで猥雑な世界観があまりにも強すぎるのでは?と感じました(お好きな方ごめんなさい)。

大劇場では振付の変更があったそうですが負担のかかることですし、そういうことのないようよく考えて場面を作ってほしかったという気持ちもあります。

こういう世界観であれば「インフィニティ」(2012年雪組バウホール)のリリー・マルレーンのような
退廃的な妖しさと色気がありつつ美しいものが自分は好みですし宝塚歌劇で観たいものです。

フォレ・ノワールはるいくん(留依蒔世)の歌唱が圧巻で耳福でした。

いろんな先生がいらっしゃっていろいろな作品が生まれる宝塚歌劇で、新作の幅の広さ、懐の深さは新作主義の宝塚歌劇のいいところだと思います。

そして上田久美子先生の「FLYING SAPA」を見たときもそうでしたが、自分のなかには「宝塚歌劇ではこうあってほしい」というものが思っていた以上にあることに公演を見ると気づきます。

宙組「Délicieux!」感想

美しいお菓子の宝石箱のように次々と場面が展開していきました。

それを彩り一層鮮やかなものにしているのが加藤真美先生のお衣装だと思いました。

お衣装がいいなあと思うと有村淳先生か加藤真美先生であることが多いのですが、
加藤真美先生の最近のお仕事のなかで一番好き!というくらい好きでしたし、この作品の世界観を力強く支える重要な要素ではないでしょうか。

◆プロローグ 第1章Délicieux!-甘美なる巴里-
かのちゃん(潤花)のお衣装の仕掛けにびっくり!しました。

プロローグから大階段があって、階段降りもあって、カンカンは圧巻でした。

月組「ピガール狂騒曲」のカンカンも毎度圧倒され興奮しましたが宙組のこの大人数のカンカンもすごい迫力で楽しく、またこのクリーム色✕菫色のお衣装がたまらなくかわいいです。

かのちゃんのダンスもすごいしららじゅり(遥羽らら・天彩峰里)もかわいいし、
そらくん(和希そら)きよちゃん(優希しおん)のダンスもすっごいし、目がいくつあっても足りません。

またこの公演でご卒業されるえびちゃん(綾瀬あきな)が男役さんを引き連れて踊るシーンがあったのも、芝居でははなむけとしては物足りなかったのでうれしかったです。

◆第2章 王妃のお茶会
コミカルかつゴージャスで楽しい場面でした。

キキちゃん(芹香斗亜)のマリー・アン斗亜ネット様がゴージャスな迫力のある美人で、ダルマの美脚に目が釘付けになりました。

そしてゆりかさん(真風涼帆)のフェルゼン様がかっこいい…!

コスチュームものの星組と呼ばれていた時代があったな…と、星組で育ちいま宙組を率い輝いておられるまかキキにこのゴージャスさがよく似合っていて、ふと懐かしく思い出しました。

もえこちゃん(瑠風輝)こってぃ(鷹翔千空)の双子のような、眼鏡✕紫色のコスチュームもたまらなかったです。
ちょっとふしぎな雰囲気もあって、倒錯的な気配もにじんでいるように感じ、とても魅力的でした。

そしてコミカルな役どころでもるりこちゃん(紫藤りゅう)の美貌は眩しいです。

◆第4章 フルーツ・タルト変奏曲
中詰は着回しなのかな?と思いますが黒✕ゴールドの衣装がシックで大人っぽくて雰囲気ががらりと変わりました。

ゆりかさんの羽根にターバンのラテンのお衣装がこれでトップスターで素敵でしたし、
かのちゃんのダルマは華やかさが一層増して好きだなと思いました。

かのちゃんが銀橋を渡って捌けるときに投げキスを連発しているのかわいかった…。

◆第5章 キャンディ・ケーン
ららちゃんがかわいくてかわいくて、そして流れるように美しくキレもあるダンスを見ることができます。

衣装が違うとかそういうことではなく、オペラグラスなしで遠目に見ても纏う雰囲気がこれぞ宝塚の娘役という美しさで発光しているのがわかり、寂しくなるな…と思いました。

キキちゃんと組んでいるのもうれしいです。

やはりこの公演でご卒業されるりおさん(星月梨旺)のタップダンスの見せ場もすばらしかったです。大きな拍手が贈られました。

◆第6章 パティスリー交響曲
大抵は中詰の後の組子総出演の、そしてなぜか宗教的なものや祈りを感じさせる場面になりますが、今回は総出演ではありませんでした。

次の第7章 マカロン協奏曲のロケットのセット転換もあって幕前のシーンでこういう形になったのかと思いますが、
ゆりかさんの歌をしっかり聞けて退団される方々の踊る場面がきちんとあって、こういう形がもっとあってもいいと思いました。

宝塚のショーは最近かなり形式が定まっているのでもっと自由になってもいいのでは…とかねてから思っているんです。

退団者7名にちなんでお衣装の色も7色で歌詞も虹にちなんでいて沁みました。

ロケットはずんそら(桜木みなと・和希そら)の歌から始まり見納めができるのもうれしく、マカロンをイメージしたお衣装がとてもかわいかったです。

◆フィナーレ 第8-10章 Délicieux!-甘美なる巴里-
王道な選曲が心地よいフィナーレでした。

フィナーレの始まりの「パリ野郎」や階段降りを見て、そらくんの雪組への組替えもありますから
気の早い話ですが次の宙組本公演はこのようになるのかな…と思いました。

真風涼帆
 ↓
芹香斗亜
 ↓
桜木みなと
 ↓
瑠風輝
 ↓
紫藤りゅう

前回の「アナスタシア」が1本物でパレードの歌手が非常に少なかったこともあって逆に今回強く意識しました。

娘役に囲まれるキキちゃんがノーブルでかっこよかったです。うっとり。

「パリの散歩道」で黒燕尾の男役さんたちが三々五々集まって大階段でフォーメーションを整えていくのがかっこよくて、羽山紀代美先生の振付のすばらしさにシビれました。

男役同士で組んで踊りますが、ダンスうま同士のそらくんるいくんがバチバチ踊っていたり、
ずんちゃんるりこちゃんの美✕美が組んでいたり、目がいくつあっても足りません。
何度でも見たい!

デュエットダンスはキキちゃんが歌ってゆりかさんかのちゃんと3人で踊り、新たな宙組がぐっと大人っぽくなったのを感じました。

芝居「シャーロック・ホームズ」同様次の観劇が待ち遠しいです。

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