観劇の感想

宙組「異人たちのルネサンス」は芝居もショーも充実している

こんばんは、ヴィスタリアです。


「白鷺の城」に続いて「異人たちのにルネサンス」の感想です。

西洋美術とキリスト教の知識がほしいと思った

レオナルド・ダ・ヴィンチ、ロレンツォ・メディチ、そしてパッツィ家の陰謀という歴史上の人物と事件が描かれた作品です。

「白鷺の城」以上に、西洋美術やキリスト教といった予備知識があったほうが作品の背景が多層的に理解できて楽しめるのかもしれません。

ヴィスタリアはそういう予備知識はほとんどなかったので目の前に展開する舞台を素直に楽しみました。

短い中で登場人物に感情移入したりハラハラしたり、ドキドキできたりさらりと楽しく観劇できる作品のように思いました。

この時代の美しいドレスやカーニバルなども華やかでしたり、フィナーレも盛り上がりました。
芝居も楽しめてフィナーレは最高で、1度で2度美味しい作品だと思いました。

レオナルド・ダヴィンチ/真風涼帆

ゆりかちゃん、なんというかっこよさでしょう。
金髪ウェーブのヘアスタイル、濃い青の衣裳が特にお似合いだと思いました。

レオナルドは気持ちのいい青年で、友人がたくさんいて優しくて、愛した女性には一本気で、しかも剣も達者で勇敢でもあります。

芸術家としても男としても自分の芯は曲げない、熱いハートをもったいい男です。
そんなレオナルドを演じるゆりかちゃん、かっこよかったです。

アトリエでのカテリーナとのシーンはどきどきしちゃいました。

フィナーレで娘役さんたちと次々と踊るゆりかちゃん、男役総踊りとの対決(?)で苦しんで頭を抱えて苦悩する姿もかっこよくて、それがまどかちゃんとのデュエットでは王子様になって、黒と白のゆりかちゃんを見てキャー!!でした。

黒と白どちらのゆりかちゃんもすてきでした。

カテリーナ/星風まどか

ヴィスタリアは今回、星風まどかちゃんを見直した(と言ったら偉そうで語弊がありますね)、イメージが変わりました。

前回の「天は紅い河のほとり/シトラスの風」を観劇したのとメディア(宝塚GRAPHやレビュー本)のかわいらしい様子から、まどかちゃんにはまだ大人の女性や陰のある役は似合わないのではないか?と思っていたのです。

しかし今回のカテリーナの演技を見て、まどかちゃんの演技力ならたとえ似合わない役どころでも魅せてくれると確信しました。

似合う似合わないでいったら、今回のカテリーナ、「オーシャンズ11」のテスよりも次回博多座「黒い瞳」のかわいらしいマーシャが一番まどかちゃんのイメージに似合うと思います。

しかしカテリーナの抑圧された罪の意識と心を殺した演技は目を見張るものがありました。
まどかちゃんの技量の広さ、深さを見た気がします。

最初に「アンジェラ…」とロレンツォとレオナルドが対面している部屋に入ってきたときの人形のような、心がどこかにいってしまったような危うさ。

ジュリアーノの婚約披露でトルコのダンサーたちに囲まれて踊るときの、美しいドレスを着ていながら捕らわれの身であり奴隷のように感じているであろう苦悩が伝わってきました。

ロレンツォの正妻クラリーチェに対して感じているいたたまれなさ、怯えも伝わってきました。

歌もダンスもよかったです。
まどかちゃんのカテリーナ、もう一度観たいと思いました。

ロレンツォ・デ・メディチ/芹香斗亜

キキちゃんのロレンツォ、これほど美しい暴君が他にいるでしょうか。

男として頂点をきわめつつあるがゆえ傲慢で野心にあふれ、色好みで、世界の富と権力は全て思いのままにしている男です。
優しくはない男です。

しかしこの美しい暴君のキキちゃんがかっこよすぎて、ときめかずにはいられませんでした。

そしてキキちゃんは歌の表情が豊かだという印象を持ちました。
ていねいで緩急があって、表現の幅が広くて、これからもっともっと広がっていくでしょうから楽しみです。

フィナーレのかっこよさは触れるまでもありません。
ロレンツォ様の無造作に見えて凝ったロングヘアもすてきでしたが(後ろでくるっと結んであってかわいい)、黒っぽい髪でウェーブで踊りまくるキキちゃん、最高にかっこよかったです。

総踊りの手を腰の前あたりでくるくるってする振付がクセになります。
映像でじっくり見たいです。

グイド司教/愛月ひかる

愛ちゃんのグイド司教は存在感の重厚さが光っていると思いました。
舞台の雰囲気が一気に変わる存在感がありました。

この物語はカテリーナという一人の女性をめぐって動いていきますが、カテリーナを育てたのは愛ちゃんのグイド司教なわけです。
またパッツィと陰謀を企んでいたり、グイド司教こそこの物語を動かしているのだなと思います。

グイドはいったい幼いカテリーナにどんなことを教え、どんなふうに育ててきたのか考えずにはいられませんでした。

愛ちゃんの演技にはそういう含みを感じさせる余白があるとヴィスタリアは思いました。

そしてフィナーレの総踊りで愛ちゃんがさらっさらの髪を重めにおろしていたのですが、これがとってもお似合いでかわいくもありかっこよかったです。

いつもできるヘアスタイルではないのかもしれませんけれど、さらさらヘアをちょっと触ったりする仕草もきまっていました。

愛ちゃんが次は専科として各組や宙組に出演されるのを応援しています。

ジュリアーノ・デ・メディチ/桜木みなと

ずんちゃん、美しかったです。
金髪のロングヘアがそれこそ天使のようでした。

額の形がきれいですね(変なところに注目してすみません)。

聖職者になりたいと思いながらも兄の愛人カテリーナに思いを寄せ、欲望も抱いているという複雑な役にリアリティがあったと思いました。

クラリーチェ/純矢ちとせ

せーこさん自身がまるでこの時代の絵から抜け出てきたような美しさでした。
衣裳がよく似合っていて着こなしや髪型などよく研究されているんだろうなあと思いました。

ジュリア―ノと渡り合うところで「心はまだあったようね」といったセリフがとても印象に残りました。

クラリーチェはあまりしゃべらないし静かでおとなしい妻の佇まいでありながら、目や表情はあまりにも雄弁でした。

せりふのないときでも表情や体の向き、視線の先などといった演技に存在感があり、気がつくとクラリーチェをオペラで追っていることがありました。

いまクラリーチェはどんな顔をしているのか、ロレンツォのことをどんな顔で見ているのか、カテリーナことをどう思っているのか。
たとえマスクで顔を隠していても心の動きが伝わってくるような演技がすばらしかったです。

ペルジーノ/澄輝さやと

一緒に観劇した母サラ(ライトなヅカファン)の宙組でのお目当てはせーこさんとあっきーさんです。

スカステ「ときめきの原点」で我らが永遠の贔屓ヤンさん(安寿ミラ)について語っているのを見たときから「宙組はこの2人!」と決めているそうです。
(ヴィスタリアもこれを聞いてからますますせーこさん、あっきーさんは気になる存在になりました。)

たしかにお2人が舞台にいると母のオペラがすーっと上がっていました。

観終わった後、母サラは「澄輝さやとさん、赤っぽい髪にしているのね。かっこよかったわあ」と目をハートにしていました。

あっきーさん、美しかったです。
スタイルもよくて目立ちます。

サライ/天彩峰里

「白鷺の城」の八重よりもサライの方がより強く印象に残りました。

細かいところまで上手だなあと思いました。

特にグイド司教とバッツィたちに寝返るところで、ポケットに手をつっこんでぷらぷらと歩いているときの歩き方、仕草が上手で目を引かれました。

瑠風輝くんが光っていた

工房の画家たちが歌っているとき、背が高くて歌のよい男役さんが目にとまりました。

そしてフィナーレで男役さん3人が銀橋が渡っていくときもやはり、背が高くてきれいで歌のうまい男役さんに目が吸い寄せられました。

もえこちゃん(瑠風輝)、覚えました。
新人公演で主演されるのですね。

次に観劇するときも注目したいです。

そんなことも知らないで見ているの?と思われるかもしれませんが、宙組(そして雪組も)は観劇回数が少なくスカステ難民でもあってまだまだ勉強中なのです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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