観劇の感想

「蘭陵王」悪いのは美しいことではなく…(KAAT観劇の感想)

こんばんは、ヴィスタリアです。

凪七瑠海様主演の「蘭陵王」を観劇しました。

宙組「白鷺の城/異人たちのルネサンス」観劇の感想をアップしたばかりですが、最近仕事やら宝塚以外の趣味が忙しくてブログ更新できる時間が限られてきたので更新できるときにします。

このブログにアップしているすべての記事はヴィスタリアの独断と偏見、偏愛に満ちた感想です。

今回作品についてあれこれと疑問に感じることがありました。
「こういう感じ方をする人が書いているのね」と、一つの感想として受け止めていただければと思います。

「蘭陵王」凪七瑠海様はじめ各キャストの完成度が高くて引き込まれた

「蘭陵王」を見ることができて本当によかった、ヴィスタリアはそう思っています。

主演のカチャさん(凪七瑠海)、おとくりちゃん(音くり寿)の芝居、歌がすばらしかったです。

アキラさん(瀬戸かずや)も圧巻で、劇場中の空気が変わりました。

語り部の京三紗さんの芸の深さがなかったら、この舞台にこれほど深く誘われたでしょうか。

フィナーレで全員が舞台に並んだとき、 たったこれだけの少ない人数でこの完成度が高く熱気にあふれた舞台を作り上げていたなんてと感嘆しました。

幕間に「明日以降のチケットを販売しています」というアナウンスがありました。

「もう一度見たい」と思いましたが、ヴィスタリア自身の時間が取れないため1回限りの観劇となりました(涙)。

どれだけ心を動かされたのか、よい舞台だったのかはキャストごとの感想で書きたいと思います。

悪いのは美しいことではなく…脚本が気になる

キャストごとの感想の前に、どうしても気になるキムシン先生の脚本について触れさせてください。
(脚本についてなので役名と生徒さんのお名前を敬称略で書いています。)

作品のテーマはよかったです。
「与えられたと思っていたけれど奪われていた」という痛切な語り部/京三紗の語り、洛妃/音くり寿の叫びに思わず涙がこぼれそうになりました。

同じような境遇で育ち、傷つきながら必死で生き抜いてきた蘭陵王/凪七瑠海と洛妃/音くり寿が心を通わせ共に生きることを選ぶ、心洗われる話です。

しかしそれをどうして「人が嫌がることはしてはいけない」って説法、いえお説教じみたところに繋げたのでしょう。

語り部の京三紗さんが「はばかりながら申し上げます」と舞台に一人で残ってこれを語った場面、ヴィスタリアは蛇足だと感じました。
一瞬夢が覚めました。

もう一つ気になったことは高緯(こうい)/瀬戸かずや、逍遥君/帆純まひろのキャラクターの描き方です。

2人は同性の恋人同士ですが、2人とも女性の言葉にする必要はあったんでしょうか。
高緯は美しいものを愛し求めるという性格から必要があるとキムシン先生が考えたとしても、2人をそう描くことはバイアスがかかりすぎているように思いました。

バイアスとは、同性愛の男性のイメージが固定しすぎていて古いままアップデートされていないという意味です。

多様性が叫ばれ同性婚が認められていくなかで、こういった描き方、ましてや笑いをとることはできなくなるーー現実とそぐなわいから成立しなくなるのではないでしょうか。

高緯/瀬戸かずやが笑いだけに走っておらず、また2幕で真意を見せる場面があったことにはほっとしました。

さらにもう一つ、気になったことがあります。
娘役さんを大切にしてください。

そもそも役が少ないですし、ヒロインの洛妃/音くり寿はなかなか出てきません。

なにより広寧王の妻/花野じゅりあがもったいなさすぎます。

語り部/京三紗がいるのにじゅりあさんもストーリーテラーにしてしまうのですか。

お2人が一緒に語るとものすごい迫力でした。
しかしなぜ語り部が2人語る事態になってしまったんでしょう。

じゅりあさんの役どころは本当にここしかなかったのか、ヴィスタリアは疑問に感じました。

美しい舞台装置と音楽と熱演で盛り上がる

KAATで観劇したのは初めてでしたが大きな劇場なのですね。

広い舞台に蘭陵王の世界観を表す布(幕?)が垂らされています。
この布に場面によっていろいろな色の照明が当てられ、様々な場面転換や人物の心象をを効果的に表現していました。

装置の転換はほとんどなく、幕前の時間もなく、セリも盆もありません。
それでもまったく退屈せず、冗長にも感じませんでした。

それは布が凝った模様で照明もよく考えられていたのと、東儀秀樹氏の音楽がよかったのはもちろんのこと、カチャさんはじめ出演者全員の好演があったからに他ならないと思います。

出演者についての感想は次の記事で書きたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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