観劇の感想

月組「応天の門/Deep Sea」作品の感想

こんばんは、ヴィスタリアです。

東京宝塚劇場で月組応天の門/Deep Sea」を観劇しました。

ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想です。

月組「応天の門/Deep Sea」作品の感想

最初にお断りしておきますがれいこうみ(月城かなと/海乃美月)はじめ出演されている生徒さんはすばらしかったのですが、作品についてはやや辛めの感想かもしれません。

自分の周囲のヅカ友さんは贔屓組に関わらず楽しんでおられる方が多かったのですが、中にはこういう感じ方をする者もいるということで書きますね(お好きな方ごめんなさい)。

応天の門」も「Deep Sea」も既視感がとてつもなく大きいというのが正直な印象でした。

新作なのに「なんだか知っている」と感じたのです。

ただこれには思い当たる節があって、
田渕先生の花組「アウグストゥス-尊厳ある者-」を、
稲葉先生の花組「Fashionable Empire」を、
劇場であったり円盤であったり自分が見過ぎているのが原因かもしれません。

田渕先生の「応天の門」は原作の漫画をとても楽しく読んだのですが、原作のストーリーがしっかりとしていて世界観が確立されているものの、
「アウグストゥス-尊厳ある者-」と演出や役といった作品の型が似通っていて新鮮さや斬新さ、驚きを自分はあまり受け取ることができませんでした。

原作があるので偶然の一致なのかはわかりませんが「アウグストゥス」似通った点が非常に多かったです↓

■トップコンビの恋愛要素が薄い(「応天の門」はまったくなし、「アウグストゥス」はうっすらあり?)

■恋愛ドラマは2番手スターと娘役スターが担う(「アウグストゥス」はカチャさん(凪七瑠海)の女役でした)

■男役は貴族で同じ衣装を着ている(「アウグストゥス」はほとんど全員一緒でしたが、「応天の門」は色が違って見分けがつきやすかったです)

■暗い中でうごめく鬼のナンバー(「アウグストゥス」は神々)

■祝祭の場面で不穏なことが起こる

■群衆ソング

それらを田渕先生の世界観として楽しむには、自分には音楽の使い方、場面転換などが物足りなかったというのが正直な感想です。

また暗転→音楽での場面転換が多用されているせいか1時間35分がなんだか長く感じられて、
宝塚の専用劇場の舞台機構を活かしきれていないような気がしました。

音楽に関して言えば場面転換の多用が気になるのと同時に、セリフがやりとりされる中で音楽やコーラスが流れているところとなぜか突然無音になる場面があるからか間延びして感じられました。

ただ花組「アウグストゥス-尊厳ある者-」よりも台詞、見せ場のある役が多かったこと、
退団される生徒さんに見せ場があったことはよかったです。

また稲葉先生のショー「Deep Sea」は、深海をテーマにしたラテンショーという発想は新鮮で月組の久しぶりのラテンショーはとても楽しかったですしセットも綺麗でした。

しかしどこかで見たような場面と衣装、振付が多いことが気になりました。

ショー担当の演出家の先生の登板が増えているのでマンネリに陥らないことは大変なことだとは思いますが、
雪組「Fire Fever!」
花組「Fashionable Empire」と「DANCE OLYMPIA」
と印象が重なる場面が多かったです。

音楽が似ていたり、衣装の着回しであったり、
かつ選曲✕振付✕衣装の組合せのパターンがあまりに決まりすぎているような気がしました。

レビューでストーリー的な場面であればそれもありだと思いますが(実際に岡田先生のロマンチックレビューシリーズは近年再演を繰り返していますし)、
ショーだとストーリー的な流れ、要素よりスターさんの今しかない魅力に目がいくので
見せ方の画一化は気になる、新しい風を入れてほしい…というのが正直な思いです。

著作権をクリアできる選曲、予算(衣装の新調など)、衣装や振付の先生との関わりなど諸々の問題をクリアした上で、
2本立ての上演が増えて公演を担当するスパンが短くなるなかで新作を発表し続ける大変さは察するに余りあります。

稲葉先生はキキさー(芹香斗亜・春乃さくら)のプレお披露目公演「Xcalibur エクスカリバー」を担当することが、
田渕先生はすでに宙組キキさーのお披露目本公演「パガド ~世紀の奇術師 カリオストロ~」を担当することが発表になっています。

先日星組トップスターことちゃん(礼真琴)の休養が発表になって驚いたのと同時に過密なハードスケジュールに改めて思いを致さずにいられませんでした。

同時に劇団の公演スケジュールの過密さは生徒さんにとっても先生方にとってもハードなのではないかと思いました。

以上、作品の感想でした。
役についての感想は別記事で書けたらいいなと思っています。

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