おはようございます。
引き続き海外遠征中のヴィスタリアです。
※この記事は予約投稿です。コメントの返信、訂正等は帰国してからさせていただきます。
前回に続いてグランドホテルのキャストごとの感想をお届けします。
目次
ラファエラ/暁千星
ラファエラは難役です。
断髪にチャイナ服といういでたちもそうですし、エリザヴェッタとの関係をどう表現するか、これは演出もからむ問題ですが…。
エリザヴェッタへの恋情を出すかどいうかという大きな問題があります。
今回の宝塚版はあまり出していないようですが、出さないと役づくりがより難しくなるようにヴィスタリアは思うのです。
たとえばラファエラがチャイナ服の部屋着でタバコ片手に歌っているところで。
ハッチさんが「不満を抱くものは眠れぬ夜をすごす」というようなことを言っていますが、ラファエラの抱えているものとは何なのかがわかりにくくなるからです。
そのなかでありちゃんは熱演していたと思います。
ただ女装で声を作っているからかもしれませんが、ときどき滑舌が気になりました。
フラムシェン/海乃美月
うみちゃんのことは好きです。
しかしフラムシェンのこの役作りに関してはヴィスタリアはアプローチが違うのではないかと思いました。
うみちゃんのフラムシェンはちょっと軽率でぽわ~んとしたところのあるお馬鹿な女の子に見えます。
しかしフラムシェンはぽわ~んとした夢みる女の子ではなく、プライジングを利用しようとするしたたかさがある女のようにヴィスタリアは思うのです。
「ハリウッドに行きたい」「映画スターになりたい」「この生活から抜け出したい」という野心がもう少し出ていたほうが、あの悲劇が際立つのではないでしょうか。
それにしてもプライジングとのシーンで、裸足で踊ったり服を脱いでシュミーズ姿になるのはかわいそうすぎて見ていて辛いです。
運転手/宇月颯
登場からしてかっこよすぎます。
革手袋をはめる仕草、咥え煙草、しっかり描かれた揉み上げ、野卑でワイルドで悪くて、なんてかっこいいんでしょう。
もしこれを劇場で生で観ていたらヴィスタリアはとしさんの大ファンになってどっぷりハマっていたと思います。
クセのあるセリフまわしもいい味を出しています。
「金持ちの未亡人を見つけなさいよ」
「ネックレスを盗じゃなさいよ」
とても表記できないとしさんの出しているニュアンス。いいアクセントになっています。
そして男爵に銃を突きつけて「お持ちになるほうがいい」と言うところ。舞台がぐっと引き締まります。
悲劇が終わり日常に戻ったグランドホテルをうろついているのがなんとも不吉さを感じさせます。
この運転手はまた誰かになにかをそそのかしたり、銃をわたすのではないかと想像してしまうのです。
ところで一人称が「あっし」ですが「 俺」「オレ」でよかったんじゃないでしょうか。
ヘルマン・プライジング/華形ひかる
タカラジェンヌでやる役としては限界に近い悪役だと思います。
肉布団をいれすぎてお顔の小ささが目立ちます。
その他のキャスト
一言ずつですが、舞台をつくりあげ支えているすばらしい演技なので触れさせてください。
オッテルンシュラーグ/夏美よう
この手の役はお手のもののハッチさん。さすがの存在感です。
ローナ(支配人)/輝月ゆうま
身のこなし、仕草、立ち姿、完璧な支配人です。足音でボーイを促したりオットーの追い払う手の動きなど見入ってしまいます。
サンダー/綾月せり
訛りが上手でいい味出してます。やりすぎていないのも好印象です。
ウィット/光月るう
優しさ、上品さがあふれていて大好きです。
マダムピーピー/夏月都
体の動かし方、お尻の振り方、足を投げ出した座り方、作りこまれていますね。舞台に厚みがでます。
役代わりキャストについても触れたいところですが映像が短いこともあり、それだけで判断したり書くのが難しいです。
ただありちゃん(暁千星)とあーさ(朝美絢)の役代わりは、Blu-ray収録のヴァージョンの方がはまっているように思いました。