こんばんは、ヴィスタリアです。
楽しい話を書きたいな…というわけで
先日月組「WELCOME TO TAKARAZUKA/ピガール狂騒曲」」をSS席どセンターという神席で観劇してきた感想です。
視線の先がまさに舞台の、銀橋のセンターで、何度生徒さんと目が合ったかわかりません。
そんな幸せな観劇の、独断と偏見と偏愛に満ちた感想で作品の内容に触れています。
「WELCOME TO TAKARAZUKA」至近距離の美を堪能する
感想の前に、大好きな美弥るりかちゃんが月組さんをご観劇だつたようです。
強火の月担えすとえむ先生↓
美弥さん観劇で過去作アドリブ連発なの月組最高に愛してる…!!!!
BADDYネタとグラホネタ…!— えすとえむ@『いいね!光源氏くん』連載再始動 (@estem_info) December 2, 2020
アドリブで触れられていたそうです↓
まゆぽんの劇場入口アドリブが「邪魔よどいて♪」だったし、墓地のからんちゃんが「祝杯だ!こんな別嬪と!グラスをあげよう♪」だったし今日は美弥ちゃん来てたのかな
— にし (@orchid_214) December 2, 2020
ご観劇されたみなさまのレポを読んで幸せな気持ちになりました。
さて。
「WELCOME TO TAKARAZUKA」は2階後方でも全体の美を楽しめますが近くから見るのもいいものです。
細部までよーーーく見えるので銀橋を渡る生徒さんたちと微笑みを交わしあっているような幸せが錯覚がありました。
my初日ではれいこちゃん(月城かなと)とちなつさん(鳳月杏)のシャベ化粧の美しいと思いましたが、
今回はじっくり見てゆりちゃん(紫門ゆり)やからんちゃん(千海華蘭)の美しさにもはっとしました。
下級生は「もうちょっと練習しよう…」と思う方もいましたが、これが初めての和物作品という方もおられるでしょう。
また美園さくらちゃんはプロローグではおちょぼ口が特徴的な
和物の美人の表情を作っていました。
娘役さんで「わあ、かわいい」と思ったら結愛かれんちゃんでした。
シャベ化粧のお顔を近くから拝見するとライトの加減でお顔の形、陰影がはっきり見えることを知りました。
たま様(珠城りょう)もれいこちゃん(月城かなと)もずいぶんお痩せになっていました(悲)。
何かと大変なことの多い冬の公演でかつ長丁場ですのでどうか千秋楽まで心身ともにお元気で…と祈っています。
WTTも「ピガール狂騒曲」のフィナーレも芸名のたま様が舞台におられると愛を舞台から届けてくれていることがまっすぐ伝わってきて
劇場全体が愛で包まれているような安心感と多幸感がありました。
これはすごく不思議な感覚で、たま様に劇場ごと「大丈夫ですよ…」と包み込まれて
疲弊した心がほどけるような感じでした。
たま様の男役としての、そして舞台の、組の芯たるトップスターの包容力を理屈抜きを感じた瞬間であったように思います。
男役としての色気も匂い立つようで、特にフィナーレはたま様から目が離せないくらいめちゃくちゃかっこいいです。
男役の盛りを迎えようとしているのに次で退団だなんて、たま様があのときトップスターになられたこそ見られた数々の作品(「グランド・ホテル」や「BADDY」「エリザベート」)に感動した一方で
男役としての旬を思うとあと1~2年後の就任でも…というifが胸に浮かびました。
雪の巻のミエコ先生(松本悠里)は近くで拝見しても可憐でかわいらしく、
恋をしていたときの少女に戻っているのがわかります。
立ち姿、ちょっとした仕草、すべてがすばらしいですが、
鳥居をくぐって恋人を見つけたときぱっと華やいで少女に変化するのがわかるのは圧倒されました。
また入れ替わり登場するからんちゃん、ぐっさん(春海ゆう)、まおまお(蘭尚樹)がちゃんと幻なのがわかるのもすばらしかったです。
月の巻は全体はそりゃあ2階から見た方が楽しめますが、近くで生徒さんの張り詰めて静謐さをたたえた表情を固唾をのむように見るのもいいものです。
そして近くで見るとなんだか儀式か月をたたえる祝祭のような神秘的なものを感じました。
扇を持つちなつさんの手や腕の角度の完璧な美しさ、伏せた視線の艶やかさに目が吸い寄せられます。
これは「ピガール狂騒曲」の黒燕尾も同様です。
花の巻は着物の引き抜きがどのようになっているかがけっこう見えて興味深かったです。
この場面のストーリーがすごくおもしろくて楽しい気持ちになるので好きなのですが、植田新爾先生の解説によるとれいこちゃんは女性から男性へと変貌しているんですね。
“花の巻”は宝塚らしさを表現する場面です。宝塚の花、といえば男役の存在が挙げられます。
僕は60年以上宝塚歌劇団にいますが、女性である彼女たちが男役として“男性”になりきる瞬間はいつなのだろうかと常に興味を持っていまして(笑)。
これまで、天津乙女や春日野八千代など、たくさんの男役に質問してきましたが、ある人は「舞台化粧の眉を描いている時」と言い、ある人は「衣装の帯を締めてもらった時」、またある人は「舞台に出る瞬間」と言いました。そんな、我々には決して知りえない“男役の秘密”に迫ってみたいなと思い、その神秘性を、鏡を使って表現します。
女性が鏡を見ながらお化粧をしていると、そこに映っていた影が突然踊り出し、“男性”へと変貌する…そんな幻想的な場面を、月城かなとを中心に表現してもらいます。
個人的にこの秋は鏡が重要な小道具になっている歌舞伎「京人形」を観たこともあって興味深かったです。
そして女性と男性の変貌は「ピガール狂騒曲」にもつながり、その偶然も味わい深いです。
れいこちゃんは越天楽といい花の巻の冒頭といい
この作品のなかで舞台にお1人になれる場面があり、ミエコ先生以外ではれいこちゃんだけです。
「ピガール狂騒曲」でつぶさに描かれるシャルルの心情の変化を繊細かつ緻密に見せていることもあってシャルルの物語という印象があり
ショーも芝居もれいこちゃんの存在感を強く感じました。
頼もしいです。
「ピガール狂騒曲」を神席で楽しむ
楽しい音楽のプロローグは月組生の見事なストップモーションも見どころの一つです。
微動だにしない、まるで絵の中に入り込んでしまったかのようで息をのみます。
動き出すと下手花道でガブリエル/美園さくら、ウィリー/鳳月杏の取材~別れ話が進みます。
取材中のさくらちゃんが表情豊かで思っていることが全部お顔に出ているのが上手いです。
この作品はガブリエルの心情の変化が描かれる場面や歌が非常に少なく、もう少し丁寧に描いてほしいところなのですが、
さくらちゃんが出番の中で丁寧に表現しています。
ですが、せめてガブリエルが最後になぜヴィクトールを選べたのかだけは描いてほしかったという恨みは残ります。
「十二夜」から設定を変えて、ガブリエルという文才と美貌を兼ね備え、恋も舞台もエネルギー値が高くておもしろいキャラクターにしたのですからもう一歩詰めてくれたら……。
もったいなく感じています。
一方で内面を丁寧に表現する場面も歌もあるシャルル/月城かなとは繊細かつ緻密で引き込まれます。
夢をおいかけるのも、深く落ち込んでさまよう揺らぐのもよかったです。
コミカルな要素もふんだんにあり、初日から1週間がたったころで舞台の上も客席もアドリブに馴染んできているのを感じました。
この日もシャルル/月城かなとのお願いロングトーンはかなりの長さでした。
(お願いし終えて一息ついたシャルル)プロになってきたな。
(ジャック)プロってなんですか。記録のためですか。
ぷんすかしているジャック(ジャンヌ)/珠城りょうがかわいかったです。
この後ジャンヌの無理難題とも言えるお願いを聞き入れ、振付師のミシェル/光月るうが「無理〜」と泣きつくのを
シャルルが「お前プロだろう!」と一喝して捌けていきました。
もちろん客席は大喜びで拍手していました。
ジャック/珠城りょうは女性であることを隠すために男装しているはずですが、自分の心は隠せなくてだだ洩れです。
稽古中のガブリエル/美園さくらに声をかけるシャルルを目の当たりにして
嫉妬と女性であることを告げられない悲しみが抑えきれないのがわかります。
初日前に「私がリードしてみせます」と言うのも
シャルルの夢の一世一代のラ・ヴィ・パリジェンヌを成功させたいという思いだけでなく嫉妬もあるでしょう。
いじらしいジャンヌのたま様がかわいいです。
フィナーレ 馥郁たる香りに酔いしれる
フィナーレは甘~い、そして大人っぽい香水のいい匂いがしました。
ありちゃん(暁千星)が風車の歌をしっとりと歌いながら銀橋をわたるとき、
センターでキメキメに決めるのではなく「うん、わかっていますよ」というような感じで
視線を置くようにしていったのがたまりませんでした。
ノスタルジックな歌の歌唱もたっぷり聞かせてくれますし、かっこいいし色気が滴っていて、
マスクの下で声にならない悲鳴を上げていました。
今回何度か観劇したのすが毎回ありちゃんが出ているとありちゃんばかり見てしまい、
自分で思っていた以上にありちゃんが好きということに気づきました。
一方センターでキメキメだったのがロケットのおだちん(風間柚乃)です。
何度目が合ったかわかりません。
そしておだちん→れんこん(蓮つかさ)→うーちゃん(英かおと)のウィンク三連発にはやられました。
特にれんこんがまぶしいくらいの美人でその後はロックオン気味に見てしまいました。
以上、SS席での幸せな観劇の感想でした。
友の会さん、また友情を見せてくださいね。頼みますよ〜。
読んでいただきありがとうございました。
応援していただたらうれしいです。
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