先日、月組3分割の れいこちゃん(月城かなと)主演「THE LAST PARTY」が日本青年館で千秋楽を迎えました。
ヴィスタリアはチケットが取れないままでした(涙)。
3分割のもう1つ、ちゃぴちゃん(愛希れいか)のバウ「愛聖女(サントダムール)」のライヴビューイングも都合がつかず断念しました。
いつか映像で見られるのを大人しく待つのみです。
一方で「雨に唄えば」は2回観に行き、ライヴビューイングまで行くという偏重ぶりです。
たまたまこの公演日程が行きやすかったというのもありますが、ヴィスタリアは「カンパニー/BADDY」でたまるり(珠城りょう・美弥るりか)にすっかりハマってしまったのです。
まさか男役コンビに心を奪われる日がこようとは思ってもいませんでした。
ヴィスタリアのヅカファン歴のなかで男役コンビで売り出されていたり人気があったと思うのは、ヤンミキ(安寿ミラ・真矢ミキ)、オサアサ(春野寿美礼・瀬奈じゅん)です。
タモマミ(愛華みれ・真琴つばさ)というのもありました。
月組時代のマミリカ(真琴つばさ・紫吹淳)も男役コンビの一面があったかと思います。
ヴィスタリアの永遠の贔屓はヤンさんですし当時の花組が大好きですが、ヤンミキのコンビに特別血が騒ぐということはなかったです。
なのに、どうしてか たまるりにたまらなく惹かれてしまうのかをヴィスタリアなりに考えてみました。
ここから先はヴィスタリアの偏愛があふれかえっております。
それが証拠にここからはお2人がふだん呼び合っているお名前(りょうちゃん・るりさん)で書いてまいります。
それでも大丈夫という方、どうぞお付き合いいただければと存じます。
ヴィスタリアの考えた末の結論はこちらです。
1.持ち味が全然違うからそれぞれの魅力が引き立つ 2.学年差があるのにスターシステムでは逆の関係 3.相手への深い信頼・尊敬、そして自負があるから、新しい魅力が生まれる
1.持ち味が全然違うからそれぞれの魅力が引き立つ
りょうちゃんは大型の男役でダイナミックで、男っぽさのなかに清廉な色気がある男役。
るりさんは華奢で小柄な男役で、妖しくて匂い立つ色気のある、中性的な男役。
これがヴィスタリアの考えるお2人のイメージです。
タイプが全然違うお2人が並ぶから、お互いの持ち味が引き立ってより魅力的に見えるのだとヴィスタリアは思います。
これは他の男役コンビもそうです。
・ヤンミキ
ヤンさんは見かけは陰があるのに中身は陽性(意外とコメディエンヌ)、ミキさんは見かけは明るいのに実はナイーヴで陰があります。
・タモマミ
タモさんは正統派で周囲がぱっと明るくなる華があり、マミさんは個性的で闇夜で皓々と輝く月の光のようなオーラがあります
・オサアサ
オサさんはノーブルで端正、あさこちゃんはオレ様アサコと言われるオラオラ感。
雰囲気や立ち姿が似ている似たもの同士はコンビではなくニコイチで終わってしまう、まったく違うのになぜか2人が組むとより輝いて見えるのがコンビと言われる所以だと思います。
2.学年差があるのにスターシステムでは逆の関係
りょうちゃん(94期/2008年入団)とるりさん(89期/2003年入団)は5学年も離れています。
5学年も違ったら相当な上級生・下級生の関係があると思いますが、スターシステムでは逆でりょうちゃんがトップスターでるりさんが2番手を務めています。
ヤンミキ、マミリカ、オサアサは1学年差で、学年順通りにトップ・2番手を務めました。
タモマミは同期でW3番手を務めていましたが、マミちゃんの組替えでコンビは消滅しました。
音楽学校時代から知っており、下級生のころも一緒にいることが多かったでしょう。
りょうちゃんは若くしてトップに就任しました。
若いトップを不安視(そして疑問視)する声もあったのかもしれませんが、ヴィスタリアが観た「カンパニー/BADDY」は大劇場3作品目で、りょうちゃんはトップとして充分に輝いているし男役としても素敵だと思いました。
存在感とオーラのある、堂々たるトップスターぶりでした。
一方でるりさんの演技の完成度、歌やダンスの表現の深みと幅は、トップスターのりょうちゃんを凌駕しているとヴィスタリアは思います。
上級生として当然なのかもしれませんが、上級生だからできて当然という枠に収まるものでもないと、るりさんの舞台を観ていると思うのです。
るりさんは既に、宝塚という枠そのものを超えて、魅力的でたしかな実力のある舞台人になっていると思います。
ただるりさんはりょうちゃんと並ぶと、体格・スポットライトの光量や衣裳の装飾や羽根の大きさなどだけではなく、りょうちゃんの存在感に押されるときがあるようにヴィスタリアは感じるのです。
この点において、りょうちゃんがトップでるりさんが2番手に落ち着いたことにヴィスタリアは納得しています。
学年差と番手、スターの存在感と舞台人としての完成度、このアンビバレントな関係がたまるりの魅力の大きな部分を占めているとヴィスタリアは思うのです。
3.相手への深い信頼・尊敬、そして自負があるから、新しい魅力が生まれる。
ただお互いの持ち味、魅力が引き立つだけではコンビとはいえないとヴィスタリアは思います。
足し算ではなく掛け算になる、2人がそろうことで生み出されるエネルギーが無限大、新しい魅力が出てくるからコンビと言いたくなるのです。
前作「BADDY」でもりょうちゃんはバッディという役で新しい一面を見せてくれましたが、バッディのダイナミックかつ危険な男の魅力はるりさんのスイートハートがいることで増しています。
逆もまたしかりで、バッディという存在がいるからるりさんのスイートハートの性別を超えた色気、存在感は一際輝き、多くの人を魅了したのだと思うのです。
そして「雨に唄えば」でりょうちゃん演じるドン・ロックウッドとるりさん演じるコズモ・ブラウンは大親友の関係です。
お2人の息の合ったタップダンス、早口言葉の歌などのナンバーはとっても楽しくて劇場中が盛り上がります。
そしてこのお2人の揃いっぷり、合わせ方が尋常じゃないんです。
相当お稽古されているのは舞台を見ればわかります。
どなたかがブログで書いていらっしゃいましたが、りょうちゃんの相手役はさくらちゃんのキャシーではなく、るりさんのコズモなのではないかというくらい。
お2人のパフォーマンスはそれぞれの完成度が高くお互いがより魅力的に見えるだけでなく、他の人とでは生まれない新たな魅力、エネルギーが生まれていると思います。
このすばらしさをどう表現すればいいのか、ヴィスタリアはまだふさわしい言葉を見つけられないでいます。
しかしそれらが生まれるのには、お互いへの信頼、尊敬、いい意味での遠慮のない自負のようなものがあるからこそではないでしょうか。
この人なら大丈夫、一緒にできるという信頼。
相手の舞台への取り組み方や芸への尊敬の気持ち。
そして自分のできることとやるべきことを正しく理解しているからこその、この人の横にいるのは自分を置いて他にいないという自負。
(話が脱線しますが、いまの花組トップコンビのみりおさん(明日海りお)とゆきちゃん(仙名彩世)にもこの信頼と尊敬、自負があると感じます。)
こういうものがないと舞台上でコンビにならず、ただの2人組になってしまうようにヴィスタリアは思います。
舞台はナマモノ、空気感のようなものは一目瞭然ですから舞台外の関係が透けてみえるように思うのです。
そしてこれは舞台上のパフォーマンスとは直接は関係ないかもしれませんが、舞台を降りても仲がよいのを伺わせるのもコンビの魅力だとヴィスタリアは思います。
ヴィスタリアが「雨に唄えば」を観た日のカーテンコールでもそれは伝わってきました。
バンド紹介の挨拶でりょうちゃんが「今日は肌寒いですが」とご自分の腕をさする、ちょっとかわいらしい仕草をされたとき、後ろでるりさんがその仕草をまねしてにこにこと笑っていたのです。
こうやって見守ってくれる上級生がいてりょうちゃんは心強いでしょう。
そしてるりさんの上に立つトップがりょうちゃんで本当によかったと思うのです。
「雨に唄えば」で大親友を演じているたまるりが「エリザベート」でちゃぴちゃんをめぐって対立するのも楽しみです。
きっと新しいコンビの魅力を見せてくれると期待しています。
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