こんばんは、ヴィスタリアです。
あきらさん(瀬戸かずや)のDream Timeファーストランを見ました。
盛りだくさんのトークのなかで特に印象的だったことに絞って書いてみます。
瀬戸かずや様 テクニックを超えて男役を作り上げる
あきらさんとMCのせのほの(帆純まひろ・聖乃あすか)は学年が一回りも離れています。
あきらさんはいろいろなことを伝え教えておられるのでしょうけれど、教えていることが深く、バリエーションが広いと感じるトークでした。
男役の具体的な技術や目の前の役、公演にとどまらず、1つの単語で言語化できないものや男役や舞台人としてのどうあるべきかという掴むのが難しいものを
あきらさんが悩み乗り越えてきたからこその言葉で教え、自身で考えることを自然と促しているのが伝わってきました。
たとえば第3の眼を開くというあきらさんならではのワードです。
これはほのかちゃんが何度かアドバイスを受けていて、
「A Fairy Tale」の新人公演(エリュ/本役:明日海りお)でも言っていただいたるいうお話がありました。
第3の眼とか言うんだけど、目がもう一個開くと芯が締まるしやる気が漲っているように見える。
自分で自分を信じてあげて、ブレがちな軸をぐっと(締める)。
このワードは前回のマイティー(水美舞斗)とつかさくん(飛龍)がMCのDream Timeでも出てきましたし、
この回では男役にとって大切な手の見せ方について指の先からビームが出ているというあきらさんワードもありました。
そしてこの具体的な技術に止まらないあきらさんのアドバイスの背景にあるものがMCのホッティーの言葉からも垣間見えました。
(帆純)私は目の前の作品、役のことだけに集中しちゃうタイプだったのが、瀬戸さんからはいつも「そこも大事だけど、帆純まひろとしてどう作っていきたいのか。男役として、舞台人としてどう成長していったら次にもっとこういう表現ができるんじゃないか」ということを言っていただいていた。
(中略)それが瀬戸さんがおっしゃる醸し出すものにつながっていんだなと、(今日の)お話を聞いて思いました。
(瀬戸)下級生のころから背中で語れる男役になりたいと思ってやってきた。でもそれって何って言うと、役の感情とかがオーラとしてなのか波動なのか、そういうものとして溢れ出るんだなと感じたときに、もっと膨らませて滲ませることってできるのかなと感じたことがあった。
かっこいいテクニックも大事だけれど、みなさまに受け取ってもらえるように自分が全力で燃やさないとダメだろうなって。
これはあきらさんの舞台を見ればわかると感じています。
あきらさんの東上主演作品「マスカレード・ホテル」を何度か観劇する機会があったのですが、
あるとき客席に背中を向けているスーツの、ホテルマンの制服姿が痺れるほどかっこよくてこれぞ男役の美学だと客席でひれ伏したことがありました。
セリフもなくただそこにいるだけ、客せきに背を向けて伝わってくるものがある、背中で語れる男役ーー瀬戸かずやがそこにいました。
相手役がいる芝居の貴重さ「心の両手を広げて包み込む」
包容力というテーマについて「MESSIAH」を引き合いに語っていたときにあきらさんの心の両手を広げるという名言は飛び出しました。
小平/華優希が愛おしくてたまらかった。そこにいるお福/桜咲彩花もたまらない。
そうすると手が2本じゃ足りなくて、心がぐわーってその人たちを包んで、心から大きい手が伸びて包んでいる感じがした。
だから心の両手を広げて包み込んであげるといいんじゃないかなと思いました。
男役のかっこよさについて技術に止まらないあきらさんならではの言語がここにもありました。
(相手役さんがいるのは)宝塚の醍醐味だよね。一番印象残っているのは「ポーの一族」の最後、消滅するところ。
シーラ/仙名彩世と抱き合いながら、あの重い衣装のまま何人の人に運んでもらったか。
制限がいっぱいあったんだけれど、シーラを愛し片時も離れず…というシーンをいただけたことが幸せだった。
またあきらさんは「先日アクセサリーを整理したらものすごい数の結婚指輪があった」そうですが、
「ポーの一族」のフランク・ポーツネル男爵はトップ娘役であるゆきちゃん(仙名彩世)が相手役でトップスターのエドガー/明日海りおとも対峙し、
美しさといい迫力といい忘れることのできない役だとあらためて思いました。
MCのホッティはまだ「CASANOVA」新人公演のジャコモ・カサノヴァ(本役:明日海りお)しか相手役がいた経験はないそうで、
もうすぐ放送になるこの新人公演が楽しみです。
帆純まひろと聖乃あすか 花男の美✕美
MCの99期のまひろくんと100期のほのかちゃんがつけたコンビ名はせのほのドリームエントランズ。
音楽学校時代にお掃除分担が同じ玄関掃除だったこと、スターさんをお迎えしてMCをさせていただくなんて夢のよう…という意味がこめられているそうです。
お互いに付け合ったキャッチフレーズは稽古場やオフステージの素顔のギャップと、1期違いで仲のよいせのものの関係性が窺えるようでした。
(帆純)ほのかは「バナナでエンジンフル稼働!いつも全力マシンガントーク」
いつもバナナを食べている(笑)。走り出したら止まらないんですよね、ほのかって。
おっとりしているように見えてすごいマシンガントークで(中略)、いつも笑わせてもらっています。
MCでもふわふわ~っとした語り口にゆるめのテンポで一生懸命話しているほのかちゃんが稽古場で近くに座っているホッティーにわーっとマシンガントークをしているなんて意外です。
またほのかちゃんが考え抜いたまひろくんのキャッチフレーズ「つるピカお肌で美の化身 穏やかな関西弁で花組のムードメーカー」を発表すると、
まひろくんはは即座に「ほのかに言われたくないわ!」
出会ったときから相手がいかに美しかったを言い募りひたすら謙遜し合う2人ですが、甘く華やかな麗人のほのかちゃんと凛と涼やかな美貌のまひろくんだからこそ成立する会話だと思いました。
せのほのはまさに美×美の花男コンビですが、美しさの種類も喋るときのテンポ、雰囲気も違うのがいいコンビだと思いました。
みりおちゃん(明日海りお)の退団公演「A Fairy Tale」新人公演がまさにせのほのが芝居で深く組んだ作品でした。
最後に2人(エリュ/聖乃あすか、ハーヴィー/帆純まひろ)で握手を交わす場面で、
ほのかから”物語を理解した上で、新人公演を卒業する私とこれから長の期になるほのかとで「お互いにいい花を咲かせよう」という決意も投影したい”、と言われたときには感動した。
(宝塚GRAPH2020年6月号)
次のDream TimeのMCも楽しみにしていますし、いつか一層素敵な男役さんに成長されたせのほのが本公演や別箱公演でがっつり組むお芝居も見てみたいです。
他にも興味深いエピソードが盛り沢山で書ききれないのですが、番組の最後にあきらさんが「宝塚おとめ」の演じたい役に挙げている「グレート・ギャツビー」を3人で再現するシーンがありました。
ギャツビー、デイジー、ニックの3役を全パターン演じていたのですが、あきらさんのギャツビーは背景の豪邸や小道具(放り投げる色とりどりのシャツ)が目に浮かぶようで本当にかっこよかったです。
2週間後には花組「はいからさんが通る」がようやく初日を迎えます。
あきらさんの、せのほのが新生花組でどのような男役を見せてくれるのか楽しみです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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