こんばんは、ヴィスタリアです。
東京宝塚劇場で初日から間もない月組「今夜、ロマンス劇場で/FULL SWING!」を観劇してきました。
ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想で、作品の内容に触れています。
新しくなった東京宝塚劇場 ロビー・座席・音響
約3週間のリニューアル工事を経た東京宝塚劇場で初日翌日の観劇でした。
予定通りの初日から無事に幕が上がったことにほっとしました。
ロビーの様子も変わっていました。
リニューアルされた東京宝塚劇場。
ロビーのグランドピアノと季節のお飾りの場所が入れ替わったんですね。
今年初めて雛人形を見ました🌸 pic.twitter.com/CP1LlZpGBg— ヴィスタリア@聞いてちょうだいこんなヅカバナ (@zukabana_vis) February 26, 2022
写真は撮れませんでしたがキャトルレーヴの跡地には5組のマークのオブジェがあったり、他にも変わっていることがありそうです。
リニューアルされた座席に「この席に座るのは2人目」とうれしく、そしてどこか神妙な気持ちで腰掛けました。
そしてこの日の午後映画館のふつうの座席でライブビューイングを見たのですが、東京宝塚劇場の新しい座席がいかに快適か、肩も背中も腰もお尻も痛くならなかったことを実感しました。
これならマチソワしても、通い詰めても大丈夫なのでは!?と信頼したくなる座り心地だったんです。
またタカラヅカニュースであさぴくん(朝陽つばさ)とももちゃん(桃歌雪)がお話していましたが音響設備もリニューアルされ、音の響きがものすごくよくなっていました。
この日は2階16列という劇場の天辺でしたが、演奏は音の粒が際立つようでしたし、声も大きく豊かに広がって迫力があり、
特にショーのれいこちゃん(月城かなと)のアカペラの響きに、歌唱力のすばらしさを一層伝えてくれる音響の効果にはっとしました。
ところで開演前の注意をうながすアナウンスも月組はこれまではうみちゃん(海乃美月)のお声でしたが、トップ娘役に就任されて変わっていました。
どなたのお声かしら…と思ってネットで検索したら白河りりちゃんのようです。
リニューアルした劇場で新生月組が公演することをれいこちゃんの開演アナウンスよりも前に感じた出来事でした。
月組「今夜、ロマンス劇場で」観劇の感想
原作の映画は未見だったのですが、未見で、ほとんど予備知識を入れずに見てよかったと自分は思いました。
舞台の流れに、れいこうみ(月城かなと・海乃美月)はじめ月組生が連れて行ってくれるところへ身を任せ心を動かされ、クライマックスに向けてこんなに泣くとは思わなかったというほど泣き、感動したからです。
見終わってからあらためてこのポスターを見て、「ああ…」とさらに泣かずにいられませんでした。
花組「元禄バロックロック」もそうでしたが、ストーリーがわかってからもう一度観劇すると違う見え方になる作品、切なさの募る作品だと思うので次の観劇が楽しみです。
小柳奈穂子先生は原作のある作品の舞台化に強いですが今回もとてもいいお披露目の作品を作り、特に映像の使い方が非常に効果的ですばらしかったです。
作中のモノクロ映画「お転婆姫と三獣士」のモノクロと舞台の切り替えが見事で、白と黒のお衣装に照明でちゃんと生徒さんたちが、セットが、モノクロ映画の世界から続いていることがわかるんです。
一方ラストシーンではカラーの映像と舞台のつなぎ方が見事で、宝塚歌劇の舞台芸術としての力、美しさの極みを見た思いでした。
舞台に映像が使われることが当たり前になった中でときどき「なぜここでこの映像を使ったんだろう?」と疑問に思うこともありますが、映像なくしてはこの舞台作品は成立しなかったでしょう。
またこの作品はハッピーエンドですが、宝塚歌劇では悲劇の終わりに悲しい終わり方をしたトップコンビが美しいデュエットダンスを踊って幕になることがよくありますが、
この宝塚歌劇のあるあるとの融合もあるように思えて好きでした。
そして役がたくさんあって月組生がそれぞれ輝いていることも本公演としてうれしく、目がいくつあっても足りませんでした。
この役をちゃんと用意してくれるところにも小柳先生の愛情を感じます。
ポイントになるセリフの一つに「見つけてくれて、ありがとう」というものがありますが、生徒さんがときどきインタビューや退団の最後のご挨拶で口にされるものであり、この作品と宝塚歌劇の相性の良さも感じます。
また東京公演のプログラムには組替えするありちゃん(暁千星)へのあたたかい言葉がありました。
大蛇丸という役は暁の明るさによって、書いた私が驚くくらいチャーミングな存在になりました。
この役が月組への素敵な置き土産、そして本人への餞となることを祈っております。
映画作りに懸ける思いを歌うナンバーには舞台を作り上げる月組生と重なって目頭が熱くなりました。
「今夜、ロマンス劇場で」役ごとの感想
れいこうみの新生月組を初めて見たのですが、真ん中から端から端までうまくて、舞台で輝いていることが楽しそうで、「好きだなあ。月組っていいなあ」と幸せな気持ちで舞台を見ていました。
作品のよさと相俟って、途中から泣きに泣いてしまって言葉にできないものの方が多いですが、書ける範囲で書きますね。
◆牧野健司/月城かなと
れいこちゃん(月城かなと)、トップスターお披露目本公演おめでとうございます!と開演アナウンスを聞きながら大きな拍手を送りました。
美貌のれいこちゃんが助監督として行き詰まっている、どこにでもいそうな純朴な青年をとても自然に演じていました。
美雪に対して怒ったりする台詞も自然なんですよね。
演技が自然でうまいので健司のストーリーに自然と惹き込まれ、夢中になって見ていました。
◆美雪/海乃美月
うみちゃん(海乃美月)がれいこちゃんの相手役で、月組トップ娘役になって本当によかった…という感慨にひたりました。
輪っかのドレスからカラフルなツーピースからどのお衣装もお似合いで美しくて、乱暴な言葉遣いにはちゃめちゃな行動のお転婆さがちゃんとかわいくてちゃんとヒロインなんです。
最後のシーン、台詞にはうんと泣かされました。
三獣士の狸吉/蓮つかさは大劇場公演の休演がありましたら元気そうなお姿に安堵し、そして見事な舞台化粧にれんこんくん(蓮つかさ)、最高だなと思いました。
うーちゃん(英かおと)の虎衛門に和み、「クルックー」の台詞のみで笑いを誘っていた鳩三郎/柊木絢斗も印象的でした。
◆俊藤龍之介/鳳月杏
ハンサムガイは本当にハンサムで、そしてこれ以上ないほどナイスガイでした。
キザで、自分で自分のことをかっこいいと思っていて、こういうキャラクターを演じるちなつさん(鳳月杏)、絶品ですね。
たくさん笑わせてもらいましたし、ただおもしろいだけでなくスターたる大きな器もしっかりとあって、”青年”健司を励ますシーンに爽やかな気持ちになり、励まされ元気をもらいました。
タカラヅカニュースのダイジェスト映像で見た「悪魔祓い」の歌(淡路千景/白河りり)が耳にこびりついていたので見られて大満足です。
「♪Let’s 輪廻~輪廻輪廻~」とつい口ずさんでしまいます。
付き人の馬場/蘭尚樹、猪倉/彩音星凪、丑太郎/彩路ゆりかも存在感があって楽しく、オペラでおいかけがちでした。
プログラムの小柳先生の寄稿によると「殺陣の清家三彦先生には撮影業の人々の演技指導までお世話になっています。清家先生の渾身の付き人の立ち居振る舞い」とのことで、稽古風景などもつい想像しながらとても楽しく拝見しました。
◆大蛇丸/暁千星
もしも「エリザベート」のトートをありちゃんが演じたら――というようなヴィジュアルでかっこいいんです。
登場するたびに手が変な動きをしているのがおかしくて妖しくて、わあわあと騒がしいところもあるキャラクターなのですが
だからこそありちゃんの巧さ、幅の広さを感じた大蛇丸でした。
好きです、ありちゃんの大蛇丸。
従者の狭霧/礼華はる、雨霧/天紫珠李のヴィジュアルもよく、やり取りには大いに笑いましたし、
タンゴを踊るところはぱるくん(礼華はる)のかっこよさ、舞台映えする101期生同士の長身コンビに目が幸せでした。
◆山中伸太郎/風間柚乃
健司/月城かなととのシーンが多く、バウ主演「LOVE AND ALL THAT JAZZ」を経て歌がいっそううまくなられたのでは…と思いました。
京映の社長令嬢成瀬塔子/彩みちるとのその後が気になります。
月組で映画作りというと「雨に唄えば」、またアイドルグループ(セブンカラーズ)やお祭りのシーン、ラストシーンのヒロインの黄色いドレスには「カンパニー」を連想する自分がいて、ヅカファンをしている中で作品が繋がり積み重なるような幸せも感じた観劇でした。
ショー「FULL SWING!」の感想は別記事で書こうと思っています。
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