観劇の感想

月組「チェ・ゲバラ」友情と信念と数多の人生を描き切った良作

こんにちは、ヴィスタリアです。

日本青年館で月組「チェ・ゲバラ」」を観劇してきました。

ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想です。
なお感想を書くにあたり作品の内容に触れており、ネタバレもあるかと思います。

「チェ・ゲバラ」は男の友情と信念を軸にした良作

原田先生は美弥るりかちゃん主演のオリジナル作品「瑠璃色の刻」の完成度が疑問を感じるものだったのと「MESSIAH」で入り込めなかったので、正直観る前は不安でした。

しかしそれはまったくの杞憂で「チェ・ゲバラ」は完成された良質なドラマ、舞台でした。

大劇場とは違う限られた舞台機構で暗転と幕前芝居と箱状の装置を回転させたり出したりひっこめたりという、わりとオーソドックスな演出だったと思いますが、話の流れがいいので飽きたり興ざめすることがなく、ドラマにものすごく引き込まれました。

幕前芝居のシーンも多いのですが、幕のデザインが凝っていてエルネスト・ゲバラたちが命を削るようにして戦い生きのびたゲリラ戦の雰囲気にも合っていたのもよかったです。

当時の南米の政治事情やキューバ危機などの歴史的背景を伝えるのに映像も効果的に使用されていました。

凝った映像のプロジェクションと装置の組合せも豪華で作品世界に誘ってくれるので好きですが(たとえば花組「CASANOVA」)、こういうシンプルめの装置に必要最小限の映像を適所で使う舞台もいいものだと思いました。

ドラマの軸はエルネスト・ゲバラ/轟悠の半生、生き様と、フィデル・カストロ/風間柚乃との出会いと友情と彼らが共にしそしてやがて決別をすることとなった信念で、原田先生は見事に書ききり出演者は演じ切っていて感動しました。

このゲバラとカストロの友情と信念を作品の縦糸とするなら、革命家たちやキューバで生きる人々の人生の生き様が横糸として織り込まれて見事な一枚の織物をつくりあげている、そんなイメージを抱いたのですが、それはイシ様と月組生の役に生命を吹き込むようなたしかな芝居があったからこそだと思います。

縦の糸(メインテーマ)も横の糸(サブテーマ)も1本1本が太くてしっかりしていて織り上げられた作品は宝塚歌劇という枠を取り払い、一つの舞台作品として良いものだったと思いました。

実はこの日、客席でなんども目頭が熱くなって困りました。

劇的なハイライトやわかりやすい悲劇に心を動かされて涙が出そうになったのではなく、なにげない一言になぜか涙がこぼれそうになったのはこの時代のキューバを生きている名もない人たちの人生に触れるような感覚、生きるという根源的なものを揺さぶられたからなのかもしれません。

物語を読んで他者の人生を生きることを疑似体験するような感覚を月組生の芝居が感じさせてくれて感動しました。

もう1度観劇する予定なので楽しみです。

ストーリーテラーとプロローグ

今年の青年館は星組「鎌足」に続いて2作目なのですが、どちらも良質なオリジナル作品、芝居が観劇できて宝塚ファンとしてうれしい限りです。

両作品の共通点、作品として欠かせないことの一つにストーリーテラーの成功があると思います。

「鎌足」のストーリーテラーはヒロさん(一樹千尋)みっきぃさん(天寿光希)の2人で、歴史を書くという大きなテーマを表現しこの作品を一層深みのあるものにしていました。

「チェ・ゲバラ」では全編を通してのストーリーテラーは不在なのですが、ハーバート・マシューズ/佳城葵がニューヨークタイムズの記者として歴史的背景をうまく説明してくれる場面がありました。

やすくん(佳城葵)は滑舌と声がいいものですからこの役にぴったりのキャスティングだったと思います。

ところで「チェ・ゲバラ」で気になったのは始まりとエンディングの不一致です。

はじまりは現在(2019年)のハバナで旅行をしている若者カップルの会話があり、それがいつの間にかエルネストたちが生きた時代へと誘われるので、現代→エルネストたちの時代→現代という形になるのかと思ったら、
エルネストの人生の終わりがエンディングとなり現代の場面へは戻りませんでした。

このエンディングが絵的には美しかったのですがドラマ的にもう一歩詰めてほしかったという思いがあるのと、現代へとつながる映像が使われてはいるのですがそれがやや唐突な感じもあり、2019年のハバナで始まったのならエンディングもそうであった方がきれいにまとまったのではないか、と思いました。

カーテンコールで風間柚乃くんに狙い撃ちされる

カーテンコールでびっくりしたことがありました。

出演者で出てきてお辞儀をしたりその役らしい決めポーズをしたりしていて、革命家たちは狙い撃ち系が多かったんです。

この日は1階下手側に座っていたのですが、おだちん(風間柚乃)がセンターでお辞儀をし、片手で銃を撃つ決めポーズをするところでわざわざわ体の向きを変えてバーン!と狙い撃ちされました。

隣で見ていたお友だちもそう言っていたので間違いないと思いますが本当におだちんがスナイパーで、心拍数が急上昇してしまいました。

目が合ったと感じることは(勘違いも含めて)ときどきありますが、これほどわかりやすくロックオンされたことはなく貴重な体験でした。

キャストごとの感想は次に続きます!

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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