観劇の感想

何度見ても楽しい花組Cool Beast!!(A日程初日の感想)

おはようございます。ヴィスタリアです。

東京宝塚劇場で花組「アウグストゥス/Cool Beast!!」のA日程初日を観劇しました。

前回の観劇から少し日数も空いて、あらためて感じたことなどを書きました。

いずれもヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちたもので作品の内容に触れています。

花組「アウグストゥス/Cool Beast!!」A日程初日観劇の感想

今回は生徒さんごとに芝居、ショーを行き来しつつ書いています。

◆柚香光のこと
18列どセンター→10列下手花道あたり→今回は14列上手側センター寄りでの観劇でした。

オクタヴィウス/柚香光の登場シーン、最後の白い盛装の登場シーンが最初からよく見えて幸せでした。

またプロローグで銀橋に出ていらして、上手側から客席前方の中央に向かって指差しウィンクでまっっっすぐに狙い撃ちしていて、OGさんがいらしていたようです。

桜一花さんと壮一帆さん。


今回は「Cool Beast!!」が通し役であることのおもしろさを強く意識しながら観ていました。

れいはなの裸足のデュエットダンスで伸び伸びと踊る野獣ベスティア/柚香光は艶花フローレス/華優希と出会って恋をする様子が表現されています。

フローレスと出会った驚きや戸惑い、表情や振りからこのときのベスティアはまだ言葉も他者とのコミュニケーション方法も得ていない目覚めの状態であると感じました。

それが時間(場面)を経てもっとも優しい人間エストーム/瀬戸かずやとのデュエットダンスでは
ベスティアは女性となると同時に明確な意思をもってエストームに近づき、
2人の間では言葉(かどうかはわかりませんが)コミュニケーションが取れているという変化が描かれているように思いました。

どちらも異色のデュエットダンスだと思いますがショーの前半と後半で見せる表情がまったく違うのがおもしろく、
またれいちゃんのダンスと見せ方の魅力が留まることを知らないからこそだなあと思いました。

さらにこの後フローレスどのドラマが踊りで表現されます。

◆瀬戸かずやのこと
「Cool Beast!!」のプロローグの昔ながらのショーあるある(なぜか3人であることが多い案内人が歌い→スターさんが大きな布の衣装でセリやセット上からおりてくる)からの
ダイスケショー✕花組らしいギラッギラの組子勢ぞろいの爆踊りが最高に高まります。

れいちゃんがセリ下がり、
後ろのセリからマイティー(水美舞斗)が上がってくるのから始めるのがこれまた最高潮に昂らずにいられません。

あきらさんがこのプロローグの大きな布のお衣装の第一声を歌い出す前から
ものすごく優しげで愛がいっぱいなのに胸打たれました。

中詰の後、旅を続けるエストームとして銀橋を歌いながら渡るところも休演日明けで喉の調子がいつも以上によさそうなのと同時に
歌に込められた劇場いっぱいに満ちるような愛が伝わってきたんです。

緊急事態宣言の発令で休演になる直前の宝塚大劇場で観たときにも「あきらさんの愛がひたひたに溢れている…」と感じたのですが
それは東京でも増すばかりです。

誰しもスターとして在団し続けることは難しい宝塚ですが、男役としてあんまりかっこよくて美学があるので
ずっといてほしいと(勝手に)思ってしまう気持ちを止めることは難しいのですが、
集大成としあわせなご卒業の公演を見ているのだ…とあきらさんの愛を受け取って感じています。

この日のベスティア/柚香光とのデュエットダンスでれいちゃんが背後から抱きしめてあきらさんを一撃刺す(?)ような振りの後、
あきらさんの言葉にならない声がマイクに入っていました。

あえて表音するなら「はっ…」あるいは「ひゅっ…」というような。

これがベスティアの意図、されたことにエストームが刺されて初めて気がついたようでこの上なくドラマチックでした。

◆音くり寿のこと
「アウグストゥス」の終幕近く、愛する婚約者アントニウス/瀬戸かずやを失ったオクタヴィア/音くり寿が弟オクタヴィウス/柚香光の凱旋式に参列するとき、
祝いの場にそぐわない喪服を着て現れたのを母アティア/鞠花ゆめに咎められ
「これからは着るものも生き方も自分で選びます」というようなことを凛と告げます。

オクタヴィアがそこまで強い言葉で宣言するのを唐突に感じていました。

これは幕開きのユリウス・カエサルの祝いの場に列席するオクタヴィアが水色のドレスを着ていて、
「赤い方がアントニウスの好みでは…?」と遠慮がちにおずおずと、疑問を言葉にしながらも母に言われるままに水色のドレスを着ていた自分との決別になっていることに
(恥ずかしながらようやく)気づきました。

傍で聞いていたアグリッパ/水美舞斗が「あのアティア様に逆らうなんて驚いた」と優しい笑顔を喪服のオクタヴィアに向けています。

田渕先生の脚本はおそらくどの台詞にも深い意味が込められた緻密なものであり、
客席の自分がすべてを汲みとれていないのを感じた瞬間でした。

歴史ものですし予備知識があればあるほど台詞から受け取れる情報量も増えて作品を楽しめるのかな…と思いました。

「ル・サンク」を買って脚本を読み込もうと思いましたが円盤を買ってリピートすることになりそうなので映像で見返しつつゆっくり考えたいです。

くりすちゃんの水色のドレスは「アウグストゥス」だけでなく
「Cool Beast!!」のラビリントスー迷宮ーの、目元がビーズで隠れた帽子とのスタイルも可憐で美しくて、
同時にミステリアスで素敵です。

「Cool Beast!!」では専科のけいこさん(美穂圭子)との歌うま娘役同士の共演もゴージャスで、
中詰めの舞台両端での歌バトルもパワフルで大好きですし、
れいはなの裸足のデュエットダンスはけいこさんが上手側で歌い→
盆が回ってくりすちゃんが下手側で歌うのもツボです。

歌姫たちが立つのが岩のような台なんですが、
これがあるとアフリカの自然が感じられるようでいい仕事しているなと思います。

◆永久輝せあのこと
前回の観劇から日数を置いているうちに一層の深化と進化をされたと感じたのがひとこちゃん(永久輝せあ)です。

ブルートゥスの演技がさらに真に迫っており、
出口のない迷路に迷いこんでこじらせた人生、カエサルを暗殺することまで行ってしまったことがかわいそうになり胸が痛くなりました。

元老院議員たちと行動と共にはしているものの心はバラバラで、誰もブルートゥスのことを真に思ってはいないこともしかりです。

若きアウグストゥスへの妬み、カエサルへの強い思いと決断が切々と伝わってきました。

あと毎回書いていますがひとこちゃんの声量と滑舌と歌唱のすばらしさには客席で頭を軽く殴られたような衝撃を受けます。

歌は観る度伸びやかに、うまくなっておられてショーの楽しみの一つです。

ダンスもキレキレでいいですし、
特に中詰終わりの5人のダンス対決で腰の落とす感じさえもうまくてかっこいいのが絶妙だなあと思っています。

◆聖乃あすかのこと
ほのかちゃん(聖乃あすか)もまたまぶしいほど美しくてダンスのいい花組のスターさんです。

ショーのプロローグでひとこちゃんほのかちゃんがシンメトリーで並んでいると美しさとスターオーラが爆発してい、オラオラのギャオギャオ!で最高だなあと思います。

ほのかちゃんは「アウグストゥス」のちょっと軽妙さのあるブレーン マエケナスもいいですね。
金髪リーゼント✕目元のハイライトがとっても綺麗で、舞台化粧も一層お上手になられたと思います。

◆帆純まひろのこと
今回上手側なのでフィナーレ総踊り、パレードでまひろくんの美貌がよく見えました。

もともと美しい花男のお1人ですがお化粧がスチールからも変わったように見えて一層美しかったです。

ナイトライフの場面で色気があって悪いことをチャラチャラと楽しんでやっていそうな雰囲気があってとても好きです。

何度観ても楽しくていくらでも観たいですがmy楽が近づいてきました。
大切に観て、楽しみたいです。

読んでいただきありがとうございました。
押して応援していただたらうれしいです。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ