観劇の感想

花組「Fashionable Empire」を観劇して思った3つのことを

こんばんは、ヴィスタリアです。

宝塚大劇場で花組「巡礼の年/Fashionable Empire」を観劇してきました。

お芝居「巡礼の年」に続いてショー「Fashionable Empire」についてヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想で、作品の内容に触れています。

少し辛口かもしれません。

ショーの新進演出家は現れるか

稲葉太地先生のショーは大好きでいつも楽しみにしていますし映像を見返すことも多いです。

一方でここ最近ちょっとマンネリというか定番化しているかなあと思うこともあるというのが正直なところでもあります。

長い演出家人生のなかで山あり谷ありいろいろおありかとは思いますが、構成や音楽なとがパターン化しているような気がして、
好きな生徒さんが出演していないとイマイチ盛り上がりきれないと客席に身をおいていて感じることがあります。

「巡礼の年/Fashionable Empire」のプログラムのアンケートの稲葉先生の回答を拝読し、演出家にはアウトプットするだけでなくインプットするためにもサバティカル休暇や留学などが必要なのでは…と思ったりしました。

毎年毎年新作を生み出さなければならない上に、コロナ禍以降、経費削減のためかなにかしら事情があるのか一本物の作品の上演が減り、ショーの上演機会が増えているように思います。

東京宝塚劇場の年間の公演スケジュールを見返すと2019年は1本物が4本も上演されていました。

雪組「ファントム」
花組「CASANOVA」
宙組「オーシャンズ11」
月組「I AM FROM AUSTRIA」

5組中4組が年間2つの本公演のうち1つが1本物、もう1つが芝居とショーの2本立てでした。

それが2021年の1本物は宙組「アナスタシア」星組「ロミオとジュリエット」のみ、その後2本ての公演が1年以上続きます。

月組「グレート・ギャツビー」は約1年半ぶりの1本物の上演になります。

それだけショーの上演機会が増えた一方でショーの演出家の先生は芝居を担当する演出家ほど増えていない印象があります。

ショーを毎年のように担当している演出家は野口先生が”新人”で、上田久美子先生が「BADDY」を生み出しましたが退団され、
生田先生が「シルクロード」を作・演出しましたがそれ以外は芝居作品を演出されています。

一方で芝居作品で演出家の先生が続々とデビューしています。

谷貴矢先生「アイラブアインシュタイン」花組2016年

樫畑亜依子先生 「鈴蘭」星組2016年

指田珠子先生 「龍の宮物語」星組2019年

栗田優香先生 「夢千鳥」宙組2021年

町田菜花先生 「PR✕PRince」雪組2019年

竹田悠一郎先生 「PRINCE OF ROSES」花組2021

熊倉飛鳥先生 「ベアタ・ベアトリクス」星組2022年

まだ作品でデビューはしていないものの演出補や新人公演の演出をされている先生もおられるでしょう。

こういった新進の先生方がショー作品を担当されることがあるでしょうか。

谷貴矢先生は月組「Rain of Neptune」が芝居とショーの作品でしたし、
「ダル・レークの恋」再演にあたってのミュージカル化は見事でしたし、「出島小宇宙戦争」もそうですがフィナーレが非常によかったのでショー作品もいつか担当してほしい気持ちがあります。

フィナーレがよいのは指田珠子先生、栗田優香先生の作品でも感じたことで、上田先生や生田先生のようにショー作品を手掛けることもあったら見てみたいとも思います。

芝居と違って新人公演もなく、デビューの場となるバウホールは芝居作品の上演が多いので演出家の育成という背景で芝居とショーでは違ってくるのかもしれません。

が、コロナ禍が長引くなか理事長も交代して2本立て=ショーの上演機会が増える状況が続いていくのだとしたらベテラン、中堅の先生のみならず新たな先生の作品を見る機会もあっていいように思います。

花組「Fashionable Empire」を見て思った3つのこと

Fashionable Empire」の場面ごとの感想などはあらためて書きたいと思っていますが、気になったことが3つあります。

前置きしておきますがいずれも完全に個人的なもので、偏見と偏愛に満ち満ちたものです(このブログのすべてがそうですが)。

まず1つ目は、上で触れたように、宝塚歌劇は大いなるマンネリではありますがそれにしてもどこかで目にした衣装、どこかで聞いた音楽、どこかで見た何かが多く、新鮮な高揚感を自分自身はあまり得られませんでした。

しかしこれは繰り返しみているうちにハマるスルメ系の作品ということなのかもしれません。

2つ目は「Fashionable」と銘打たれているもののお衣装があまりにも……ファッショナブルとはどういことなのか?考えこんでしまいました。

お衣装は河底美由紀先生で、もともと自分は河底先生と趣味が合わないことが多く(お好きな方ごめんなさい)、作品によっては素敵だなと思うこともあるのですが、今回の河底先生のお衣装はときめくことが難しかったです。

ただ今回プログラムで星風まどかちゃんのスチールが着回し(「カルーセル輪舞曲」でちゃぴちゃん(愛希れいか)が着ていたもの)で、経費的な事情も大いに関係しているのでしょう。

演出家の先生と衣装や装置、音楽、振付の先生は特定の先生方が組むことが多くチームのような要素もあることと推察しますが、
作品に新風を吹き込むためにも違う先生方と組んでみてもいいのでは――と思ったりします。

演出家の先生だけでなくお衣装の先生も新しい先生がデビューされ、薄井香菜先生(「桜嵐記」「Dream Chaser」)や植村麻衣子先生(花組「TOP HAT」)が素敵な衣装をつくっています。

再演を繰り返している「ル・ポァゾン」は、2021年雪組全国ツアーでお衣装を加藤真美先生がこれまでのテイストを残しながら新しくし、より洗練されたものになりました。

他の先生のお衣装の稲葉先生のショーも見てみたいです(すべてが河底先生ではないのかもしれませんが)。

3つ目はショーの案内人であるバロン/高翔みず希は途中からどこへ行ってしまったのか?ということです。

中詰までの場面はバロンがたしかに案内をしていたのですが以降はどこへ??

稲葉先生の「シャルム!」ではトップ娘役の華優希ちゃんが案内人をしていてショー作品としてもまとまっていましたが、
せっかく専科からさおたさん(高翔みず希)が出演されているのに今回は設定が中途半端なように思いました。

パレードでマイティー(水美舞斗)まどかちゃんの間に歌唱なしで一人おりされていますが、
そりゃあ長く組長をされていましたら引継的なものもあるのだとしても、芝居でもショーでも専科生としての出演を活かしきれていないように感じてひっかかりました。

芝居ではヴィクトル・ユゴー役でいい台詞はあるのですが、役名がまったく出てこないので何かしら予習をしていないとわからないんです。
もったいなさすぎます。

また退団者の場面の多寡は先生によって異なり中村一徳先生と藤井大介先生は特に手厚いと思いますが、今回もう少し飛龍つかさくんにたくさん拍手ができる場面があってもよかったのではないかという思いが残りました。

パレードはでぃでぃ(若草萌香)のエトワールはうれしく、音くり寿ちゃんの一人おりも感激し、
マイティーの羽根にも高揚したパレードですが、自分の胸に浮かんだのはそれだけではありませんでした。

自分があっち見てこっち見て忙しくて見落としているのかもしれませんが、「シャルム!」でみりおちゃん(明日海りお)とともにご卒業していった娘役さんたちにはそれぞれ見せ場があった気がしたんです。

長くなりました。
芝居、ショーともに役や場面のことなどはあらためて書きたいと思っています。

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