映像の感想

NHK「ひかりふる路」 美しい音楽が耳に残る。題材への疑問も残った。

NHKで放映された雪組「ひかりふる路/SUPER VOYAGER」を見ました。 すごい高画質でびっくりしました。 鮮明な画像で見る生徒さんたちの美しさに感嘆しましたし、メイクがよく見えて興味深かったです。 だいもん(望海風斗)のつけまつげとかアイラインの入れ方とか、アップになるとつい見てしまいました。ここまで見えることはなかなかないですからね。 ヴィスタリアが第2次ヅカファン生活で雪組を見るのはこれが2回目です。 1回目はお正月の「SUPER VOYAGER」の放送なので、昨日書いた「金色の砂漠」の視聴感想以上にビギナーなので、気づいていないこと、勘違い、見落としなどあると思います。 ヴィスタリアの独断と偏見による感想ですが、この作品や雪組が大好きという方は独断ではなく毒断だと思われるかもしれません。 それでも構わない方はお付き合いいだければと存じます。 《作品、演出、音楽について》 これまで宝塚ではフランス革命にまつわる様々な作品が上演されてきましたが、こういう形でフランス革命を描くとは意欲的な作品だと思いました。 登場人物が多く見せ場もあり大劇場公演にもよいでしょう。 しかし物語の繋がりが急なように思えて、1回見ただけ、それも予習なしではついていくのが大変でした。 それをカバーしているのは美しい音楽と、それを軽々と歌いこなせるトップコンビ、雪組生の熱演だとヴィスタリアは思いました。 特に気になったのがだいもん(望海風斗)のロベスピエールが恐怖政治を始める唐突さです。 「え、そうくる?!」とヴィスタリアは思いました。 だいもんの丁寧で心のこもった、特にそれ以後の揺らいでいる心情が伝わってくる演技によって納得できましたが、これはすごく難しかったのではないかとヴィスタリアは思いました。 ストーリーが唐突なので、やる人によっては「なんで?」と疑問がのこり、置いてきぼりにされてしまうのではないでしょうか。 きぃちゃん(真彩希帆)の自身がどういう役なのかを伝える説明的なセリフ、ロベスピエールとマリー・アンヌの恋がどのように深まっていったのかなども、この脚本でできる最大限をしていたと思います。 歌もうまいですが演技に情熱が垣間見えたとヴィスタリアは思いました。 二人の牢獄のシーンには心を打たれました。 なんて美しくて悲しいんでしょう。 ワイルドボーン氏の美しい音楽はトップコンビの歌が確かで酔えます。 1回しか見ていないので覚えきれませんでしたが、これはリピートして聞きたくなりますし、覚えたらその後エンドレスで聞くことになりそうです。 (ヴィスタリアは音感が悪くてなかなか曲を覚えられないのですが、女性革命家たちが「今日より明日は…」と歌うところはなぜか覚えられて、脳内でリピートしています。歌詞が違ったらごめんなさい。) 冒頭近く、ルイ16世が断頭台を上がっていってギロチンを象徴する赤いライトが走る演出は驚きの声を上げてしまいました。 その後もこのライトが印象的に使われているようで、これは劇場で生で見てみたかったです。 見終わった後、ヴィスタリアには疑問が残りました。 なぜこの作品をトップコンビのお披露目公演に選んだのかということです。 まず、だいもんのロベスピエールは死の遂げ方とそれに至るまでにしてきた所業を考えると、新トップが演じる人物として相応しいとは思えませんでした。 ロベスピエールは裁判もなしに次々と人々を処刑し、自らも処刑された人物です。 そしてロベスピエールを暗殺しようとするマリー・アンヌは、きぃちゃん(真彩希帆)の押し出しに合っていたしやりがいのあるヒロインだと思いますし、コンビの魅力を広げてくれる設定だと思います。 コンビ2、3作目ならわかるのですが、トップコンビのお披露目公演にふさわしいのでしょうか。 お披露目公演で悲劇をやることを全否定するつもりは毛頭ないですが、この作品はちょっと血なまぐさすぎるように思いました。 トップコンビには一言触れましたので、その他のキャストについても一言ずつまいります。 《ダントン/彩風咲奈》 豪快で男らしくて、2番手のおいしい役ですね。 前髪を立てたヘアスタイル、もみあげ(けっこう書いてますよね)、かっこいいです。 ロベスピエールをご飯に誘った後のライトが消えるところの表情が特に印象に残りました。 《ロラン夫人/彩凪翔》 男役さんであることに暫く気づかないで見ていました。おきれいで女役に違和感がありません(褒めています)。 大物タレーランとわたり合う余裕、堂々とした佇まいがしっかり出せていると思いました。 《サンジュスト/朝美絢》 なんという美しさでしょう。 美しさだけで終わらず、ロベスピエールに心酔し、暴走していく危うさと狂気の出し具合が絶妙だと思いました。 ヴィスタリアは月組時代の「グランドホテル/カルーセル輪舞曲」の映像を見ているのですが、雪組にきて一回り大きな存在になったように感じました。 《デムーラン/沙央くらま》 退団されてからのインスタがかわいくて和むのですが、男役でもかわいいしきれいです。 奥さんのリュシル(彩みちる)と優しげな雰囲気が合っているなと思いました。 これが退団公演なら、はなむけの場面やせりふがもう少しあってもいいようにヴィスタリアは思いました。 《タレーラン/夏美よう》 この人が物語を回している支配感、大物感はさすがです。 ヴィスタリアの第一次ヅカファン時代は星組の好きな上級生のお一人だったので今もこうして活躍されていてうれしくなってしまいました。 (活字中毒で「歌劇」の絵と文が文字がビッチリなんですよね。その辺りも好きなんです。) 1回では見逃したところが多そうですし音楽と歌を聞きたいのでまた見たいです。 長くなりましたのでショーについては次で書きます。 ランキングに参加しています。 ポチッとお願いします。

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