おはようございます。ヴィスタリアです。
星組「Eclair Brillant」を観劇したヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想です。
目次
「Eclair Brillant」これぞタカラヅカ!なレヴューの傑作
さゆみさん(紅ゆずる)はキャラクターやトーク力、コメディセンスが卓越していますが「王道好き」を自認するトップスターでもあります。
お芝居「GOD OF STARS-食聖-」がさゆみさんに前者にフォーカスした作品であるなら「Eclair Brillant」は王道が好きで似合う面にフォーカスしたレヴューと言えるのではないでしょうか。
全体を通して美しさ、気品と匂い立つような香気にあふれたレヴューはこれぞ宝塚歌劇。
体感“秒”なショーもワクワクしますし大好きですが、レヴューもすばらしいと心から思えるすばらしい作品を作ってくださった酒井先生、ありがとうございます。
「Bouquet de TAKARAZUKA」に続いてさゆみさんの星組と酒井先生のすばらしいマリアージュを見られて幸せでした。
一つひとつの場面が長くてシンプルな構成でありながら、ふしぎとダレることがありません。
主題歌も美しく、王道な選曲は心地よく、衣裳・振付が考え抜かれているからか飽きない作りになっていてどっぷりと浸れる55分間でした。
ヅカファンに復帰して1年と少し、すばらしいショーに心を躍らせてきましたがこの「Eclair Brillant」はこの先もずっと好きな作品として殿堂入りになりそうです。
プロローグ 華麗なる煌めき
吉田優子先生のゆったりとしたメロディの主題歌は歌詞もシンプルで覚えやすく、劇場からの帰り道には自然と口ずさめる…これもファンの幸せです。
べにあーの衣裳が「スペース・レヴューファンタジア」と銘打たれたのにぴったりなふしぎな形なのですが、これはこれでありだと思いました。
2番手以下男役さん、娘役さんのシルバー系の衣裳が大人っぽくて雰囲気があるのもすてきでした。
プログラムで酒井先生が「星組というのは、ふしぎなことに伝統的にショーの舞台を輝き魅せる大きな力を持っている組」という言葉を寄せておいでで、
今作の感想ブログなどでも「ショーの星組」という言葉を見かけたのですが、ヴィスタリアは恥ずかしながら初めて知りました。
初めてファンになった80周年のころの組イメージ(ダンスの花組、芝居の月組、和物の雪組、コスチューム物の星組)が強すぎるせいかもしれません。
しかし思えば星組のショーは好きな作品や後々好きになったものが多く、気づけばべにあーのショーはブランクを経てヅカファンに復帰してから観劇したものはすべて実況CDを買っています。
きっとこのレヴューのCDも買っちゃうでしょう。
客席降りで、この日はセンターブロックのど真ん中に座っていたので目に入ってくる生徒さんいろいろに目移りしていたのですが、KABUちゃん(朝水りょう)が端正で大人っぽいかっこよさで目を惹かれました。
パリ 恋する風の煌めき
次期トップコンビのこっとん(礼真琴・舞空瞳)のデュエットダンスがすばらしくてため息ものでした。
こういう場面、なんだか懐かしい…という郷愁を誘われつつ、技術の高い2人の息のあった軽やかなダンスに見惚れるばかりです。
これからたくさん、こっとんのいろいろなデュエットを見せてくれるのを楽しみにしています。
ラテン 輝く太陽の煌めき
中詰の始まりはさゆみさんの「エル・クンバンチェロ」。
いいですねえ、これぞ男役な濃さで。
これに始まる中詰の選曲が最高でシビれます。
みほちゃん(有沙瞳)が男役さん2人を従えての歌も大人っぽくていいし、
みっきぃさん(天寿光希)が世界をつくり歌い上げる「ブエノスアイレスで私は死のう」も聞きごたえがあります。
(この曲はヴィスタリアの永遠の贔屓ヤンさん(安寿ミラ)がOGさんのシャンソンを集めたCDで歌っていて思い入れがある曲なのです。)
あーちゃんはカツラやアクセサリーのセンスがよくてご自身に似合うものをよく把握されていると感服するのですが、黒髪ショートヘアが再び見られてうれしいです。
ひらひらとスカートのように広がる衣裳が斬新かつふしぎな品といいますか魅力があり、色合いも美しくて、キラキラのギラギラだけが宝塚の衣裳ではないのだと思いました。
中詰の締めくくりはせおっち(瀬央ゆりあ)が美の宝庫たる星娘たちを引き連れての「マシュケナダ」。
水乃ゆりちゃんが芝居のアイドル役とは違うかわいさを見せてくれたのとちなちゃん(瑠璃花夏)の煽ってくるダンスはさすが!でした。
ちなちゃん、上半身の動かし方が上手くて色気と雰囲気がありました。
スペイン 萌える情熱の煌めき
大劇場千秋楽のライブビューイングを見たときに映像でさえ呼吸するのを忘れそうなくらい見入ったのがこのボレロでした。
振付はOGのみつえ(若央りさ)先生。
すばらしい場面をOGさんが振付されていると一層うれしくなります。
一糸乱れず踊ろうと心を揃える舞台のヒリヒリするような緊張感、衣裳の衣擦れ、揃えた靴音、息づかいまでもが聞こえてきそうです。
階段を使ってのフォーメーション、緑を基調とした衣裳のグラデーション、だんだんと激しくなっていくリズムと振り。
すべてが芸術です。何度でも見たい。たくさんの方に見ていただきたい。そんな必見の名場面だと思います。
これはぜひ2階席から観たいのですが、いつもは2階後方の住人のヴィスタリアなのに今回はなぜか1階席のチケットばかりなのが残念でなりません。
ニューヨーク 星々の煌めき
フランク・シナトラのメドレーからのロケットです。
この作品で退団されるゆっこさん(麻央侑希)とれんれん(如月蓮)への餞にジーンとしました。
れんれんはプログラムのスチールもまるで爽やかな別れの挨拶のようでうるっとしてしまいました。
フィナーレ 至高の煌めき
極楽鳥は衣裳に「BADDY」を思い出し、あーちゃんの顔の小ささ、ひっとんの脚の長さに惚れ惚れでした。
黒燕尾は上妻氏の三味線に羽山先生の振付がかっこよくて動きも揃っていてかっこいい!
さゆみさんの集大成、シンプルな黒燕尾の美しさを目に焼き付けました。
ダンスのうまさもあってことちゃんに、そして男役としての美しさと魅せ方でみっきぃさんに目が吸い寄せられました。
このショーで唯一残念なのがあーちゃんが美しい星娘を引き連れる場面がなかったこと(「ESTRELLAS」が最高だったので)と、男役さんを引き連れて絡むのが短いところです。
しかしここでことちゃんが主題歌のアレンジを歌うのが新鮮でよかったです。
ところで最後に一つ気になったことがあります。
エトワールが次期トップ娘役のひっとんで、「エリザベート」のように娘役の役どころや出番が少ない1本物だったらそういう起用はわかるのですが、
今作は芝居でもショーでも次期トップ娘役、トップコンビを押す演出や大きな場面があったので、エトワールは歌うまの娘役さんにやってほしかったと正直思いました。
全組観劇派ですが星組熱がいっそう高まったレヴューでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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