映像の感想

奇跡のトップスター星組紅ゆずる宝塚大劇場ご卒業

こんばんは、ヴィスタリアです。

星組「GOD OF STARS-食聖-/Eclair Brillant」の宝塚大劇場千秋楽のライブビューイングを見てきました。
泣いて笑って、泣いて泣いて泣いて…でした。

芝居とショーの感想は東京で実際に観劇してからゆっくり書きたいので、今日はさよならショーについて書いてみます。

なおいずれもヴィスタリアが記憶できた限りのもの言葉はニュアンスですし順番など前後しているかもしれません。
ご覧になった方でお気付きの方がいらっしゃいましたらこっそり教えていただけたらうれしいです。

そしてなによりヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちており、一個人の感想です。

紅ゆずるさよならショー 泣いて笑って忙しい

ユズ長(万里柚美組長)の紹介がVTRとともにあり、さゆみさん(紅ゆずる)のメッセージが読み上げられました。

昔々、土曜日の昼下がりにテレビで宝塚を見て夢中になりました。
憧れだけで突進して入った宝塚音楽学校。
末広がりの88期でしたが私の成績は褒められたものではなく、舞台の一番端が定位置でした。

しかし端だからこそ誰よりもエネルギーを出さないでどうするという星組の愛のムチが飛ぶ自主稽古。
初日が開くのが信じられなかった「ロミオとジュリエット」
3役の役がわりの「ノバ・ボサ・ノバ」

かなりのでこぼこ道でした。

そして始まったさよならショーのセットリストはこちらです。敬称略で失礼します。

1.ひとかけらの勇気「スカーレット・ピンパーネル」(紅さんソロ)
2.オームシャンティーオーム(綺咲ほか星組生)

3.夢を売る男「オーシャンズ11」(紅・麻央・如月)
4.ガイズ・アンド・ドールズ(紅ネイサンと礼アデレイド)

5.あなたを見つめると「スカーレット・ピンパーネル」(綺咲)

6.紅子トーク

7.Killer ROUGE(麻央・如月)
8.ESTRELLAS(麻央・如月・蓮月・礼)

9.あなたこそ我が家「スカーレット・ピンパーネル」(紅・綺咲)
10.CATCH ME IF YOU CAN(紅・綺咲)

11.???(紅、礼真琴から受け取った薔薇の花束を客席へ投げ入れ)

12.ありがたやなんまいだ「ANOTHER WORLD」(全員。専科汝鳥・華形も)

さよならショーを見て、さゆみさんにとって「スカーレット・ピンパーネル」がどれほど大切な作品なのかを知ったような気がします。

途中、ゆずるちゃんを熱烈に応援している客席案内係の紅子ちゃんが登場し、客席をいじりながら銀橋をわたりました。

泣いてるの?笑ってるの?(客席に聞いているのに)2500人いるのに返事が返ってこない!
(客席から「泣いて笑って忙しい!」との声)ありがとうございます。

(銀橋中央で膝を崩して座り、オケボックスの指揮佐々田愛一郎氏とオケメンバーに向かって)いつもありがとうございます。

(客席に)ペンライト出しなさいよ。紅子的には楽しいときに使うのよ!

この紅子ちゃんで散々笑ったあとで「ESTRELLAS」があって、プロローグの青い衣裳でゆっこさん、れんくん、星組生が歌い踊るなかでお兄様(七海ひろき)がいないことに胸がつまり、思わず涙しそうになりました。

そして紅子ちゃんがぐりぐりと念押ししたペンライトを振るタイミング、楽しいと感じる時間は最後の曲「ありがたやなんまいだ」でした。

さゆみさんにしかできないこの落語ミュージカルの底抜けに明るくて楽しい歌こそペンライトの出番だり、この曲で締めたさゆみさんの思いが伝わってくるようでした。

この曲には専科のゆうちゃんさん(汝鳥伶)みつるさん(華形ひかる)も黒燕尾で加わって、何度目かのカーテンコールでさゆみさんが「専科生にさよならショーに出ていただくという異例のことで、お化粧替えまでしてくださって」とお礼を言っていました。

こんなに晴れやかな曲で終わるさよならショーがかつてあったでしょうか。

挨拶とカーテンコールは泣いて泣いて泣いた

ここまではまだ泣いて笑って…だったのですが、挨拶からは泣いて泣いて泣いて…泣きました。

退団される方のお花渡しはこんな感じでした。

蓮月りらん:朱紫令真・大輝真琴(黄色とオレンジ)
麻央侑希:漣レイラ・音波みのり(青い薔薇とラインストーン)
如月蓮:白妙なつ・天寿光希(白いカラー?)
綺咲愛里:音咲いつき・美希千種(白とピンク)
紅ゆずる:桜乃彩音・礼真琴(白い百合、ストーン付)

今回はマイクの距離が近かったのか、渡すときの声が聞こえるような聞こえないような…少なくともいつもよりは聞こえそうな感じでした。

また挨拶がそれぞれ“らしさ”があって、ゆっこさん(麻央侑希)は元気いっぱいの大きな声でしたし、
れんくん(如月蓮はれんくんらしさと宝塚、ファンの方への想いがあふれていて客席も思わず笑い、舞台上のせおっち(瀬央ゆりあ)が「うんうん」と大きくうなずきながら笑顔を浮かべているのが映っていました。

あーちゃんは涙をこらえながらの挨拶で、今日初めて涙を見た…と思ったら、最後に大階段を下りてきたさゆみさんも涙ながらのご挨拶でした。

さゆみさんに花束を渡すときことちゃんが滂沱の涙で頬を濡らしていて、さゆみさんが受け取りながらことちゃんの頬をぬぐってあげていました。

初めてこの宝塚で見た舞台をいまでもはっきりと覚えています。
外から見られただけで幸せでした。(中略)
泣くつもりではありませんでした。

……この舞台が私の全てでした。
私がいまここにいられるのは、諦めなかったからです。
舞台の一番端にいる私を応援してくれるファンの方、先生方、星組の仲間がいたから諦めないでいられました。

(東京もまだありますが)清く正しく美しく、そして朗らかに舞台に立って行きたいと思います。

ユズ長が「お客様を笑顔にしたいというさゆみちゃんのために、笑顔で拍手をお願いいたします」と言ったのですが、そもそもユズ長が泣いているじゃないですか。
これが泣かずにいられましょうか。

この後カーテンコールであーちゃんが「さゆみさん、大好きです」と言うと、さゆみさんは「隣にいるのに前(客席)を向いて言われるという」と突っ込んでいました。

さゆみさんは何度も何度も「本当にありがとうございます」と心からの、素朴な言葉を口にしていました。

小田和正さんの曲の通り。言葉にできない。

またカーテンコールの3回目あたりだったかべにあーの2人だけでステージに立ったとき「相手役があーちゃんでよかった」と言って、あーちゃんが花束に顔をうずめるようにして泣いていました。

そんなの見たら泣いちゃうじゃないですか。
そしてこれはべにあーの幸せな結婚式のようだとも思いました。

退団発表の記者会見でさゆみさんが「(宝塚において)綺咲と結婚しましたから」と答えておいででしたし、主役のお2人も参列者(たとえば映画館のヴィスタリア)も幸せな気持ちになるという意味では近いのではないでしょうか。

(星組トップスターを)礼真琴に引き継げるのも本当にうれしく思います。
これからの星組もよろしくお願いします。

さゆみさんもことちゃんも星組の生え抜きでずっと近くで舞台をともに作り上げてきたからこその言葉だと思いました。
そんなの泣いちゃうに決まっているじゃないですか。

紅ゆずるという奇跡のトップスターだからこ言葉にできること

星組のあったかさを退団者やスターさんたちの挨拶や涙、スクリーン越しに伝わってくる空気に感じていました。

ではそれはどこから生まれているのかと言えば、やはりさゆみさんなのでしょう。

さゆみさんは自身の成績が悪かったことに触れ、自ら「私が男役主演をさせていただくという、ありえない奇跡のようなこと」言ってみせるのです。

卑屈になるでもなく、驕り高ぶるでもなく、です。
トップスターがどれだけ貴いものであるかを踏まえた上で「私がトップスターです」としゃちほこばるでもなく、かといって選ばれたことに戸惑いすぎもせず、受け止めるべきものを受け止め、その上でさゆみさんにしかできない数々の作品を見せて楽しませてくれたとヴィスタリアはいま思います。

さゆみさんは組の仲間、相手役、スタッフに限りない感謝をさゆみさんにしかできない言葉で表現しておいででした。

(舞台には見えていませんが)たくさんのスタッフがいて、タカラジェンヌとして宝塚の舞台に立てています。

なによりさゆみさん自らが手にした“ありえない”奇跡を、宝塚全体、舞台全体、そして宝塚に入りたくても入れない人にまで思いやって言葉にしてくれました。

私は星組しか知らないのですが、5組そうだと思いますが、舞台の端にいたるまで全員が全力でやっています。
みなさま是非、見てあげてください。
(中略)
宝塚というのは狭き門で、ここにはいない方たちの思いを受けて私は男役主演をさせていただいています。

成績あるいは舞台技術を踏まえた上で、舞台は技術のみで成り立つものではありませんし、さゆみさんは余人をもって代えがたい個性と魅力とあたたかい心を作品、組全体に広げてくれたと思います。

さゆみさんとあーちゃんにしかできない作品、さゆみさんの繊細さと優しさがあってこその星組のあたたかさが大好きだと今日のライブビューイングを見てあらためて気づくことができたように思います。

こんなトップスター、トップコンビはもう二度と見られないでしょう。
東京宝塚劇場で最後の舞台をこの目と心に焼き付けたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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