映像の感想

真彩希帆と星蘭ひとみ~卒業を決めた娘役を語り、あるいは送り出す~

こんばんは、ヴィスタリアです。

スカイステージで退団が決まっている娘役さんの番組2本を見ました。

そのなかで特に印象に残ったことについて書いています。

雪組トップ娘役真彩希帆を語る

まずはLOCK ON!スター徹底検証 真彩希帆を見ました。

スカステ歴が浅いこともあり、娘役さんがこの番組に登場されるのは異例のことであるということを今回初めて知りました。

淡いグリーンのワンピースに短めの金髪、ピンク色のチークが映えるきぃちゃん
表情がくるくる変わってまるでティンカーベルのようでした。

鎖骨の美しい首元にはのぞ様(望海風斗)から贈られたネックレスが輝いていました。

そんなきぃちゃんについてこちらの方々が証言していました。

かのちゃん(潤花)
・生田大和先生
のんちゃん(千風カレン)
ぴーすけ(天華えま)

新人公演で3回(「ひかりふる路」「凱旋門」「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」)きぃちゃんのお役を演じたかのちゃんのお話からは
真彩希帆というトップ娘役が下級生の娘役スターにどのように大切なことを教えていたかが伝わってきました。

潤花)「ひかりふる路」新人公演でロベスピエール(本役 望海風斗)と抱き合って歌うシーンで、私は歌に課題があるので必死だったのですが、
あるとき真彩さんが私を抱きしめてくださって
男役さんに抱かれるときはスポンジのように男役さんの胸に溶け込んで心を感じて
と言ってくださったことは今でも常に意識しています。
(中略)
「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」で(中略)真彩さんからも「かの自身にも相当な覚悟を持ってこの役に挑んでほしい」と言っていただいたことが今でも残っています。
(中略)
また「この世界実力を磨くのは当たり前のことだけれども、それ以上に普段自分がどういるか。
周りの方にどう感謝して一緒に舞台を作っている皆様と心を通わせて作ることでお客様が受け止めてくださる」ということを教えていただきました。

男役さんとご一緒するときに寄り添うだけじゃだめ、1人で輝いていないと男役さんにも失礼
実力を磨くだけでなく、常に綺麗でいたいと思う心が大事
と言っていただいて、普段のお化粧、お稽古着も一番綺麗にいたいと思うことでお稽古場の居方も変わると学ばせていただきました。

これはきちんと伝わりかのちゃんも実践していることを
先日宙組「アナスタシア」の稽古場リポートに宙組生として登場していたかのちゃんの美しいお稽古着を思い出しました。

またのぞ様が組替えで雪組にいらしたころ野々花ひまりちゃんに同じことをアドバイスされていたのを思い出しました。

下級生が語る望海風斗さんのこと(和海しょうさんと野々花ひまりちゃん)おはようございます。ヴィスタリアです。 今週はスカイステージでのぞ様(望海風斗)のことをお話する生徒さんお2人が印象に残りました。...

きぃちゃんものぞ様から聞いたり教わったことを下級生に伝えているのかな…と思いました。

一方で「オフの日に真彩さんにおうちに遊びに行ったらほとんど望海さんの話だった」と暴露されて
きぃちゃんがお顔を真っ赤にして否定していたのがかわいかったです。

お次は生田先生が花組時代、星組時代、そして雪組での作品ごとに証言されました。

これがとてもすばらしくて、卒業公演のショー「シルクロード」に期待が高まりました。

望海さんと組むと聞いたときはそれはすばらしいだろうと思いました。
どういう化学変化が起きていくのかという期待とは別に、自分自身たちのトップコンビをどう作っていくのか、取り組んでいくのかは早霧さん、咲妃さんが非常によいお手本になったと思う。

トップコンビとは自分たちで作っていくものというのを目の前で示してくれていたと思いますので、
望海さんと真彩さんでないとできないこと、いまの雪組でないとできないことってなんだろうというのを突き進んでほしいと思いました。

またこのお2人の歌に感じる、もちろんお客様も感じている他の人となにか違うというのを言葉にして教えてくれたのがフランク・ワイルドホーンさんで
2人はすばらしいミュージシャンだね」と言ったんです。
シンガーではなくミュージシャンというのは音楽を生み出していける人たちなんだと。
(中略)
トップコンビとしての一つの到達点は「ファントム」だったんじゃないかと思います。
この作品をもう一つ上のステージに2人が高め、コンビとしても理解が深まって「ひかりふる路」とは違うものになりつつあると思います。

だから「シルクロード」で2人にしかできないことを最後までチャレンジして、「あのトップコンビすごかったね」と言わせたいなと。
そして「ひかりふる路」から始まった道がここに(シルクロードという道に)つながったんだと、2人が新たな旅に出るというイメージを重ねて考え出した企画です。

可能性のリミットを感じさせないことじゃないですかね…卒業するのが寂しい気持ちもあるけれども、新しい入口に立ち扉を開けていこうとする2人に賛辞を送りたい。

シルクロードというタイトルにそんな意味がこめられていたなんて、生田先生の深い愛情と思い入れが伝わってきます。

時間は止まってほしいしやめないでほしいけれど、稀有なトップコンビであるだいきほがこれまで見せてくれた道の先にあるもの、最高の到達点、新たな魅力に出会えて、
「寂しいけれど卒業でよかったんだね」と区切りをつけさせてくれそうです。

3人目はのんちゃん
上級生娘役、副組長としてきぃちゃんの成長を見守ってきたこと、トップ娘役として努力し続けてきたきぃちゃんへの深い敬意が伝わってきました。

千風)望海さんとちゃんと歌い合える娘役がいるのかという衝撃がとても大きくて、そこにきちんとついていける彼女を尊敬しています。
(ライブ「La Voile」について)100%エネルギーを出すだけでなく、どのくらいの力でどうすれば自分が美しく見えるのか、男役さんに対して綺麗に見えるのか…最後の方は泣きながら見ていまして。
望海さんからもLINEがきて
「見てる?」「はい」
「のんちゃん泣いてる?」「はい」
「私も泣いている」と。

望海さんの考えられる宝塚の世界、外の世界ではできない、男役さんを立てる、決して義務ではなく男役さんを立てたいから立てる。その姿を美しく表現できるのが宝塚だと思っていて、
それができるようになったんだなあと見ておりました。
(中略)
真彩希帆という娘役を必死にお水をあげて育ててきたんだと思うんです。
大輪の花が咲いた今、自分らしく、肩の力を抜いて舞台を楽しんでほしいなと。
いまの彼女だったらがんばらなくても素敵な舞台になるでしょうし、とても誇らしい娘役のお姫様になってくれたので、
努力はし続けたまま、そのまま大輪の花を咲かせてほしいなと思います。

これはのんちゃんが娘役として大切にしていることも伝わってくるすばらしいお話で感動しました。

上級生として支え甘えられる存在でありトップ娘役のきぃちゃんへの深い尊敬を伝えるのんちゃんは素敵な服組長さんですね。

最後は同期のぴーすけが同期ならではのお話をしていました。

甘えさせてあげられる場所がないと甘えられないところ、ちょっと子どもっぽいところもあって、
ひっくるめてすごくかわいいし大好きなので甘えてくれたらすごくうれしいなって思います。

最後に寄せるメッセージが家族の目線なのに同期の絆を感じました。

星蘭ひとみが語る新人公演ヒロインのオーディション、宝塚のあたたかさ

続いては11月30日付でご卒業となる専科のせーらちゃん(星蘭ひとみ)のインタビュー番組Memories of 星蘭ひとみを見ました。

黒✕白のワンピースにロングヘアを美しく巻いたせーらちゃんはお人形のようなかわいさ、美しさです。

せーらちゃんのお姿をもう宝塚の舞台で見ることはなくこの番組がさよならになってしまうのかと思うと残念です。

少し緊張しているような、はにかみながらも正直にご自身のこれまでのことを伝えようとしている印象を抱きました。

「ベルリン、我が愛」新人公演
実は、発表の前日に父が亡くなってすごく悲しかったんですけれど、主人公のジル自身も父親が亡くなっても強い信念を持って生き続けることに私もジルのようにがんばって強く生きようと背中を押されました。

そして新人公演初主演ですごく緊張してしていて、隣で極美さんが「がんばろう」 と(声をかけてくれて)緊張なんかしていられないなと。

新人公演の映像が流れ、カリンちゃん(極美慎)がジル役のせーらちゃんのメイクを直してあげるシーンがピックアップされていましたが、
絵になる美男美女のカップルでこの耽美なシーンがなんと似合うのかしら…とあらためて思いました。

意外だったのが新人公演のヒロインにオーディションがあったというお話です。

なんとなく、完全に勝手なイメージなのですが、主要な役はオーディションはなく劇団側が決めているのだと思っていました。

「ANOTHER WORLD」新人公演
新人公演ではお澄さん(本役 綺咲愛里)をさせていただいたんですけれど、オーディションが蛇をつかまえて振り回すくだりで
これは自分を、恥ずかしさを捨てて思い切ってやってみよう!と挑みました。
きっとその意気込みが伝わってお澄さんという役をさせていただけたのかなと…

なので新人公演ヒロインという大きな役にもオーディションというチャレンジする場があることがうれしいような、ほっとするような、そんな印象を受けました。

そして娘役さんたちがこの蛇を振り回すシーンに奮闘し挑戦されたであろうことを想像すると微笑ましくも、
きっといろいろなことを考えて挑戦されたんだろうなあと貴さに胸が熱くなりました。

もうひとつ意外だったのがいわゆる映像専科への組替えについて、せーらちゃんの正直なお気持ちが伝わってきた言葉が語られたことです。

ファンにとっても驚きでしたがご本人が受けた驚きはいかばかりだったでしょう。

専科への組替えについて
お話をいただいたときは正直、私が?専科?と頭の上にハテナがいっぱいとんだんですけれど、
映像でテレビの世界で挑戦してみないかというお話だったので、人生一度きりだし、新しい世界にはばたいて挑戦するのもいいのかなとお話を受けました。

現場の方、共演者のみなさまが宝塚と同じようにあたたかくて、たくさん教えていただきました。

1人で活動することが多くなって、星組の仲間や同期のありがたさに気づいて、宝塚ってあたたかいところだなって…決して見捨てることはないし、皆で同じ方向を向いていくのがすばらしいなと思いました。
同期は家族であり、一緒に戦ってきた仲間です。

また舞台に立つことなく卒業されることについてもまっすぐにお気持ちを伝えてくれました。

突然の発表で驚かれたことと思います。
私自身、舞台に出演することなく卒業するので皆様に感謝の気持を述べる場がないことが寂しく、悲しかったのですが
今回このような番組を作っていただけたことを嬉しく思います。

そして皆様には本当に、下級生のころからたくさん応援をしていただき、すごく励みになっていました。
宝塚で教えていただいた小林一三先生の「清く、正しく、美しく」の精神をこれからも大切にして、
第二の人生を歩んでいきたいと思います。
本当にありがとうございました。

このせーらちゃんの言葉を聞いて、外の世界、映像の世界で一層活躍されるのかな?と(勝手に)思いました。

映像の世界で活躍されているOGの先輩方のようにドラマや映画でせーらちゃんをお見かけすることになるのかもしれません。

収録を終えたところでスタジオに突然ユズ長(万里柚美)がいらっしゃいました。

突然の卒業発表でお稽古場や退団のセレモニーができなかったのでこの場をお借りします。
まずは同期生からのお花です。

そして、星組からのお花は組長の美稀千種、新人公演で相手役をつとめた極美慎です。

星組の同期(碧海さりお・彩園ひな・颯香凛)からは花冠とお手紙が、
みきちぐさんとカリンちゃんからはブーケが渡されました。

このすばらしいサプライズには泣かずにいられませんでした。
宝塚って本当にあたたかいところですね。

最後にせーらちゃんが目を真っ赤にしながら駆けつけた仲間を見ながら「すごく幸せに卒業することができます」と言っていました。

せーらちゃんの第二の人生がたくさんの幸せに満ちたものになりますように。
ご卒業おめでとうございます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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