観劇の感想

宝塚歌劇への見事な昇華(ONCE UPON A TIME IN AMERICA初日の感想)

こんにちは、ヴィスタリアです。

雪組「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」東京宝塚劇場の初日を観劇してきました。

すごかったです!作品も、雪組も。
「ファントム」もすごいと思いましたがそれ以上かもしれないと思いました。

まだ1度しか見ておらず気づいていない点などあるかと思いますが、ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想を書いてみました。

なお作品、映画の内容に触れています。

小池修一郎先生によるギャング映画の宝塚歌劇への見事な昇華

原作の映画を2回見てから観劇しました。
4時間近い映画なので通しで見ることは難しくて細切れの視聴ではありました。

映画を見なくとも舞台を充分楽しめると思いますが、見てよかったと思った理由は2つあります。

1.映画がものすごくいい作品でハマった

2.小池修一郎先生の作、演出の手腕がよくわかった

1.の映画作品については恥ずかしながら作品名も今回初めて知ったくらいで、もしも宝塚歌劇で上演されることがなかったから一生見ることはなかったでしょう。

それがあまりにも惹き込まれて、1度視聴した後「あのシーンはどういう意味?このシーンはどういうことだったんだろう」と気になってすぐに冒頭から再生し直しました。

また映像、音楽の美しさ(とりわけ甘美なアマポーラ)、ヌードルス/ロバート・デ・ニーロやマックス/ジェームズ・ウッズたちのすべてを言葉にしない、もの言いたげな表情で紡がれるストーリーに魅せられてハマってしまったのです。

好きな映画のベスト5に間違いなくこの作品が入ります。

複雑に描かれ謎も残るストーリーのすべてが理解できているわけではないのですが、
特にヌードルスとデボラの関係、ヌードルスとマックスの関係にシビれました。

マックスたちを裏切ったヌードルス。
出所したヌードルスのためにデボラを連れてきたマックスが後年になってデボラを手に入れるーーそのマックスの最後の願いを拒絶したヌードルス。

小池先生がプログラムに寄せられた「勝者も敗者も、幸不幸の分量はそう大して変わらないことがわかってくる」という一文に深くうなずきましたし、
これはヌードルスとマックスだけではなく、思わぬ形で再会したヌードルス/望海風斗デボラ/真彩希帆「いま幸せ?」という問いかけに凝縮されていたと思いました。

この問いに対する答えの切なさ、込められた長い年月の果にたどり着いたものがたまりませんでした。

2.の小池先生の演出家としての手腕は、まず長大な原作の整理の仕方に発揮されています。

ストーリーが整理され、映画では明確に描かれていないことが補強され、すっきりとわかりやすくなっています。

映画ではよくわからなくて舞台を見て「そういうことだったのね」と理解できた箇所がいくつかありました。

また小池先生の宝塚歌劇への昇華が見事で感服しました。

原作は暴力的、性的な描写も多く「よくこの作品を宝塚歌劇でやろうと思ったなあ」とまずそのアイデア自体に驚きました。

そういう清くも正しくも美しくもないシーンは排除されています。

さらに皇帝と皇后王冠赤い薔薇といったモチーフを効果的に取り入れています。

3回登場する赤い薔薇の使い方は見事で、
中でも1幕最後の薔薇の使い方は絵として最高に美しいだけでなく、原作では救いようのないシーンをよくぞこの形にしてくれたと思います。

宝塚歌劇の美が凝縮されている名シーン、語り継ぐに値するシーンではないでしょうか。

また小池先生は原作の少ない役を増やし見せ場を作り、ナンバーをふんだんに用意してミュージカルとして息づかせています。

デボラ/真彩希帆のブロードウェイの舞台の豪華さ、キャロル/朝美絢のクラブ、
明るくにぎやかなハバナのシーンなど宝塚歌劇を見た!という満足感がありました。

2幕のキャロル/朝美絢のクラブインフェルノのナンバーとマックス/彩風咲奈の銀行襲撃の話を織り交ぜて進めていく手法が秀逸だと思いました。

テンポがよくて緊張感が高まります。

小池先生の盆やセリの使い方、1幕最後の組子勢揃いなどはお馴染みのスタイルが確立しており、
「CASANOVA」で生田先生が題材のみならず手法まで踏襲しているのでは?と思うほどでした。

小池先生のセオリーがそれだけ確立していることだと思うのですが、今回は1幕最後がヌードルス/望海風斗一人のシーンだったことが印象的でした。

映像とセットの組合せも洗練されており、キラキラとゴージャスに光るだけが宝塚歌劇の舞台の豪華さではないと教えてくれたように思います。

また映画の音楽はアマポーラがリフレインされるのですが、この馴染みのある美しい曲に頼らなかったのもすごいと思います。

望海風斗様 初日のご挨拶

初日のカーテンコールは3回ありました。
ヴィスタリアが覚えられた限りのニュアンスですがだいもんのご挨拶はこんな感じでした。

1回目は「このメンバーでこの作品がまたできることがうれしい」というお話がありました。

(2回目)マスク越しでも皆様の柔らかい表情がわかって春の日差しを浴びているかのようです。
(笑いがおこり)何を言っているんだか(笑)。皆様、健康第一ですのでまたお会いしましょう。

3回目はスタンディングオベーションでした。幕が開くとだいもん今回本当に何も考えていなかったのが伝わってくる間がありました。

えー…… 何も考えていなくて、みなさん何かありますか(左右を見る)。
みんな、私が喋ると思っているでしょ。聞かれてもねえって感じですよね。

今日は何も考えていませんでしたー!!

最後に「お気をつけてお帰りください」と(いうような感じのこと)を言った後、だいもんが一際大きく手を振っていたのが印象的でした。

ご自身が元気でその元気をわけてくれているような、そんなお手振りでした。

ヴィスタリアはちょうどヒメさん(舞咲りん)の正面あたり(2階B席)に座っていたのですが、ヒメさんが2階の端から1階の舞台近くまでものすごく広い範囲に視線を送りながらお手振りをしているのがよく見えました。

キャストごとの感想は次に続きます。

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POSTED COMMENT

  1. うみひこ より:

    ヴィスタリアさん

    映画ご覧になったんですね。よく見続けられましたね。最初のバイオレンスな場面の連続でもうギブ!という女の人が多そうですけど。

    自分もどちらかと言えば印象に残った映画なんですが、ところどころ受け入れ難い場面があり(例えば新聞売店にヤキを入れるところ)、何度も見返すことはしませんでした。また昔見た時は場面が飛び過ぎて何が何だか??状態でした。確かに複数回見ると理解できますね。あと音楽がいいです。尺八のような音色のメインテーマとか。

    小池先生が整理&補強&昇華してくれているんですね。楽しみです。
    この作品、望海さんにやらせたい主人公キャラという観点で小池先生が持ってきたのかなと思ってます。(ポーの一族での明日海さんも同様)
    でも「幕末太陽傳」と同じくらい、宝塚に似つかわしくない映画ですね。

    もしヴィスタリアさんがこの映画がいい!であれば、マフィア映画のGod Father とそのPart IIをぜひご覧になってみてください。自分はものすごく好きで今でも繰り返し見ています。三浦カズも大ファンだそうです。

    • vistalia より:

      うみひこさん

      映画、最初は「うわぁ……」と思いましたがカメラワーク、演技が見事でぐいぐい引きこまれました。

      すっかりハマってしまって、amazo primeで見たのですがディスクにはエクステンデッド版に解説も入っている聞き買ってしまいそうなくらいです。たぶん買います。

      マフィア映画のおすすめ、ありがとうございます。

      映画ではほとんど名前で呼び合わなかったり、宝石店でのキャロルが「殴って」というのが???だったのですが、小池先生の手腕ですっきりとわかりやすく整理されています。

      原作、元ネタがよければ宝塚歌劇の名作になるわけではないと、小池先生の整理と役の膨らませかた、テンポがよくダレない演出にあらためて思いました。

      うみひこさんの仰る通り、小池先生は「ポーの一族」をやりたいと願い続け明日海りおさんを待ったように、「ONCE」をやるために望海さんというトップスターを待っていたのでしょう。
      このあたりをプログラムに書いておられるのですがとてもいい文章です。

      ただ今回の音楽は正直、一度聞いただけだと覚えられなくて(歌うまのだいきほですから難しそうなナンバーが多い上に曲数も多いです)、映画の方が好きかもしれません。
      メロディー(尺八に納得です)にアマポーラに印象的ですから。

      宝塚版は何度か聞けば覚えるでしょう。あと1幕最後のドラマチックなメロディは秀逸だなあと思います。

      すでに次の観劇が待ち遠しいですし何度でも見たくなります。

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