観劇の感想

瀬戸かずやコンサート「The ALSTROEMERIA」演出家安寿ミラのデビュー作

こんばんは、ヴィスタリアです。

あきらさん(瀬戸かずや)の退団後初めてのコンサ0と「The ALSTROEMERIA」の初日を観てきました。

このコンサートはヤンさん(安寿ミラ)は初めて構成・演出・振付を手がけた、振付でお馴染みのANJU先生の演出家デビュー作でもあります。

ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想で、コンサートの内容に触れています。

安寿ミラの初演出 瀬戸かずやコンサート「The ALSTROEMERIA」感想

ヤンさんは宝塚歌劇の振付、ご自身のダンスコンササート「FEMALE」の演出・振付は手がけていますが、ご自身の出ない舞台の演出は今回が初めてで、これはあきらさんのオファーであったことがプログラムで明かされています。

あきらさんは在団中の「FOCUS ON」でもヤンさんのエピソードに触れていました。

一方でヤンさんが演出家としてプログラムに寄せた言葉には「外側の彼女(瀬戸さん)のことしか知りません」という正直であっさりした言葉があり、しかし対談ではとても外側しか知らないとは思えないけど…?という愛ある言葉もあって、
このツンデレ具合が最高にヤンさんらしいな…とにやけてしまいました。

瀬戸さんの宝塚卒業後の第一歩を素敵なステージにしてあげたい!!」という熱い言葉もあって、それは存分に実現したのではないかと粋で洒脱で、一流のエンターテインメントとして質の高いコンサートを観て実感しました。

とても楽しいコンサートで追いチケしようかしら…と思うほどで、千秋楽のライブ配信も見たくなりました。

プログラムによると4つの章にわかれています。

第1章 MISSION
第2章 SHOW TIME(コール・ポーターメドレー)
第3章 WITH SPECIAL GUESTS
第4章 FINALE

盛り沢山のナンバーをあきらさんが歌いまくりの踊りまくりで、
そのパフォーマンスからもご挨拶やトークからも「このひと時を楽しみたい、楽しんでもらいたい」という真摯な思いと愛があふれていて、お人柄も伝わってくるようでした。

この日は2階の最前列で観劇していたのですが真っ直ぐな視線がたくさん飛んできて、きっとあきらさんはすべての観客の目と心を捉えていたのでは。

あらためて素敵なスターさんだなとたくさん拍手を贈りました。

第1章 MISSIONは、「From Russia with Love」、007のテーマ曲に合わせて黒いハットにトレンチコートのあきらさんはじめ出演者のみなさまが疾走し踊るところから始まりました。

これがもう天才的にかっこよくてまいってしまいました。
あきらさんにも、思いついて形にするヤンさんにも。

世界のあちこちを巡るというのはショーではよくある設定だと思うのですが、そこに007やMと敵対する世界を股にかける女泥棒という切り口を持ってくるなんて!
最高にかっこよかったです。

ミス1217(あきらさんの誕生日ですね)のあきらさんが三井聡先生演じる”M”と盗むべきターゲットを巡って南米、ヨーロッパ、南の島とあちこち飛び回るという設定で本格的なタンゴやラテンナンバーが展開していきます。

1217のあきらさん、タンゴではダークグリーンのタイトなドレスで踊っていてとても美しくてゴージャスな、迫力のある美女でした。

背中や腕の細さ、ドレスのスリットから覗く長い脚の美しさにドキドキしちゃいました。

三井先生にリフトされたり、男性ダンサーたちに取り合われたり見ごたえのあるアルゼンチンタンゴで、
青いドレスひーこさん(笙乃茅桜)で踊るのもとても素敵でした。

あきらさんは他にも背中全開のドレス姿をご披露されていましたが男役のとき以上にあきらさんのスタイルのよさ、鍛えられた美しさが目に眩しかったです。

ハットに添える手が大きいことは現役のときから知っているつもりでしたが、今回はネイルをされていたこともあって指もとても長くて綺麗なことを知りました。

美女、男装の麗人、カーニバルの女王とミス1217は変化しミッションをクリアしていきますが、この場面の転換の仕方がヤンさんらしくて、クスリ…というかニヤリとさせられるもので、しかも笑いだけでなく切なさもあり、
サプライズの”出演”もあり、自分にはたまりませんでした。

「FEMALE」を見てると馴染みもあるのですがあきらさんファンの方はどう受け止めたのかちょっと気になります。

第2章以降は洒脱で楽しく、そして疾走感のあるセットリストで、ピリリと締まった場面転換を照明が引き立て、上質なショータイムが続きました。

ナンバーには宝塚時代のものもありました。

朝日の昇る前に(グレート・ギャツビー)
My Dear(はいからさんが通る)
ジョバイロ

再びあきらさんの青江冬星編集長に会えたのもうれしかったですし(座って歌のがとってもかっこよかった)、
ジョバイロは退団公演のショー「Cool Beast!!」のフィナーレナンバーで使われていたので胸がいっぱいになってしまいました。

あのときとは振付が違ってそこにヤンさんのニュアンスが色濃く感じられたり、あきらさんが同じ90期のくみさん(芽吹幸奈)と寄り添ったりエスコートして踊るのもたまりませんでした。

ナンバー中と、そしてアンコールで謳われたこのコンサートのタイトル「The ALSTROEMERIA」の主題歌はヤンさんの作詞でした。

宝塚歌劇団を卒業して、これから広い世界でどのように生き、他ならぬ必要欠くべからざる者として舞台に立っていくのか、いまのあきらさんにしか歌えないものであり、そしてOGとして経験してきたヤンさんだからこその力強くあたたかい歌詞はこれ以上ない応援のようでもありました。

あきらさんが思いを込めて歌う中で「道」という歌詞が心に刺さり、ヤンさんがかつてFEMALEでMy wayを舞台生活の来し方行く末の思いを込めて踊っていたのを思い出しました。

この主題歌が象徴するように、コンサートのすべてが男役から活躍の場を新たな世界に移したばかりの、過渡期の今の、今しかないあきらさんの魅力をむきだしのまま、変に飾ることなく、最上の形で見せてくれたコンサートのように思いました。

すばらしい舞台であり、すばらしい演出家ANJUのデビュー、すばらしい瀬戸かずやさんの退団後初のコンサートでした。

これからの活躍を大いに楽しみにしています。

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