おはようございます。ヴィスタリアです。
星組「1789」前楽の充実 人権宣言の日
今日は東京宝塚劇場で星組「1789」が大千秋楽を迎えますね。
いろいろとあったこの公演がこの日を迎えるんだ…と噛みしめています。
大千秋楽おめでとうございます。
自分は昨日の前楽を観劇しました。
前楽がmy楽。 pic.twitter.com/2eILIa6a0m
— ヴィスタリア@聞いてちょうだいこんなヅカバナ (@zukabana_vis) August 26, 2023
仲良しのヅカ友さんのおかげで観劇することができました(本当にありがとうございます…!)
リカさん(紫吹淳)、美弥るりかちゃん、そして今回のみほちゃん(有沙瞳)と、特に好きな生徒さんの退団公演の前楽は観劇できている僥倖も噛みしめながら観劇しました。
「前楽って好きなんだよね」とお話されていたのはみりおちゃん(明日海りお)、相手役さんの退団公演に際してだったと記憶しています。
自分も前楽には特別なものがあるし、好きと思っているところがあって、それは公演としてのクオリティがものすごく高くなるとこれまでの観劇体験で実感してるからかもしれません。
千秋楽はもちろん胸に迫りますし観劇できれば幸せですが、千秋楽は「最後」であるがゆえの特別さ、セレモニー感があるような気がします。
それに宝塚歌劇の場合は映像にも残りますし、ライブ配信で見ることもできます。
前楽はそのセレモニーになる前の最後の公演だからこその一つの完成があると感じているのかもしれません。
そして昨日の、奇しくも人権宣言が採択された8月26日の前楽の星組「1789」もすごかった!!
約3週間ぶりの観劇でしたが、舞台全体を通して集中力と完成度がすごくて、照明以外のものすごい光源が加わってまばゆい光が舞台から客席、劇場全体に射して包み込んでいるような、ちょっと経験したことのない輝きがあったんです。
誰がどうとかではなく、全てがものすごい舞台を観ているという感動で涙がこみあげること度々。
休演のあったことちゃん(礼真琴)は三井住友カードさんの貸切公演ということで終演後にはご挨拶もあり、
一人で舞台に立ったことちゃんに大きな大きな、鳴り止まない拍手が贈られました。
今日の大千秋楽はトップスターとしてご挨拶されますが、どうか一つも謝ったりしないでほしいと思います。
星組生、まゆぽん(輝月ゆうま)も一層進化し深化しているのを感じましたが、
特にアルトワ伯/瀬央ゆりあがもっとも変化しているように自分は感じました。
アルトワ伯の色気と、ちょっと目が爬虫類的といいますか変温動物のような不気味さがあって(←褒めてます)、千年生きていてもおかしくない妖しさと俗っぽいもの執着に凄みがあって。
専科への組替えが決まっているせおっちが次の星組公演にはいないと思うと寂しいです。
永遠のヒロイン 有沙瞳の卒業によせて
度々書いていますがみほちゃんが大好きで、昨日は劇場でお別れしてきました。
2幕の「神様の裁き」に至る場面でいつも以上に涙を流していたマリー・アントワネット/有沙瞳。
特にオランプ/舞空瞳との別れの場面で向かい合ったときに、涙の粒がぱたっ…、ぱたっ…と一粒ずつこぼれて照明にきらめいていたのが、この場面のアントワネットはほとんど宝石をつけていませんが、一番のアクセサリーだと思いました。
スカイステージのインタビュー番組「memories of…」で大劇場千秋楽で同期のありちゃん(暁千星)からお花を渡された際に「綺麗だよ」と囁かれ、みほちゃんはうれしそうに、コロコロと転がるような声でお話していました。
(有沙瞳)(ありちゃん)がもうかっこよくて、本当に。
男役さんの近くでいる娘役が、自分が好きだったんだなと、卒業で実感しました。
同じことを「1789」で最後の相手役をつとめたカノンくん(天飛華音)についても、涙まじりでお話しています。
(有沙瞳)天飛自身、お稽古場の始めからこの公演の最後まですごく男らしくなって、「私、アクセル大好きです」って言ってくれてね。
私、もうその言葉が一番の褒め言葉で。
自分が褒めてもらったりすることももちろんうれしいんですけど、男役さんが喜んでくださったり、ファンの方がその男役さんの隣でいることによって「新しい魅力が発見できました」という言葉がやっぱりうれしいんだなと思ったとき、私は娘役が根本なのかなと卒業公演であらためて感じた。男役さんの一番こだわっていらっしゃるところを一番近くで見て、感じられて、一番幸せ者だと思うんですよ。
(娘役として大切にしていることについて)本当にいろんな男役さんのステキなところを感じて、その方に寄り添える娘役さんでいたいというのがずっとあった。相手を感じること、相手を好きって思うこと。
インタビューの中で多くの相手役スターさんのお名前が出てきたことも印象的でした。
雪組時代のれいこちゃん(月城かなと)。
星組に組替えになってからはことちゃん(礼真琴)、せおっち(瀬央ゆりあ)、愛ちゃん(愛月ひかる)。
そしてイシ様(轟悠)。
タイミングさえ合えばトップ娘役に――と夢見て願わなかったことがないと言えば嘘になりますが、みほちゃんのインタビューを見てトップ娘役にならなかったからこそ、これほど多くの、素敵な男役スターさんの相手役ができたという幸せが確かにあるんだと噛み締めました。
卒業公演の「1789」だってルイ16世/ひろ香祐、フェルゼン/天飛華音という2人の相手役さんがいますからね。
宝塚GRAPH8月号のサヨナラ特集でもカノンくんとの素敵なツーショットがあります。
この特集では「ロミオとジュリエット」の乳母役について、ダブルキャストが多い中でのシングルキャストを自分は名誉な配役だと思っていたのですが、
娘役として演じることへの複雑な思いも赤裸々に語られています。
また当時「ロミオとジュリエット」のお稽古で小池修一郎先生に相当厳しいことを言われたと、みほちゃんが読売新聞のインタビューに答えていました。
稽古の初めの台本読みでは「先が思いやられる」と小池修一郎先生から言われました。
「乳母が一番心配。幕が開く気がしない」とも。
その小池先生が今回「1789」のスタイステージで放映されたステージドアでこんなふうに語っていました。
(小池先生)
今回は有沙瞳がいて、女役の貫禄のあるところ、押出しのあるところは任せられるので、舞空瞳が若い娘のオランプで(中略)充分にヒロインでいられると思って、トップコンビが(ロナンとオランプを)するというキャスティングにしました。
(中略)
(有沙瞳のマリー・アントワネットについて)キャリアも充分ですし、彼女のいまの積み重ねたものが遺憾なく発揮できる役とこで、この公演で退団しますけども、今日まで自分というものを培ってきてよかったなと思います。
こういう役と演技者の幸福な出会いというか結びつきというのがあるので、そこが舞台のおもしろいところだなと思います。
「ロミオとジュリエット」の乳母以降、これぞという「王家に捧ぐ歌」のアムネリス役、「赤と黒」ルイーズを経たからこそ
小池先生からこうした賛辞が送られたかと思うと、このすべてが噛み合ったからこその幸福な出会いを一層噛みしめたくなります。
みほちゃんご自身が望んでいた一本物、輪っかのドレス、役を生ききる、しかも「1789」でマリー・アントワネット、そんな退団公演になったのですから。
自分にとって永遠のヒロインである娘役スター有沙瞳がこれ以上無い公演で、役で永遠になる今日の大千秋楽をライブで見届けたいと思います。