こんばんは、ヴィスタリアです。
星組「眩耀の谷/Ray」東京宝塚劇場の大千秋楽のライブ配信を視聴しました。
今回は2回観劇した上でのライブ配信であり、みつるさん(華形ひかる)のご卒業の日ということで心のままに見ての感想です。
泣いて笑って、そして泣いて忙しかったです。
星組「眩耀の谷」正体を明かす男と女
プロローグのブン族の鮮やかな衣装の色合い、なっちゃん(白妙なつ)の洗われるような澄んだ歌声、
そして瞳花/舞空瞳を中心とした美しい総踊りに
「ああ、宝塚歌劇ってなんてすばらしい総合芸術なんだろう」と感動しました。
そのほかの場面でもセット・照明の細部まで凝った美しさがよくわかり
ライブ配信ならではの別の視点で楽しむことができました。
劇場だと生徒さんを追ってしまいがちですし、オペラグラスでは不可能なほど鮮明に生徒さんの表情が見えるのも楽しかったです。
たとえ台詞のない生徒さんでも表情、佇まいから「こんなふうに役作りをしているんだ」と受け取ることができます。
たとえば終盤の瞳花が思いを込めて舞い始める前に
ヨナ/音咲いつきとヌル/紫りらがソロを歌うところできちんとアップで捉えてくれたのは印象的だったカメラワークの一つです。
ところで開演から30分もしないところで突然画面が真っ暗になり、自分の視聴環境に問題に起きたのかと思ったら
舞台機構の関係で公演の進行が止まってしまったようで、アナウンスが入り客電もつきました。
このとき映っている客席がとても静かで、劇場にいらっしゃるみなさまが守るべきルールを守り、
また舞台の無事を祈り心を寄せていることが伝わってきました。
トラブルによる中断は20分ほどだったでしょうか。
再開して幕が上がり、ことちゃん(礼真琴)の「始めるぞ―!」に拍手が起きていました。
ストーリーテラーである春崇/有沙瞳は先日放映されたカフェブレイクでの「相手役はお客様」という話を踏まえてあらためて見るのを楽しみにしていました。
みほちゃんの語りには情景が見えると思いました。
「ある夕暮れのこと」
「大木が谷の入口」
「光りに包まれたこの場所」
「渓流」
「山」
どのように風光明媚なものであったのか、あるいは険しいものであったのかが声と目線からありありと伝わってくるんです。
舞台と客席をつなぐ存在であったとあらためて思いました。
正体が明かされるラストシーンの照明とせり上がり、3人しかいない舞台の光景は何度見ても夢のようです。
映像で見て強く印象に残ったのが謎の男/瀬央ゆりあです。
丹礼真が「戦いを仕掛けてきたり薬を売り込んできたのはブン族だと聞いている」という周国側のストーリーを語るとき、
耳を傾ける表情のなんと雄弁なことか。
謎の男の側には別の真実があることがよく伝わってきました。
また銀橋で丹礼真と管武将軍/愛月ひかるが対決するシーンで
謎の男が本舞台の奥の上段から腕を組みをして見ていますが、この場面の存在感の異様さといったら。
照明で表情が見えないのがまた凄みを増しています。
初見の観劇のときからカイラ/綺城ひか理の彼自身のストーリーが立ち上ってくるような演技に深く揺さぶられています。
相棒とも言うべきクリチェ/天華えまとのやりとりは好きな場面で、
メモを取りました。
カイラはどうする。
考えていることはお前と一緒だ。
では、行くか。
長身のあかさん(綺城ひか理)とぴーすけ(天華えま)が
音もなく本舞台を駆け抜けていくのも好きです。
心にあるものが燃え立っているのが見えるようですし、その後の阿吽の呼吸だからこそ為せる仕事も納得の通じ合い方です。
あかさんとぴーすけのかっこいいお顔がじっくり見えたのも楽しいライブ配信でした。
ショー「Ray」劇場でも映像でも秒
心のままに見すぎてほとんど秒で終わってしまいました。
◆プロローグ
ことちゃんのがっつり引かれた紫色のアイシャドウを見て、
星組さんの舞台化粧って本当に濃くて好きと思いました。
昨日いつも以上に薄めのコンサート仕様の雪組さんを見たばかりなので一層濃く感じたのもあると思いますが、
自分は星組が初観劇だったこともあってこの濃ゆ~い感じ、好きです。
衣装を変えて登場したことちゃんのオラオラ具合がすごくかっこよかったです。
◆タンゴの場面(Ray夢)
みっきぃさん(天寿光希)とはるこさん(音波みのり)の上級生カップルも見たいし、
ことなこの圧倒的なダンスも見たい。
あっちもこっちも見たくて目がいくつあっても足りません。
なこちゃん(舞空瞳)のあの背中のそらせ方、
ピルエットで残した脚がいつまでもおりてこないのはいったいどうなっているんでしょう。
◆中詰
怒涛のように押し寄せてくるので目が足りないのですが、
今回はカノンくん(天飛華音)がオーラを爆発させているのが眩しかったです。
星組の男役さんらしいギラギラ感がある生徒さんだと思っています。
◆ロケット
あいちゃん(小桜ほのか)はキュートかつ小悪魔的なセクシーさもあって大好きです。
このキューピッドのようなカツラも似合っていてかわいいです。
◆フィナーレ 黒燕尾
ことちゃんがかけた「フッ」という掛け声のカメラワーク、最高でした。
客席からは絶対見えない斜めからの角度でアップだったんです。
すばらしいショットをありがとうございます。
そして星組の黒燕尾は引きの映像で見てもみっきぃさんの美学と技に目が吸い寄せられます。
青いドレス姿の娘役さんが銀橋に勢揃いするYou are my sunshineは
一瞬一瞬が美とかわいいの宝庫ですべてをコマ送りして記憶に刻みたいくらい好きです。
この公演が長き星組組長最後の公演となるユズ長(万里柚美)の笑顔とせおっち(瀬央ゆりあ)との顎クイと粋で大人な投げキスのやり取りも最高でした。
デュエットダンスはシンクロした動きと技術のすごさはもちろん、
ことなこが作る空気に酔いしれました。
世界の彼氏 華形ひかるさんがご卒業される
第一次ヅカファン時代に初舞台を踏んだみつるさんのことはよく覚えています。
といっても今ほど観劇フリークだったわけではなく舞台姿は思い出せないのですが、
初舞台生の「歌劇」「宝塚おとめ」で
華やかな美貌とインパクトのあるお名前はすぐに覚えました。
一昨年にヅカファンに復帰してから見たみつるさんは
いつも深みと幅のある表現力、存在感のある芝居で舞台をひきしめ、また楽しませていただきました。
「ANOTHER WORLD」の貧乏神ことかわいいかわいい貧ちゃん。
「GOD OF STARS-食聖-」の艷やかな長髪とスーツが最高にかっこよかったエリック・ヤン。
そして「鎌足」の命を燃やし尽くすような蘇我入鹿は一番好きな役で忘れられません。
皇極帝/有沙瞳との美しい濡れ場も最後のシーンも凄絶でした。
映像ではありますが月組「グランドホテル」のプライジング社長の怪演も忘れられません。
悪役とも違う、フラムシェンにひどいことをして物語を大きく不吉に動かすこの役の存在感を出せるのは
みつるさんしかいなかったと確信しています。
今回のお芝居でことちゃんと絡む場面がなかったことが惜しまれますが
星組を「第二の故郷」というみつるさんが星組でご卒業されることが沁みます。
ショーの中詰で銀橋にずらりとスターさんたちが並んだとき
ことちゃんがみつるさんの前を通るとき拳を合わせていました。
またフィナーレのYou are my sunshineでは銀橋を渡り合うことちゃんとみつるさんが
大きな大きな投げキスをし合っていました。
パレードでは歌っておられるときもおじぎをした後も、晴れやかな笑顔が輝いていて眩しかったです。
お花渡しは専科のまりんさん(悠真倫)と、同期生はにわさん(奏乃はると)からでした。
世界の彼氏は最後のご挨拶も最高にかっこよかったです。
ようやくここにたどり着いたというべきか、ついに来たというべきか、言葉を選んでしまいます。
東京公演を今日まで続けてこられましたのは劇団関係者のみなさま、スタッフのみなさま、お客様のご協力があったからです。
本当ににありがとうございます。3月以降不安なときもありました。
しかしそんなとき、宝塚に対する私の思いは高まるばかりでした。男役のためならば、宝塚のためならば、と思える宝塚に育てていただいた私は幸せ者です。
そして仲間たち。皆の存在もとても大きかったです。
みなさんには清く、正しく、美しく、そして朗らかに、小林一三先生の言葉を考えて、宝塚を未来につなげてほしいと思います。私の男役人生、宝塚人生に一片の悔いもありません。
一緒に歩んでくださった皆様、長い間、本当にありがとうございました。
ユズ長の「星組はみつるの故郷です。私は最後にみつるの卒業のお手伝いができて幸せです」は
最高の言葉でした(涙)。
みつるさんが袴姿で階段をおりてきたときから泣きそうなのをこらえていた
ことちゃんのご挨拶は途中なら流れる涙そのままでした。
ご挨拶の一部ですが、まさかおでこの言及があるとは驚きました。
(舞台機構のトラブルについてお詫びの言葉があった後)
礼真のおでこが広がってしまったのは私個人のトラブルでございます。
申し訳ございませんでした。やっとこの日が、ついにこの日がやってまいまりました。
無事に終えられそうなのも奇跡のように思います。
この日がこないかも知れないと頭をよぎることも何度もありました。(中略)この土地にいる人々のために、立ち上がる力に私はなりたいーー礼真ははその思いを胸にこの場所にやってまりました。
自分でも礼真なのか自分なのか、わからなくなるときがいっぱいありました。
でもこうして皆様がいてくれるからこそ、新しい道を切り拓いていくことができました。
このままこの思いをこの先につなげてけるよう、星組一同つとめてまいります。
FOREVER TAKARAZUKAをことちゃんの横で歌うみつるさんが頬を濡らしていました。
3回めのカーテンコールでことちゃんの口から「世界の彼氏」という単語が出たのにはにやけてしまいました。
ファンの間だけかと思いきや公式だったんですね。
大羽根で「自前のソーシャルディスタンス」をとっていたり
お2人の関係性が伝わってくるようなやりとりに和みました。
また全員がそろってことちゃんからユズ長への
「サンダーボルトファンタジー」
「ロックオペラモーァルト」
「眩耀の谷」の息子役にからめての挨拶はたまらなかったです。
終演後のユズ長の心のこもった淀みのない、耳に心地の良い挨拶を聞くのも最後かと思うと涙腺が緩みましたし、
最後にエレガントなお辞儀に大きな拍手が贈られたのもぐっときましたが、それ以上にウルウルしてしまいました。
自分の初観劇(1996年「二人だけが悪/パッション/ブルー」)のときからユズ長は星組生でした。
美の宝庫である星組娘役を最上級生として、組長として長らく率いてこられたユズ長はまさに星組の守護神でした。
お疲れ様でした。
専科生として各組へ出演されるのを楽しみにしています。
星組さん、無事に千秋楽の幕がおりたことを心から祝します。
組を率いたことちゃんの背負っていたものの重さはいかばかりだったでしょう。
本当にお疲れ様でした。
そして世界の彼氏華形ひかるさん、長年のご活躍とすばらしい舞台をありがとうございました。
ご卒業おめでとうございます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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