映像の感想

明日海りお という一つの時代の終りを見て思ったこと

こんばんは、ヴィスタリアです。

明日海りお様退団の大千秋楽「A Fairy Tale/シャルム!」のスカイステージ放送を見た

スカイステージでみりおちゃん(明日海りお )の退団公演花組「A Fairy Tale/シャルム!」の大千秋楽を見ました。

先週のときめきチャージ企画第1段星組「GOD OF STARS/Eclair Brillant」に続き、今回も大きなときめきと元気を貰いました。
スカイステージさん、本当にありがとうございます。

この作品は幸運なことに劇場で3回と新人公演を観劇することができたのですが、大千秋楽のライブビューイングは見ることができなかったのでこれが初見です。

せっかくなので映像で特に気になったことが気づいたことなどを書いてみます。

……が、「A Fairy Tale」は劇場で見たときは作品を理解できなくて(すみません)、映像で見直したら違う見方が発見できるかと思っていたのですがやっぱりよくわからなくて(すみません)、
みりおちゃんのどんな言葉にもできない美しさと気迫のすごさに見入っていました。

というわけで今回は「シャルム!」さよならショーについて書いています。

良作「シャルム!」を味わい尽くす

「シャルム!」スルメ系という位置づけなのだと映像で見て思いました。

劇場で見たときはこの作品にどハマりはしなかったのですが、しばらく経ってからふと脳裏に思い浮かべたりクセになる主題歌を口ずさむことがあって、「もしかしてかなり好きな作品かもしれない」と思うようになりました。

好きが昂じて実況CDを買ってしまって聞いているうちにじわじわと好きが高まってきました。

なでこんなに「シャルム!」が好きなのか、ポイントを考えてみました。

1.主題歌とプロローグの雰囲気

2.パリの夜の地下都市というモチーフ、若手男役の登用の仕方に工夫がある

3.選曲が落ち着く(J-POPがない)

4.スーツ、黒燕尾と花男のツボが押さえられている

まずクセになる主題歌とプロローグの雰囲気がすごく好きなんです。

黒の羽根扇に黒×紫の衣裳のプロローグは大人っぽくて艶めいた魅力が濃くたちこめていて花組らしさも感じられます。

主題歌はメロディも素敵で、雰囲気が変わってみりはながデュエットするところはうっとりですし、「シャルム!」「シャルム!」という掛け声(?)がまたクセになります。

地上で遊んでいる若者カタフィルたちがフルフル/華優希に誘われてマンホールの中へ降りていくとそこにはシャルム/明日海りお の魅惑の地下世界が広がっているーーという設定と、
カタフィルたちが下りて行ったマンホールの蓋が締まると本舞台の奥で豪華な蓋の装置が回転して一気に地下の世界に誘われる装置が好きです。

この仕掛けによって劇場という閉鎖された窓のない空間と地下世界が重なって自分が地底へと誘われたような気分に浸れます。

若手男役スターさんがアイドル的に歌ったり踊ったりする場面がよくありますがカタフィルたちはそういう手法に甘んじず、
真夜中0時の地上のパリで遊んでいるところから地下都市へと誘われて場面ごとに時間が進んでいって朝のパリに戻りフィナーレへと繋がるのが巧いと思うのです。

フィナーレがあきらさんの「聞かせてよ、愛の言葉を」から始まる繋がりも自然ですし好きです。

そして「シャルム!」全編を通して選曲が落ち着くのも好きなポイントです。

選曲に品があり、耳馴染みはあれどマンネリすぎずテンポがダレることもありません。

これは個人的な好みですが、ヒットナンバーやJ-POPは外箱のコンサートでは盛上がるのでありだと思いますが、本公演のショーやレビューではそぐわない気がしているのでJ-POPがないことにほっとするのです。

最後に外せないポイントはスーツと黒燕尾の名場面があることです。

スーツの場面(Night Jungle 美しき男)は百花沙里先生、そして黒燕尾はヴィスタリアの永遠の贔屓ヤンさん(安寿ミラ)の振付で、どちらも美学があります。

こういう宝塚歌劇の受け継がれていく美学、真髄が見られる場面をOGさんが振付けられているのはとても素晴らしいことで誇らしいです。

大千秋楽「シャルム!」の好きだったところ

大千秋楽の映像のなかで好きだったポイントを挙げてみますね。

プロローグみりおちゃんの気迫と煽るような色気がすごいです。

歌が爆発していて(褒めています)「地底のに咲いた」のに置かれた強さにほとばしるエネルギーを感じます。

銀橋から捌けるときのふわっと濃い、スローな投げキスは画面越しでも卒倒するかと思いました。

れいちゃん(柚香光)が銀橋を渡るとき、本舞台で踊るマイティ(水美舞斗)の脚の上げ方のなんと自然で美しいことか。

Night Jungle 美しき男みりおちゃんの完璧な男役の美しさにこれだけのものを見せられるようになるまでの長い長い年月に思いを馳せたくなりました。

みりおちゃんれいちゃん、マイティを従えて踊っているとき、とても難しい質問を思い出しました。

それは「れいちゃんとマイティのダンス、どっちが好きか?」というものです。
それぞれ違う魅力があり比べられないのでこの質問の答えが出る日は永遠に来ないと思いました。

みりおちゃんマイティにハットを手渡すときに遊んでいました。
もしかしたら定番ネタだったのかなと思いました。

中詰の冒頭、マイティとこの公演でご卒業されたしろきみちゃん(城妃美伶)が銀橋で交錯するとき、
マイティがアドリブでしろきみちゃんの手に口づけていて思わず歌が「きゃー」となっているのがとってもかわいかったです。

Espoir 明日へヤンさんの振付で踊るマイティの表現力と技術が素晴らしすぎて、マイティを通して大好きなヤンさんの世界のもっとも大切なところを見せてもらっているような気持ちになりました。

La Mer 光へ白い衣裳で全員揃っての場面はくみさん(芽吹幸奈)の豊かに響く歌声もすばらしいですが、笑顔がまぶしくてたまりません。

大階段で娘役さんたちと踊るところは明日海さん大好きのりんちゃん(凛乃しづか)の表情に感情があふれていました。

黒燕尾は貴い気持ちが伝わってくるようで感動しました。動きの揃い方もすごい!

ヤンさんの渾身の振付、大階段についた30 人の男役さん1人ひとりに違う振付をされています。
みりおちゃんの作品にちなんだものだそうですが、誰がどの作品なのかこれからじっくり見て答合せをしたいです。

ずらりと並んだ花男たちの前でソロで踊るみりおちゃん、男役さんたちが限りない敬意を込めて頭を下げるところが何度見ても好きです。

みりおちゃんのソロからマイティ、あきらさん、れいちゃんとそれぞれ踊るところくらいから魂のこもった「ケサラ」は泣いていました。

明日海りお 様サヨナラショーの感想

大千秋楽のさよならショーは初見なのでとても新鮮な気持ちで見ました。

みりおちゃんの肩羽の華やかな、アイスブルーの衣裳がゴージャスでとても素敵でした。

「幻想曲 花!」では白い羽根扇がまるで「シャルム!」の黒羽根扇と対になっているようでした。

客席おりのあった「Exiter」では小川理事長はじめ演出家の先生方が並んでいる列にヤンさんが優しい笑顔、愛がいっぱいの熱い眼差しで手拍子をしているのが映っていました。

「CASANOVA」のドンナロッサたちでは退団同期のあかりさん、えみちぃさん、くみさん、しろきみちゃんと絡んでいるのがまた素敵でしたし、
その娘役さんたちが歌う「Sante!!」のかっこいいことと言ったらありません。

ちらりと映ったあかりさんの髪飾りがゴージャスで素敵でした。

「Happiness」の最後でみりおちゃんは歌詞が飛んでしまわれたのか、ちょっと笑っていたのがなんともかわいかったです。

最後のご挨拶は娘役さんたちの神々しいくらいの美しさ、神聖さのようなものに胸を打たれました。

今こんなにも美しく輝いているのになぜ卒業されてしまうのか…卒業されるからこその特別の輝きを纏っているのか…。

みりおちゃんのご挨拶は独特の言語センスが光っていて、自然と心に浮かんだ言葉を伝えてくださっているんだろうなあと感じました。

後輩たちに夢を託せることを心から喜び、卒業後も清く正しく美しくという覚悟の真っ直ぐな思いにはシビれました。

そして幕がおりる前、二階席を見上げるみりおちゃんの「ああ、終わってしまうなあ」というような表情がとても印象的でした。

これまで何度も素敵な景色を見てこられたんでしょうね。

カーテンコールではれいちゃんのぐだぐだな花組ポーズが微笑ましかったです。
プレお披露目公演「DANCE OLYMPIA」ではしっかりトップスターさんをされているのをタカラヅカニュースで見ました。

最後に緞帳前でのみりおちゃんの「次に会うときはニセタカラジェンヌですから街で見かけたら声をかけてください」という言葉に客席が大きくどよめいていましたが、もしも街でこんなに美しい人を見かけたら卒倒しそうです。

実際に年末、ヤンさんのクリスマスコンサートに行った際に客席にいらしたのを至近距離で拝見しましたが美とオーラがすごくて、そこだけ別世界かと思うほどのまばゆさでした。

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ヴィスタリア自身は長いブランクからヅカファンに復帰したのはみりおちゃんのトップスター時代の後半からでしたが、
明日海りおという一つの時代を作ったトップスターの舞台を見られて幸せだったと、大いにときめいたスカイステージ放送でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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